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混血系大公編:第一部
01
『久しぶりだね、マイレディ!君の声が聞けてうれしいよ!』
「皇帝陛下におかれましては、本日もご機嫌麗しゅう…」
『よせよせ、固い言葉は不要だよ。そっちは防音仕様だろう?こちらもそうだし、人払いをしているからね!無礼講で構わないよ』
「おっけー!ヴァレさん、このやろー余計なことしやがって!アンタのせいでいつまでも結婚できねーんだけどどうしてくれるんだ!!」
『あっはっはっは!!相変わらずだなぁシャトラは!』
この国で最も高貴なご身分のお方に、遠慮もへったくれもなく暴言をかましてやる。すると通信具を通して、心底楽しそうな笑い声が響き渡った。
私がいま通信具を通して話している相手について説明…する前に、前回までのおさらいをさせてもらおうかな。
・日本でゲーム好きなアラフォー会社員だった「私」が、車に轢かれて異世界転移をかます。
・剣と魔法ありの、中世ヨーロッパっぽい雰囲気の異世界に転移。
・何故か転移時に年齢が半分に若返り。理由は不明。
・言語理解チートあり。文字チートはなし。
・物に魔術効果を付与できる「附術(ふじゅつ)」という、ある意味チート能力あり。
・生きるためお金を稼ぐため、転移時に最初に出会った傭兵団に所属。様々な任務をこなすうちに、世界規模の脅威『ボナ・ノクテム』が発生する。
・任務中に仲良くなった仲間たちと共に、『ボナ・ノクテム』の元凶である『対するもの(コントラ)』と呼ばれる敵対勢力と戦い、退ける。
・とりあえず脅威は去って1年。そこそこ穏やかに過ごしていた所で、なんやかやあって、同じ傭兵団の北欧系イケメン戦士2人に求婚される。
・脅さr…押し切られて、2人と結婚を決意。ここ複婚OKな国だったよビックリ。でも諸事情あってすぐに婚姻手続きができなかったため、婚約状態で同棲スタート。
・諸事情あって、友人の中東系イケメン魔術師に体を診察してもらったら、なんと自分が過去に大事件を起こしたエルフ魔術師が作ったホムンクルス…人工生命体だということが発覚。
・異世界転移だと思ってたら、異世界転生だったよ!実はホムンクルスに転生してずっと眠らされてて、5年前に目覚めたところだったっぽいよ!いちおう、体は普通の人間と一緒みたいだよ!
・そこからひと悶着あって、友人の魔術師にも求婚された上に、またも押し切られて婚約。彼とも半同棲スタート。←イマココ!
だいたいこんな感じ。…まとまってるのか、これ?とりあえず前々章&前章でイケメンたちから求婚されたすったもんだを語ってるので、気になる方はそちらをご参照ください。
さて、ただいまの通信のお相手は、恐れ多くも現皇帝陛下サマだ。『ボナ・ノクテム』が終わった後わずか1年で帝都を復興させた政治手腕の高さから、歴代屈指の名君との呼び声も高い。ただ本人は、自分は中継ぎ皇帝だと宣言している。前皇帝の弟だから、前皇帝の息子である皇太子が成人を迎えたら譲位するんだそうだ。後継問題を避けるため、即位中は結婚もしないし、子どもも作らないんだって前に聞いた。貴族のご令嬢方は虎視眈々とお妃様の座を狙ってそうだけどもね。皇帝陛下もタイヘンダネー。
公の場ではめちゃくちゃオーラあるんだけど、こういうプライベートな場では陽気で気さくなお兄さんって感じだ。かつて一緒に泥に塗れて『対するもの』と戦ってた間柄だから、私もついつい気安く接しちゃうのよね。ある意味私の名付け親でもあるし。
私の名前は、何故かこの世界の人たちには認識されない。複雑な響きではないはずなんだけど、なんど口にしても他の人には「?」って顔をされる。生きていくのに精一杯で、これまでは深く考えてなかったけど。婚約者である魔術師イスハークは、神の手を介在せずに産み出された人工生命体だから、この体に宿った魂も神の管轄から外れているんじゃないか、って推測していた。実際、この世界の人たちは『生命を編む術(テクスヴィタ)』には当たり前のように忌避感があるらしいんだけど、私は微塵も感じないしね。まぁこれも推論でしかないけれども。
