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毒華の理
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「な、なんだと!」
「ここは『王宮』ですわ。貴殿方は、一体誰の許しを得てここに足を踏み入れているのかしら?」
口元を扇で隠したまま、子供にものを教えるかの如く王女は言葉を紡ぐ。
「それとも、貴殿方は単なる無法者、なのかしら?」
「な……な……」
怒りのあまり、言葉を発する事も出来ない革命軍の勇士達に、しかし王女は更に言ってきかせる
「あら、無法者の意味が理解出来ないのかしら?無法者というのはね、国の決まり事を守れないという、とても頭が残念で心が穢れた人の事よ」
小首を傾げて王女は続ける。
「貴殿方は『無法者』なのかしら?それとも、きちんと法を守れる立派な人達なのかしら?」
どっち?
純真無垢な子供が親に尋ねるかの様に。
「ふ、ふざけるな!」
誰かが上げた怒声に、しかし王女は怯む事なく応じる。
「ふざけてなんかいないわ?貴殿方が無法者かどうかを確認しているだけよ?だって無法者が相手では、話をしても無駄だもの」
「俺達は無法者なんかじゃねえ!」
一歩踏み出したのは、どこにでも居そうな親父である。
年の頃40と少し、酒焼けした声だが、今、顔が真っ赤なのは酒のせいでは無いだろう。
「法を破って滅茶苦茶やってるのはお前の方だろうが!!」
「あら、失礼ね」
涼しい顔で男を見やり、王女は扇を閉じた。
そして……
「貴方が無法者でないと言うのなら……その膨らんだポケットから覗いているのは、なあに?」
「ここは『王宮』ですわ。貴殿方は、一体誰の許しを得てここに足を踏み入れているのかしら?」
口元を扇で隠したまま、子供にものを教えるかの如く王女は言葉を紡ぐ。
「それとも、貴殿方は単なる無法者、なのかしら?」
「な……な……」
怒りのあまり、言葉を発する事も出来ない革命軍の勇士達に、しかし王女は更に言ってきかせる
「あら、無法者の意味が理解出来ないのかしら?無法者というのはね、国の決まり事を守れないという、とても頭が残念で心が穢れた人の事よ」
小首を傾げて王女は続ける。
「貴殿方は『無法者』なのかしら?それとも、きちんと法を守れる立派な人達なのかしら?」
どっち?
純真無垢な子供が親に尋ねるかの様に。
「ふ、ふざけるな!」
誰かが上げた怒声に、しかし王女は怯む事なく応じる。
「ふざけてなんかいないわ?貴殿方が無法者かどうかを確認しているだけよ?だって無法者が相手では、話をしても無駄だもの」
「俺達は無法者なんかじゃねえ!」
一歩踏み出したのは、どこにでも居そうな親父である。
年の頃40と少し、酒焼けした声だが、今、顔が真っ赤なのは酒のせいでは無いだろう。
「法を破って滅茶苦茶やってるのはお前の方だろうが!!」
「あら、失礼ね」
涼しい顔で男を見やり、王女は扇を閉じた。
そして……
「貴方が無法者でないと言うのなら……その膨らんだポケットから覗いているのは、なあに?」
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