大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

文字の大きさ
157 / 269
第一章 ヨナン・グラスホッパー編

157. ナナ班優勝!

 
 ナナ班の快進撃は凄まじく、あれよあれよのうちに、全て生徒を倒し、2日目にして、完全優勝を成し遂げてしまった。

「俺の妹、メッチャ凄い!」

 俺は、感動のあまり、涙が止まらない。
 鼻水垂らしながら、テンション上がり過ぎて、空中浮遊する為に、手に持ってた聖剣ムラサメを、危うく手から落とししまいそうになる始末。

 もう、その時は、鑑定スキルが慌て過ぎて、『世界が終わっちゃうー!!』と、大絶叫してたし。

 その後、聖剣ムラサメを、上空40メートルの高さから落としようものなら、この惑星は、爆発して木っ端微塵になり、下手すると、俺達が住んでる惑星がある銀河まで消滅していたかもしれないと聞かされ、オシッコチビりそうになりながら、1時間程、鑑定スキルに、キツく説教されてしまった。

 兎に角、何が言いたいかというと、俺の妹は、カララム王国学園、野営訓練始まって以来、たった2日間で、全ての生徒を倒して、完全制覇の優勝を成し遂る偉業を達成したのであった。

「本当に凄い。伝説の勇者みたいに、たくさんの人達に称えられてるし。 俺は、ナナの兄ちゃんとして、とても誇りに思う!」

 俺は、鑑定スキルに怒られた後も、感動が止まらない。
 ビートル城塞都市での表彰式に出席するナナを見て、もう、感無量。

「ナナの晴れ姿を見れる時が来るなんて……死に戻り前、アスカに奴隷にされて、足の指を舐めさせられてる時なんかには、絶対に想像さえできなかったから、グス……」

『そりゃあ、たった2日間で、野営訓練を終わらせちゃったんですよ!
 誰が見ても、物凄かったし!
 ご主人様の大工スキルみたいに、凄すぎるせいで、誰にも見えなかったとかいうオチも有りませんし!』

 そう。確かに、ナナの戦いは、普通の人にもなんとか見えるレベルだったのだ。
 多分、これが大工スキルのアップデート版、土木スキルの性能なのだ。
 大工スキルのように、物凄過ぎて、誰も気付けないとかいう事がない。

『土木スキルは、全てが程々なんです。敢えて、人々が凄いと認識できるぐらいに、能力を落としてるんです!』

「俺も程々が良かった。そしたら、鼻糞ほじりながら、スネ毛で物を作らなくてもよくなるし」

『それは、ご主人様の自業自得です。女神ナルナー様に、一番凄い創造系のスキル寄越せと、駄々を捏ねたんですから!』

「だけれども、限度があるだろうがよ!
 こんなスキル、誰にも使いこなせねーよ!」

『いやいやいや。ご主人様は使いこなせてますよ!
 大工スキルって、そもそも、そういうスキルですから!
 何を持っても、極限にまで能力を引き出してしまうんですから!』

「だとしても、極限にも限度があるだろ!」

『だから、それが大工スキルなんですって!
 物凄いんですけど、余りに使い勝手が悪過ぎて、封印されてたスキルなんですから!』

「じゃあ、一生封印しとけよ!」

 てな、話をしながらも、粛々と表彰式は、進んでいく。

「カッカッカッカッカッカッ!ハツカ・グラスホッパーよ!
 此度は、並々ならぬ偉業の達成、大変素晴らしく思う!
 流石は、我が友、ヨナン・グラスホッパーの養女だわい!
 彼奴も、常軌を逸した強さだが、そなたもヨナン・グラスホッパーに引けを取らぬ強さであった!
 そなたの偉業を称え、準男爵の爵位をやろう!
 今後も、カララム王国の臣下として、精進するように!」

 アレキサンダー君は、ご満悦。使えるコマがまた1人、増えたとでも思ってるのだろう。
 早速、取り込む為に、爵位まで与えちゃってるし。
 というか、ハツカは、俺の養女であるのだけど、一応、ココノエの護衛で、アンガス神聖国の人間という事になってるので、爵位で、カララム王国に縛る作戦なのだろう。

「有り難き幸せ。しかしながら、私は養父ヨナン・グラスホッパーの養女。
 勝手に、カララム王国の爵位など貰う訳にはいきません!」

 どうやら、根が真面目なナナは、準男爵の爵位を貰うにしても、俺の了解を取ってからと、アレキサンダー君に伝える。

「カッカッカッカッカッカッ! 養父、ヨナン・グラスホッパーしかり、養女までも、儂に平気で口答えするか!
 今迄に、儂に面と向かって口答えしたのは、ヨナン・グラスホッパーと、ハツカ・グラスホッパー。お前達2人だけじゃ!
 まあ、貴様は、我が友、ヨナン・グラスホッパーの養女だから、今回は不問にするが、これからは口にする言葉には気を付ける方が良かろう。誰しも、儂のように話が分かる人間ばかりでは、無いからのう!」

 アレキサンダー君は、ハツカをギロリと睨み付ける。

『ご主人様! 堪えて下さい! 何、アレキサンダー君に向かって、聖剣ムラサメを振りかぶってるんですか!』

 アレキサンダー君に、ナナを虐められた事により、我を失ってしまった俺を、鑑定スキルが必死に止める。

「例え、この国の王であろうと、俺のナナを虐める奴は、叩き斬ってやる!」

『ご主人様が、聖剣ムラサメで、本気で斬っちゃったら、世界が消滅しちゃうので、絶対に止めて下さい!
 せめて、折れた爪楊枝か、なんかで、アレキサンダー君を斬って下さい!』

「斬っていいのかよ?」

『僕も、アレキサンダー君より、ナナさんの味方ですから、アレキサンダー君を斬っても問題無いです!』

 鑑定スキルは、どこまでも俺ファースト。
 イザという時は、絶対にを俺の味方になってくれるのだ。
 普段は、俺の事を思って小言も多いが、本当に、イザという時だけ。

『あの……ご主人様の心の声、いつも言ってるように、ダダ漏れなんですけど……
 僕は、いつでもご主人様ファーストですから!
 今回も、別にアレキサンダー君ぐらい殺しちゃってもいいと言ってるだけで、そもそも、ご主人様にとっては、世界征服も簡単だと言ってるだけですから!』

「確かに、聖剣ムラサメ一振で、この惑星を破裂させる力を持ってる時点で、俺は、この惑星最強だもんな……もう、神越えてるじゃん」

『今更ですよ! 実際には、この惑星がある銀河ごと破壊出来る実力がありますから、この惑星が、所属する銀河の神と言っても差し支え有りません!
 だって、この銀河の生存与奪権を、ご主人様が全て握ってる訳ですから!』

「俺って、そんなに凄い存在だったのか?」

『今更、気付いたんですか?』

 鑑定スキルが、呆れながら質問する。

「うん。今、知った!」

『まあ、ご主人様にとっては、今回、アレキサンダー君に罰を与えるついでに、この惑星自体を破壊する事も、些細な事かもしれませんが、そんな些細な事で、毎回、惑星を破壊してたら、そのうち人が住める惑星が、いくら有っても足りなくなる事は、理解しといて下さいね!』

 なんか、鑑定スキルの話を聞いてたら、些細な事で、キレる癖を治さなければと思うヨナンであった。

 だって、人が住める惑星を探すのって、大変そうだしね。
感想 193

あなたにおすすめの小説

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。