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毒華の目
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「それは王宮の北側小ホールのドアノブですわね」
「ぐっ!?」
手にした扇で指し示られた男のポケットからは、金箔を押された金属の棒が頭を覗かせている。
「それから、そこの貴方。貴方が持っている槍は、王宮警護隊のデュモン上級騎士の私物ですわよ?」
「そのカトラリーは貴賓歓待用のものですわ」
「手に持っているのは侍女のアルマナの私物です。確か彼女のお祖母さまの形見の品ですわよ?」
「あらやだ、貴方、馬丁長のジョルジオの甥っ子じゃないの。王城の禄を食む管理人の身内が、一体何のつもりですの?」
次から次に
コップ一つ、ヘアピンの一本に至るまで王城王宮の何処にあったものか、誰の私物であるのか、国の備品であるのかを丁寧に指摘される。
革命軍の実に七割近くが指摘を受けて黙り込んだ。
「貴殿方は、これでも自分達は法を守っていると胸を張って言えるのかしら?」
「だ、だが、元は俺達から搾り取った税金だろうが!」
「そうですわよ?」
苦し紛れに叫べば、王女は不思議そうな顔であっさりと認める。
「税金で賄われた国庫から、正当に組まれた予算と、個人に支払われた給金で国や個人が購入した品物ですわ。でも王族も、貴族も、使用人達も、誰一人として押し込み強盗紛いの行為などしては居ない筈ですわよ?」
「ぐっ!?」
手にした扇で指し示られた男のポケットからは、金箔を押された金属の棒が頭を覗かせている。
「それから、そこの貴方。貴方が持っている槍は、王宮警護隊のデュモン上級騎士の私物ですわよ?」
「そのカトラリーは貴賓歓待用のものですわ」
「手に持っているのは侍女のアルマナの私物です。確か彼女のお祖母さまの形見の品ですわよ?」
「あらやだ、貴方、馬丁長のジョルジオの甥っ子じゃないの。王城の禄を食む管理人の身内が、一体何のつもりですの?」
次から次に
コップ一つ、ヘアピンの一本に至るまで王城王宮の何処にあったものか、誰の私物であるのか、国の備品であるのかを丁寧に指摘される。
革命軍の実に七割近くが指摘を受けて黙り込んだ。
「貴殿方は、これでも自分達は法を守っていると胸を張って言えるのかしら?」
「だ、だが、元は俺達から搾り取った税金だろうが!」
「そうですわよ?」
苦し紛れに叫べば、王女は不思議そうな顔であっさりと認める。
「税金で賄われた国庫から、正当に組まれた予算と、個人に支払われた給金で国や個人が購入した品物ですわ。でも王族も、貴族も、使用人達も、誰一人として押し込み強盗紛いの行為などしては居ない筈ですわよ?」
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