それで異世界転移直後…じゃなかった、ホムンクルスとして目覚めた直後。最初は右も左もわからなくて、助けてくれたビョルン(現在の私の婚約者)に懐いてつきまとっていたからか、当時の団長に『パプ(子犬)』なんてヒデェ名前を付けられたのよね。まぁこの世界の人たち大柄な人が多いから、それと比べたら小柄だし。アジア系の顔って幼く見えるみたいだから、10代前半くらいに思われていたらしいし。それにしてもヒデェよ団長…そん時の肉体年齢20歳くらいだったと思うんだけど、いい歳こいた女に『パプ』なんて…。
それにブチブチ文句を言ってたら、当時皇子のくせに自分の傭兵団を作ってて、ウチの前団長といいライバル兼友人関係を築いていたヴァレさん…ヴァレンタインさんが、かわいそうだってんで別の名前を考えてくれたのよね。
それが、『シャトラ』。由来を聞いたら、古い子ども向けの物語に登場する「迷子の子猫ちゃん」の名前だって知って「うぉい!!」ってなったんだけど。まぁパプよりはマシだったので、甘んじてそれを受け入れることにして、皆にはそれで呼んでもらってた。
ただ他の男につけられた名前は気に入らないのか、婚約者である同じ傭兵団所属の戦士ビョルンとロルフは『シャーラ』と呼んでくる。これは彼らの故郷である北の大地『ノルレベク』の伝承で、人間と結婚した女神の名前らしい。
同じく婚約者であるエルフの魔術師で、『サークルオブメイジ』の塔長イスハークは『シャハラ』と呼んでくる。エルフたちは月を神に見立てて信仰しているんだけど、古い言葉で『私の月』って意味らしい。信仰が違うから『シャーラ』だと違和感があるんだって。
その他の人たちは役職名とか「英雄さん」なんて通称で呼んでくる人が多いので、『シャトラ』はなんだか懐かしい名前になっちゃった気がするな。
「皇帝陛下におかれましては、本日もご機嫌麗しゅう…」
『よせよせ、固い言葉は不要だよ。そっちは防音仕様だろう?こちらもそうだし、人払いをしているからね!無礼講で構わないよ』
「おっけー!ヴァレさん、このやろー余計なことしやがって!アンタのせいでいつまでも結婚できねーんだけどどうしてくれるんだ!!」
『あっはっはっは!!相変わらずだなぁシャトラは!』
この国で最も高貴なご身分のお方に、遠慮もへったくれもなく暴言をかましてやる。すると通信具を通して、心底楽しそうな笑い声が響き渡った。
私がいま通信具を通して話している相手について説明…する前に、前回までのおさらいをさせてもらおうかな。
・日本でゲーム好きなアラフォー会社員だった「私」が、車に轢かれて異世界転移をかます。
・剣と魔法ありの、中世ヨーロッパっぽい雰囲気の異世界に転移。
・何故か転移時に年齢が半分に若返り。理由は不明。
・言語理解チートあり。文字チートはなし。
・物に魔術効果を付与できる「附術(ふじゅつ)」という、ある意味チート能力あり。
・生きるためお金を稼ぐため、転移時に最初に出会った傭兵団に所属。様々な任務をこなすうちに、世界規模の脅威『ボナ・ノクテム』が発生する。
・任務中に仲良くなった仲間たちと共に、『ボナ・ノクテム』の元凶である『対するもの(コントラ)』と呼ばれる敵対勢力と戦い、退ける。
・とりあえず脅威は去って1年。そこそこ穏やかに過ごしていた所で、なんやかやあって、同じ傭兵団の北欧系イケメン戦士2人に求婚される。
・脅さr…押し切られて、2人と結婚を決意。ここ複婚OKな国だったよビックリ。でも諸事情あってすぐに婚姻手続きができなかったため、婚約状態で同棲スタート。
・諸事情あって、友人の中東系イケメン魔術師に体を診察してもらったら、なんと自分が過去に大事件を起こしたエルフ魔術師が作ったホムンクルス…人工生命体だということが発覚。
・異世界転移だと思ってたら、異世界転生だったよ!実はホムンクルスに転生してずっと眠らされてて、5年前に目覚めたところだったっぽいよ!いちおう、体は普通の人間と一緒みたいだよ!
