Melty Kiss Online

荒谷創

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『ようこそ、【Key】様』
「あ、は、はい。え、ホントにアカウントが残ってるんだ……」
【Key】は、ずっと昔に使っていたアカウントネーム。
課金もしていなかったプレイヤーのデータが、まさか本当に自動引き継ぎされていたなんて……
『【Key】様のアバターはType αのカスタムバージョンですが、変更なさいますか?』
システムアナウンスと共に、懐かしいアバターが表示され、思わず目を見張る。
昔、大好きだったMelty kissのアバター
課金は出来なかったから、一生懸命考えて染色したドレス。組み合わせたアクセ。
課金アイテムの豪華なドレスで飾る人達を羨ましく思いながら、負けるもんかと頑張った思い出が鮮明に蘇る。
「変更しません!」
だって、このアバターがわたしの集大成。第482回Melty kiss ファッションコンテストで優勝した決戦仕様。
『ホームの変更をなさいますか?』
「しません!」
『では【Key】様、新しいMelty kiss Onlineをお楽しみ下さい』
「はい!」
システムアナウンスと共にMelty kiss storyの世界が映し出される。
花と緑に満ちた世界。
様々な姿の妖精が住まう理想郷。
夢と幸せが力になる、優しい優しい夢の星。
その星に導かれたわたしは、大きな湖に面した街のはずれに立つ一本の樹に吸い込まれて……

「……ん……」
目を開ければ、そこはベッドの上。
「うわぁ…これは堪らん…」
柔らかく、でもしっかりとした天蓋付きベッド。
【最高級寝具type Gセット】だ。
「この肌触りも病み付きになる……」
シーツの感触を楽しみながら、自分の手……というか、全身を確認する。
柔らかい、モフモフで、丸っこい、骨とか絶対に入ってない、関節の無い腕。肉球はあるけど、指の無い手。
足も同様。お腹は可愛らしくぽっこりと。
「んしょっと!」
えいやっと起き上がり、部屋に設えた姿見の前に立ってみる。
【シルクのパジャマ 白(ナイトキャップカスタム)】に身を包んだ【Key】の姿。
「凄い…ホントに【わたし】なんだ」
丸い耳、円らな瞳、黒い鼻と八重歯が覗く口元。
基本の毛は拘りの丁子茶。
【ヌイグルミ妖精 森のクマさんカスタム】が、目をキラキラさせて鏡に映っていた。




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