異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

文字の大きさ
112 / 305
中東系エルフ魔術師編

84


 タイミングよく帰って来たビョルンの鶴の一声で、ロルフはとりあえず諦めてくれた。
「腹の魔法陣は、ちゃんとできたのか?」
「うん、大丈夫だって」
「そうか、それはよかった。ロルフ、今日はまだシャーラも俺も出勤しないから、時間はたっぷりある。今は少し、休ませてやれ」
「チッ…、わぁったよ」
 渋々どいたロルフに、ホッとする。でもコレ、先送りになっただけよね?後が怖いわー。
「ありがとね、ビョルン」
「いいや。これから風呂に行くのか?」
「うん。ビョルンは?」
「すまん、俺は帰る前に寄って来たんだ。店に泥酔した奴がいて、酒を掛けられちまってな」
「うわぁ、災難だったね。じゃあイスがまだ寝てるから、留守番頼んでいい?ロルフは私と一緒にお風呂行こ。汗臭いよ」
 任務明けだからしょうがないけどね、今日ばかりはお風呂屋さんでしっかり洗って来ていただきたい。
「ヘッ、嫌いじゃねぇだろ?」
「イヤだよ嫌いだよ」
 キッパリと言い放つと、ロルフに捕まって羽交締めにされる。ぎゃー!汗臭い!!
「そうかよ、テメェにもつけてやる」
「やめてよ、バカッ!私も臭くなるでしょ!!」
 2人でギャーギャー大騒ぎしていると、ビョルンが呆れ返ったため息をついて。
「全く、いい大人が何をしてるんだ。遅くなる前に、早く風呂へ行ってこい!」
 一喝されて、慌てて準備してロルフとお風呂屋さんに向かった。家庭内でビョルンのオカン度がどんどん上がっているんだけど、間違いなくロルフと私のせいよね。ごめんなさい。
 それからお風呂屋さんでロルフがしつこくナンパ(男から)されて、持ってたナイフで脅しつけるトラブルはあったものの、ちゃんと寸止めしてくれたので『穏便に』収めることが出来た。えらいぞロルフ。以前に木桶風呂を衝動買いしちゃったお風呂屋さんでもあるので、オーナーさん達が味方についてくれたのもよかった。えらいぞ私。
 体も気分もサッパリして、帰りに皆の分の朝ごはんを購入して。ロルフと手を繋ぎながら、ご機嫌で家に帰った。


 家に帰り着くと、イスが寝ぼけ眼でダイニングテーブルについていた。目が半分くらいしか開いてないけど、変わらず顔が濃いな。
「おはよーイス。まだ寝てたらいいのに」
「さすがに、塔に帰って仕事を片づけなければ。後が怖い」
 ああ、そうね。その気持ちは大いにわかるわ。
「イスは、このまま塔に住むの?ここから通うのは遠いもんね」
「そうだな、塔長は基本、塔長室に住むよう定められている。だが、連絡がつく所なら、休暇時は外に出ても問題ない。普段は塔に住み、休暇が取れた時にこちらへ来るつもりだが、構わないか?」
 頻度としては、研究や仕事が立て込んでなければ1月に1回1週間程度、まとまった休みを取ってこちらへ来るつもりだそうだ。なるほど、通い婚ってことか。そりゃ複婚の方が上手くいくわ。
「いいよ、もちろん。イスの部屋を準備しておくね」
「ああ、ありがとう」
 私物はおいおい自分で揃えてもらうとして、とりあえずベッドといくつか着替えを用意しておけばいいかな。
 買ってきた朝食を皆で食べながら、これからの予定を話し合う。
 イスはさっき言った通り塔へ帰って仕事、私とビョルンは待機、ロルフは傭兵団に行って任務完了の報告を…と思ったら、今回は副隊長のアンリがやってくれたらしい。
「前に当直に付き合ったからな。報告はやらせた」
 ああ、あの宴会の時の。なるほど、貸し借りちゃんと清算してるのね。報告は隊長か副隊長の仕事なので、もちろん構わない。
 じゃ、久々に3人揃ったね。いちおう私たちはまだ任務中の体なので、週明けまではそこらに出掛けることもできないけど。楽しく引きこもるかー。
 みんなの予定をだいたい把握したところで、イスハークが塔に戻る準備を始めた。目もパッチリ開いてきて、眠気も去ったようだ。ローブを羽織って、しっかりターバンを巻いて。
「ではな、シャハラ。また来れる日が決まったら連絡する」
「うん、わかった。いってらっしゃい」
 そう言ってイスに抱きついて、ちょっと背伸びをする。
「何だ?」
「いってらっしゃいの挨拶だよ。あなたは行ってくるって言って、キスするの。帰って来たらただいまとおかえりのキス。喧嘩したとしても、これは忘れないでね。我が家のルールだよ」
「ああ…」
 イスが感慨深げに頷いて、チュッと軽いキスをする。スルッと魔力が頬を撫でて、彼の優しい愛情を感じる。
「行ってくる」
「いってらっしゃい、気をつけてね。あと、食事と睡眠も忘れずに!」
「ああ、気をつける」
 そんなこと言って、夢中になったらまた疎かにしそうだけど。ちょこちょこ通信して、状態を確認した方がいいかもね。
「ではな、イスハーク。また連絡をくれ、休みを合わせるから」
「ああ、そうだな」
「次来るまでに、キッチリ準備して来いよ」
「ああ、わかっている」
 男たちがいろいろ打ち合わせしてるけど、何の話?
「わざわざ休み合わせるなんて、何かあるの?」
 私が問いかけると、3人の男が顔を見合わせたあと、ビョルンがにっこり笑った。
「せっかく家族になったんだ。みんなで交流を深めた方がいいだろう?」
 ビョルンの言葉に、イスが深く頷く。
「そうだな、交流が必要だ」
 イスの言葉に、ロルフがニヤニヤしながら同意する。
「ああ、深い交流がいるよなぁ。お前もそう思うだろ?」
 ロルフの言葉に、疑問は残るものの、私も同意して。
「そうね、確かに。皆で仲良くしていきましょうね」
 夫となる男たちが仲良くしてくれるなら、それが一番よね。
 でもどうも、嫌な予感がするんだけど…それが何かは、さっぱりわからなかった。
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。 そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!? 貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。