異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第一部

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「ルーディ、よかったらお休み入れようか?いつも頑張ってくれてるし、気にしなくていいよ」
 そう提案するけど、ルーディはブンブンと首を振った。
「まさか!私がやった仕事なんですから、最後までやらせて下さい。あの、でも…こ、殺される前には…助けて欲しいデス…」
 ガタガタと震え出すルーディに、さすがに笑ってしまう。
「ヤダちょっと、いくらロルフでもそこまではしないって!…きっと…うん、多分…」
 言いながら急に不安になってくる。そういえばアイツ、女性相手でも容赦なくヤクザキックかますヤベェ男だった。ある意味男女平等というか…。
 私の曖昧な物言いに、ルーディの顔が青ざめていく。
「も、もし私が死んだら…両親に娘は精一杯生きたと…」
「待て待て待て!命を諦めるな!ちょッ、待機中の奴らに事務室来てもらおうか!全力で止めてもらおう!初撃さえ凌げば多分なんとかなるから!いや何とかする!」
 とりあえず今日のところは私の護身装具を渡しておく。元々事務員の皆には支給してるんだけど、ロルフみたいな化け物を止める想定はしていない。私は現場に出ていた時の強力なヤツをそのまま装着しているから、ロルフが本気で来ても一撃くらいは防げる。後はしがみついて胸に抱きこめば、なんとか…。…人前でナマ乳揉まれたらどうしよう。いや、命には変えられんか…。
 とりあえず訓練所にいる待機組の団員を呼び出して、ロルフの帰還を警戒するよう指示をしておいた。明日から…って言おうと思ったけど、強行軍なら今日の帰着もありうると彼らから言われて、今日から頼んでおいた。すまん、危険手当は出すから頑張ってロルフを止めてくれ!
 とりあえずはできる手を打っておいて、仕事をこなしつつ過ごす。先週はビョルンや皆が頑張ってくれたみたいで、そんなにたくさん仕事は残ってなかった。ありがたや。気合入れて書類たちをやっつけ、昼までには残った仕事と元々予定していた分をなんとかこなすことができた。
 お昼ごはんは、今日は外に出るのはやめて近くの食堂から届けてもらうことにした。もちろん、ロルフを警戒してのことだ。ウチのロルフがご迷惑をお掛けします…。お昼ごはん奢るから許して。
 そうして皆でお昼ごはんを食べて、食後にちょっとトイレ…と外にある公衆トイレに行こうとしたら、ちょうどハウスキーパーのおばちゃんが訪ねて来た。どうも実家の親御さんが急にぎっくり腰になったとかで動けないらしく、身の回りのお世話を頼まれたらしい。明日以降は別の人が来てくれるそうだけど、今日は代わりの人を探せなかったから伝えにきてくれたのだそうだ。しきりに謝るおばちゃんに「今日は外食するから大丈夫」と伝えて、わざわざ連絡に来てくれたお礼をいって、少しだけどお見舞い金を渡しておいた。おばちゃんは遠慮してたけど、このおばちゃんの真面目で丁寧な仕事ぶりが好きなので、日ごろのお礼と言って渡しておいた。
 それから小用を済ませ、スッキリして帰ってきた所で、ガターン!!という物がぶつかる音と女性の悲鳴、男性の怒号が響いて来て、私は急いで事務室まで走った。
「みんな無事?!」
 事務室の扉を開けると、そこは大変な状態になっていた。
「テメェ、ふざけたマネしやがって!!」
 アンリと他の団員が必死に止める中、ロルフが地獄の悪鬼のような形相で怒鳴り散らしている。とりあえずルーディの姿を探して… よし、無事だ!!警戒を指示した団員が、盾でロルフの一撃を防いだようだ。鉄製の盾がベコっとへこんでいるけど(ヒエー!)、団員もその背に庇われているルーディも無事だ。
「ロルフ、ロルフ!落ち着いて!!」
「団長、助かった…!すんません、俺…!」
「いいよ、よくやった!」
 アンリがちょっと情けない声を出すけど、アンタもよくやった!ロルフの相手ってすごい難しいもん、それを引き受けてくれてるアンタは偉いよ!
「団長~…」
 アンリがキラキラした目でこっちを見てくれるけど、ゴメン今はロルフを止めるのが先!
「ロルフ!ヨーシャシャシャシャ、落ち着いてー」
「…犬?」
 オイ誰だ余計なツッコミ入れたのは?!
 でも私の声が届いたのか、ロルフの顔がグリンとこっちを向く。ヒィ、目つきがやばい!ここ最近見たことがないくらい、ブチ切れてんじゃん!
「オイ、なんだあのふざけた女は」
「ふざけた女って?誰の事?」
「とぼけんじゃねぇよ。こちとらクソ山賊をぶっ殺しに行ってんだよ。クソみてぇな色ボケ女の相手するのが仕事じゃねぇんだよ。なのになんだ?あのクソアマは?!俺に男娼の真似事でもしろってのか?!」
 うわぁクソのオンパレード。こりゃそうとうすごいお嬢さんに絡まれたんだな。
 チラっと目線だけ向けて「娘?」と聞くと、アンリがコクコク頷いて「夜這い…昼這い?未遂」と答えた。昼這い?って思ったけど突っ込むのはやめておく。どっちにしろ、とんでもねぇクソ女だ。
「そう、それは辛かったね」
「あー、そうだよ!だからこんなふざけた仕事を俺に振りやがったそこのクソ女を殴らせろ!!」
「アンタが殴ったら死ぬでしょ!それに仕事を振ったのは彼女じゃないよ」
「じゃあ誰だよ!!」
「私だよ」
 ビリっと空気が歪んだ。気がした。ルーディに向けられた怒りが、じっとりと私に移っていく。
「…テメェ」
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