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停電
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「ギリギリセーフだったなー」
ゴロゴロと雷の音だけ聞こえていたが、雨はギリギリ降らなかった。
「相馬さんは傘、大丈夫だろうか」
「大丈夫だよ、父さんはなければ近くにコンビニあるし傘買うよ」
「そうだね。じゃあ夕飯今日は俺作るよ。電気が途中で消えて夕飯が作れなくなっても困るし。」
そう言って相馬さんは連絡を入れようとした時、
「いいよ、夕飯は俺が作るし。海都はソファーでテレビでも見てな」
ポンと俺の頭を叩き、そのままキッチンの方へ行ってしまった。
芹がチャーハンを作ってくれた。
2人で相馬さんの帰りを待つ。
それから少ししてメールが届いた。
「電車が動かないから今日は会社に泊まる」
そう書かれていて、2人で窓を覗いたらすごい雨だった。
分かったと返信をして、2人で夕飯を食べた。
「味、大丈夫?」
芹が不安そうに聞くので、
「流石親子。おんなじ味!」
と褒めると、芹は嫌な顔で「それは褒め言葉じゃない」
と顔を顰めた。
夕飯も食べ終わり、お風呂に先入っていいよと言われたのでお風呂に入る。
ささっと入って上がってきた頃には芹は全部洗ってくれていた。
「...ありがとう」
申し訳なさそうに言うと、「もっと感謝してる顔をしろ」と頭を撫でられた。
それから芹もお風呂に入り、もう寝るかって時に事件は起きた。
ドシャーンと大きな音が鳴った。
「こりゃどっか落ちたな」
そう呟くと同時に部屋の電気が消えた。
「停電か」
芹が俺に動かないように言って、数分2人とも身動きせずにそのまま立ち続けた。
それから数分が経ち、暗闇に目が慣れてきた頃、芹は動き出し灯を持ってきた。
「洪水の心配はないと思うけど、念のため上で寝よう」
そう言われ、俺の部屋は1階にあるため今日は芹の部屋で一緒に寝ることになった。
「...狭いな」
シングルベッドに高校生2人は少し窮屈だ。
「昔はよく海都のベッドに並んで寝れたのにな」
そう言いながら仰向けになっている芹の肩が俺の肩に当たっており、芹の息遣いまで聞こえる。
「...大きくなったな、俺ら」
海都はしみじみ言う。
「...そうだな」
芹は仰向けから俺に背中を向けながら言う。
「俺は180センチの身長になるのが夢だった」
「まだなれるかもだろ、諦めんなよ」
「いや、もう流石に止まってるから172センチから伸びることはないだろ」
「...俺はまだ174で伸びてる」
「じゃあ芹が180センチ越えるかもだな!」
「...俺はこのままの身長でいいよ」
続けて芹は言う。
「だって、このままの身長ならお前と同じ目線の高さだから。」
そう言った芹に目を向けると、芹もこちらに視線を向けており、確かに同じ高さで同じ目線の位置だった。
胸が音を鳴らした。
思った以上に目のあった芹との距離の近さに胸が騒ぎだす。
「....せ、り」
そう呟くのが早かったのか、芹の顔がぶつかるのか早かったのか。
16の高校1年の春、俺は芹と初めてキスをした。
ゴロゴロと雷の音だけ聞こえていたが、雨はギリギリ降らなかった。
「相馬さんは傘、大丈夫だろうか」
「大丈夫だよ、父さんはなければ近くにコンビニあるし傘買うよ」
「そうだね。じゃあ夕飯今日は俺作るよ。電気が途中で消えて夕飯が作れなくなっても困るし。」
そう言って相馬さんは連絡を入れようとした時、
「いいよ、夕飯は俺が作るし。海都はソファーでテレビでも見てな」
ポンと俺の頭を叩き、そのままキッチンの方へ行ってしまった。
芹がチャーハンを作ってくれた。
2人で相馬さんの帰りを待つ。
それから少ししてメールが届いた。
「電車が動かないから今日は会社に泊まる」
そう書かれていて、2人で窓を覗いたらすごい雨だった。
分かったと返信をして、2人で夕飯を食べた。
「味、大丈夫?」
芹が不安そうに聞くので、
「流石親子。おんなじ味!」
と褒めると、芹は嫌な顔で「それは褒め言葉じゃない」
と顔を顰めた。
夕飯も食べ終わり、お風呂に先入っていいよと言われたのでお風呂に入る。
ささっと入って上がってきた頃には芹は全部洗ってくれていた。
「...ありがとう」
申し訳なさそうに言うと、「もっと感謝してる顔をしろ」と頭を撫でられた。
それから芹もお風呂に入り、もう寝るかって時に事件は起きた。
ドシャーンと大きな音が鳴った。
「こりゃどっか落ちたな」
そう呟くと同時に部屋の電気が消えた。
「停電か」
芹が俺に動かないように言って、数分2人とも身動きせずにそのまま立ち続けた。
それから数分が経ち、暗闇に目が慣れてきた頃、芹は動き出し灯を持ってきた。
「洪水の心配はないと思うけど、念のため上で寝よう」
そう言われ、俺の部屋は1階にあるため今日は芹の部屋で一緒に寝ることになった。
「...狭いな」
シングルベッドに高校生2人は少し窮屈だ。
「昔はよく海都のベッドに並んで寝れたのにな」
そう言いながら仰向けになっている芹の肩が俺の肩に当たっており、芹の息遣いまで聞こえる。
「...大きくなったな、俺ら」
海都はしみじみ言う。
「...そうだな」
芹は仰向けから俺に背中を向けながら言う。
「俺は180センチの身長になるのが夢だった」
「まだなれるかもだろ、諦めんなよ」
「いや、もう流石に止まってるから172センチから伸びることはないだろ」
「...俺はまだ174で伸びてる」
「じゃあ芹が180センチ越えるかもだな!」
「...俺はこのままの身長でいいよ」
続けて芹は言う。
「だって、このままの身長ならお前と同じ目線の高さだから。」
そう言った芹に目を向けると、芹もこちらに視線を向けており、確かに同じ高さで同じ目線の位置だった。
胸が音を鳴らした。
思った以上に目のあった芹との距離の近さに胸が騒ぎだす。
「....せ、り」
そう呟くのが早かったのか、芹の顔がぶつかるのか早かったのか。
16の高校1年の春、俺は芹と初めてキスをした。
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