78 / 177
78. 御屋敷合宿
しおりを挟むそれから毎日、野営訓練の特訓という名目で、女子達が集まり、ヨナンの地上の屋敷でお茶会が開かれた。
一応、お茶会の後は、エリスがコーチになって、野営訓練の特訓もしてる。
俺も、ちょっと頑張っちゃって、地下宮殿とは別の地下訓練所を作って、そこで訓練しているのだ。
そう。カララム王国学園の野営訓練は、完全に戦争訓練なのである!
話によると、班ごとに別れて、陣地取り合戦をするらしい。
しかも、1位になると、Aランチの学食チケット30枚貰えちゃうのだ。
因みに、学食には、Aランチ、Bランチ、Cランチがあり、メイン料理が違うBとCはタダ。
そして、3000マーブル払うと食べれるAランチはスペシャルなコース料理が出てくる。
ハッキリ言うと、Aランチは相当豪華で、お店で食べると1万マーブルはするコース料理だったりする。
でもって、このAランチの学食チケットが掛かってる為、全校生徒滅茶苦茶燃える。
特に、一般庶民である特待生や、下級貴族がね。
完全に下克上狙いで、上級貴族を倒しに来るのだ。
そして、上級貴族もプライドがあるので負けられない。
絶対に、特待生や下級貴族にAランチを食べさせてなるものかと。
Aランチは、金に余裕がある上級貴族の特権だと。
まあ、ヨナンは普通にAランチを金を出して食べれちゃうのだが、やるからには勝ちたい。
ん?ヨナンが本気になって、聖剣ムラサメを使えば簡単に勝てるだろって?
まあ、その通りなんだけど、それでは全然面白くない。
なので、今回の野営訓練は、俺は指揮官に徹する事にしたのだ。
「腹筋1000回!」
なんか、エリスが無茶なシゴキをしてる。
女子にやらせる特訓とは思えないが、みんな頑張ってる。
話によると、何かをエサにしてやらしてるらしいが、俺は何をエサにしてるかよく分からない。
兎に角、女子達は、そのエサがどうしても欲しいらしく死ぬ気で頑張ってるとの事。
俺の仕事は見る事だけ。
名前: マリン・チーター
スキル: 剣術Lv.1
ユニークスキル: 瞬足Lv.1
力: 95
HP: 120
MP: 90
名前: スーザン・スパイダー
スキル: 身体強化Lv.1
ユニークスキル: 索敵Lv.1
力: 100
HP: 150
MP: 85
『ユニークスキルに、マリンさんは瞬足、スーザンさんは、索敵を持ってますよ!』
鑑定スキルが教えてくれる。
「瞬足と索敵は使えるな」
そう。俺には、鑑定スキルLv.3が付いてるのだ。他の奴らには絶対に分からないユニークスキルが分かっちゃう。
それにより、適材適所に人を配置して、野営訓練1位を狙っている。
まあ、Sクラス以外は余裕で勝てると思うが、アスカの班と、カトリーヌの班は少し厄介。
何故なら、アスカの班には、『恋愛イチャイチャキングダム』の攻略対象であるチートスキルを持つ男子2人組がいるし、カトリーヌの班は、イーグル辺境伯の血筋であるカトリーヌ自体が人間凶器。
『で、ご主人様どうするんですか?』
鑑定スキルが聞いてくる。
「女子達のユニークスキルを伸ばす!」
『なるほど、レベル上げですね!』
「で、どうやればレベルが上がるんだ?」
『剣術スキルや身体強化は、中々上がりませんが、瞬足や索敵は以外に上がると思いますよ!
まあ、僕が鑑定し続けてレベルが上がったように、瞬足は、ダッシュ。索敵は、索敵し続ければ上がる筈です!』
「ならば、今日からここで合宿だな!
野営訓練まで、日にちもないし! 時間が惜しい!」
野営訓練まで、後5日。カララム王国学園では、野営訓練の特訓の為なら、学校を休むのもOKになっているのだ。
まあ、本気の戦争訓練なので、ある程度の練度は必ず必要なので、当然と言えば当然なんだけど。
そして、ヨナンが地上の屋敷で合宿をする提案をしたら、何故か知らんが、女子達全員が万歳してた。
きっと、合宿中は、グラスホッパー商会の商品なら、どれだけでも何を食べても自由と言ったからだろう。
商品カタログを見せたら、みんな食い入るように見てたし。
まあ、1個5000マーブルもするグラスホッパーマンゴーも、食べ放題なので、みんなヤル気になるのも当然であろう。
でもって、みんなの結束を高める為に、敢えて全員同じ部屋で寝泊まりさせる事にした。
部活の合宿ぽく、体育館で布団を敷いて雑魚寝みたいにしようかと思ったけど、よく考えたら、この世界は布団は一般的じゃないので、ベットにした。
でもって、ベットを並べたら、なんか隔離病棟みたいな感じに見えたので、慌てて人が9人寝ても余裕がある巨大ベットを作って、そこでみんなを寝かせる事にした。
これで、相当チームの結束が高まること間違いない。
女子達に、「それなら、ヨナン君もみんなと一緒に寝たら、より結束が高まるのでは?」と言われたんだけど、俺は辞退した。
だって、コイツら絶対に、俺個人というより、俺の財力を狙ってるだけだと思うし。
一度、添い寝でもしようものなら、カレンみたいに勝手に、婚約者にされてしまうかもしれないし。
兎に角、俺が出来る事は全部やってやるのだ。
一人一人にマッサージ師も付けてやったし、専属メイドも付けてやった。
全ては、特訓に集中させる為に。
俺は、やる時はやる男なのだ!
まあ、飴と鞭を使い分けて、自主的にやってもらうように仕向けてるだけなんだけど。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
2,902
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる