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第一章 ヨナン・グラスホッパー編
86. ザマー
しおりを挟む鷹の目Lv.3と射撃Lv.3を持つアイ・ホークと、瞬足Lv.3を持つマリン・チーターがチームで生徒狩りに出掛けた。
その他の班員は、陣地の作戦会議室で待機。
俺が作った大型ビジョンには、鑑定スキルLv.3の共有機能によって、アイさんの目線が映し出されている。
その他にも、たくさんのモニターが設置されており、スーザンによる索敵画面。色々な場所の画像。ハッキリ言うと、陣地に居ながらにして、どこのどの班よりもカララム高原を把握してるのである。
「最初は、今の時点から1番近くにいるC班のゲリラ3人組を倒してくれ!」
鑑定スキルの念話機能を使って、アイさんと、アイさんをおんぶして担いでるマリンに命令を下す。
「「ラジャ!」」
マリンは、アイが敵を狙いやすい位置まで、物凄いスピードで移動する。
そして、射的するのに理想的な位置に到着すると、
ヒュン!
モニターに映し出されていた索敵のマークが1つ消える。
続け様に、マリンはアイさんを担いで移動する。わざわざ1度弓矢を放ってから移動するのは、敵に位置を割りざさせないようにする為。
そして、
ヒュン! ヒュン!
今度は、1度に2人倒した。
完全に敵は、矢が放たれた方向を意識してたので、背後はガラ空き。
まさか、数秒後にマリン達が、矢が放たれた場所から移動して、真逆に居るとは誰も思わないだろう。
本当にヤバい。鑑定スキルLv.3の念話と共有機能と、スーザンの索敵Lv.4。そして、アイさんの鷹の目Lv.3と射撃Lv.3。そんでもって、マリンの瞬足Lv.3が有れば、完璧な暗殺チームが出来上がってしてしまうのだ。
『アイさんと、マリンさんだけで、勝てちゃうんじゃないですか?』
鑑定スキルが、話し掛けてくる。
「だな」
そもそも、敵はどこから矢が飛んでくるか分からないのだ。だって、普通の人の目じゃ視認できない位置から弓矢を放ってるから。
しかも、短時間で移動して放ってくるので、敵は何人で襲撃されてるのかも全く分からなくなる。
『敵からしたら悪夢ですよね。何がなんだか分かんないうちに殺られちゃうんですから』
「まあ、それもお前の念話と共有機能。それからスーザンの索敵Lv.4が有るから為せる技だな!
結局、敵の位置が全く分からなかったら、アイさんの射撃スキルも鷹の目も、宝の持ち腐れになっちゃうし」
『ですよね! やっぱり、僕が一番、ご主人様の役にたっちゃってますよね!
なにせ、僕が居なければ、女の子達のユニークスキルも分からなかった訳ですし!
もっと、僕を褒めちゃっていいですよ!
僕って、褒められると伸びるタイプなんで!』
「ああ。みんのお前のお陰。鑑定スキルLv.3様々!」
俺は、鑑定スキルも褒め殺しにしておく。
どれだけ褒めても、減るもんじゃないし。
『フフフフフ。ヤッパリご主人様は、僕が一番なんですよね!
僕とご主人様の絆は、誰にも壊す事なんか出来ないんです!』
鑑定スキルは、どんだけ俺の事が好きなんだろう。
本当に、鑑定スキルが人間じゃなくて良かった。
人間だったら重すぎるし。
てな感じで、陣地の作戦会議室から指示を送りつつ、野営訓練の攻略を進めてく。
「ヨナン君! 取り敢えず、BクラスとCクラスの生徒達は、アイちゃんが殲滅したよ!」
2時間後、マリン・チーターから念話で連絡が入る。
「じゃあ、次はアスカを狙おう」
「Aクラスの班じゃなくて?」
マリンが尋ねてくる。
「今じゃないと意味ない。今なら、誰もSクラスの女子が離脱してないからな」
そう。アスカを陥れる為には、アスカがSクラスの女子の中で一番最初の離脱者にしなければならないのだ。
多分、これから本格的な戦闘が始まってしまうかもしれないので、何かの拍子で他のSクラスの女子が戦線離脱してしまったら、元も子も無くなってしまう。
俺的には、アスカへのザマーの次に、野営訓練の勝利なのである。
「アスカをSクラスの女子の中で、一番最初の離脱者にするという事?」
「ああ。まだ、Sクラスの女子は誰も戦線離脱してない、今じゃないと駄目だ!
奴なら、同じSクラスの女子を盾にしてでも最後まで生き残ろうとする鬼畜だからな」
「言えてる!」
マリンも同意する。まあ、アスカ以外のSクラスの女子を倒してしまうと、後でしこりが出来るかもしれないので、作戦としてはアスカ以外のSクラスの女子達を最後まで殺さないで、野営訓練を終わらせるのだ。
だって、勝敗は、最後にどれだけ陣地を確保するかによって決まるので、別に人を戦線離脱に追い込まなくも良いのである。
まあ、敵を倒せば成績に加点されるかもしれないけどね。
早速、マリンとアイは、アスカが立てこもる陣地に移動する。
アスカの班は、5つの陣地を確保してるので、どの陣地も2人づつしか人が居ないのである。
まあ、Sクラスの人間が持つチートスキルを持ってすれば、Sクラス以外の生徒を相手にするなら2人で十分なのだ。
『アスカは、陣地に立てこもってますけど、余裕ですね!』
「ああ。イケメン君に守ってもらってるな!」
ヨナンは、全ての陣地に小型カメラを何台も設置してるので、アスカの動きが手に取るように分かってるのだ。
でもって、勿論、鑑定スキルの共有機能によって、マリンもアイさんもしっかり共有してる。
陣地の外に居る見張りが居る逆側から300メートルの距離から、アイさんはアスカに狙いを定める。
ん? アスカは、陣地の屋内に居るのに大丈夫なのかって?
索敵スキルと監視カメラが有るから問題ない。アイさんなら、建物の中に居ても撃ち抜けるのである。
俺が作った、アダマンタイトミスリル合金の矢もあるからね。
木造の陣地なら、まるで豆腐に爪楊枝を突き刺すくらいにスカッ!と、矢が突き刺さるのだ。
でもって、
ヒュン!
『アッ! アスカの腿に矢が突き刺ささりましたね!』
鑑定スキルが、モニターを見てる俺に話し掛けくる。
「ああ。何が起こったの?て、顔してんな。イキナリ過ぎて、痛みも分かってないんじゃないのか?」
『アイさん! ご主人様が、まだ足りないと言ってますよ!』
鑑定スキルが気を利かせて、念話で、アイさんに矢のオカワリを要求する。
「了解」
ヒュン!
グサッ!
次は、反対の足の腿に矢が突き刺さる。
「ぎゃあーーーー!」
やっと自分の置かれた状況が分かったのか、アスカは悲鳴を上げる。
『アッ! イケメン君が気付いて、アスカが居る陣地の中に戻ってきますよ!』
ヒュン! ヒュン! ヒュン!
アイさんは、鑑定スキルに言われてもないのに、手や足の至る所に、矢を撃ち抜き、アスカを完全に戦線離脱へと追いやったのだった。
「アッ! アスカ! 誰に殺られた!」
イケメン君が到着した時には、もう既にアスカは失禁して失神。あまりに衝撃過ぎて脱糞までしてるし。
まあ、しっかり監視カメラから録画してるから、この野営訓練が終わったら、アスカに高額料金で売り付けるのも面白いかもしれない。
『撮れ高稼げましたね!』
鑑定スキルが、ヨナンにだけ聞こえるように念話で話し掛けてくる。
「だな」
ヨナンは口元を手で隠しつつ、女子達に分からないように、密かにほくそ笑んだ。
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