・そこからひと悶着あって、友人の魔術師にも求婚された上に、またも押し切られて婚約。彼とも半同棲スタート。←イマココ!
だいたいこんな感じ。…まとまってるのか、これ?とりあえず前々章&前章でイケメンたちから求婚されたすったもんだを語ってるので、気になる方はそちらをご参照ください。
さて、ただいまの通信のお相手は、恐れ多くも現皇帝陛下サマだ。『ボナ・ノクテム』が終わった後わずか1年で帝都を復興させた政治手腕の高さから、歴代屈指の名君との呼び声も高い。ただ本人は、自分は中継ぎ皇帝だと宣言している。前皇帝の弟だから、前皇帝の息子である皇太子が成人を迎えたら譲位するんだそうだ。後継問題を避けるため、即位中は結婚もしないし、子どもも作らないんだって前に聞いた。貴族のご令嬢方は虎視眈々とお妃様の座を狙ってそうだけどもね。皇帝陛下もタイヘンダネー。
公の場ではめちゃくちゃオーラあるんだけど、こういうプライベートな場では陽気で気さくなお兄さんって感じだ。かつて一緒に泥に塗れて『対するもの』と戦ってた間柄だから、私もついつい気安く接しちゃうのよね。ある意味私の名付け親でもあるし。
私の名前は、何故かこの世界の人たちには認識されない。複雑な響きではないはずなんだけど、なんど口にしても他の人には「?」って顔をされる。生きていくのに精一杯で、これまでは深く考えてなかったけど。婚約者である魔術師イスハークは、神の手を介在せずに産み出された人工生命体だから、この体に宿った魂も神の管轄から外れているんじゃないか、って推測していた。実際、この世界の人たちは『生命を編む術(テクスヴィタ)』には当たり前のように忌避感があるらしいんだけど、私は微塵も感じないしね。まぁこれも推論でしかないけれども。
それで異世界転移直後…じゃなかった、ホムンクルスとして目覚めた直後。最初は右も左もわからなくて、助けてくれたビョルン(現在の私の婚約者)に懐いてつきまとっていたからか、当時の団長に『パプ(子犬)』なんてヒデェ名前を付けられたのよね。まぁこの世界の人たち大柄な人が多いから、それと比べたら小柄だし。アジア系の顔って幼く見えるみたいだから、10代前半くらいに思われていたらしいし。それにしてもヒデェよ団長…そん時の肉体年齢20歳くらいだったと思うんだけど、いい歳こいた女に『パプ』なんて…。
それにブチブチ文句を言ってたら、当時皇子のくせに自分の傭兵団を作ってて、ウチの前団長といいライバル兼友人関係を築いていたヴァレさん…ヴァレンタインさんが、かわいそうだってんで別の名前を考えてくれたのよね。
それが、『シャトラ』。由来を聞いたら、古い子ども向けの物語に登場する「迷子の子猫ちゃん」の名前だって知って「うぉい!!」ってなったんだけど。まぁパプよりはマシだったので、甘んじてそれを受け入れることにして、皆にはそれで呼んでもらってた。
ただ他の男につけられた名前は気に入らないのか、婚約者である同じ傭兵団所属の戦士ビョルンとロルフは『シャーラ』と呼んでくる。これは彼らの故郷である北の大地『ノルレベク』の伝承で、人間と結婚した女神の名前らしい。
同じく婚約者であるエルフの魔術師で、『サークルオブメイジ』の塔長イスハークは『シャハラ』と呼んでくる。エルフたちは月を神に見立てて信仰しているんだけど、古い言葉で『私の月』って意味らしい。信仰が違うから『シャーラ』だと違和感があるんだって。
その他の人たちは役職名とか「英雄さん」なんて通称で呼んでくる人が多いので、『シャトラ』はなんだか懐かしい名前になっちゃった気がするな。
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