異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第一部

30


 私は急いで団長室に行き、ロルフが寝ているベッドルームに入った。私がまとめて置いたサイドテーブルの上の荷物を漁る。私が部屋に入ったくらいじゃ起きなかったロルフだけど、すぐ横のテーブルでガサガサやっていたせいか目を覚まして眠そうな声を掛けてきた。
「なんか探してんのか?」
「あ、ごめん。あのさ、ローブって回収した?伯爵の娘が着てたやつ」
「あー、アレか。クソ、あれぜってぇ魔道具だろ。イスハークの野郎、雑に管理しやがって…」
「イスに限ってそんなわけないでしょ。とりあえずどこ?回収してない?」
「したに決まってんだろ、あんな危ねーもん。素人の気配に、この俺が気付けねぇんだぞ」
 そう言って、サイドテーブルに手を伸ばして、小さめのバッグを渡して来た。ベッドサイドに座って、ベルトを開けて中を見る。そこには真っ黒のローブが無理矢理押し込んだように、クシャクシャになって入っていた。
「うわ。ちょっと、しわくちゃなんだけど…」
「しゃーねぇだろ、急いでたんだよ」
 ムスっとしつつ、ロルフがおっぱいを揉んでくる。なんでやねん。でももう慣れたものなので、揉ませたままローブをチェックする。スルーしているとロルフが足を私の両側に出して抱き込んで、胸を揉みつつ後ろから覗き込んで来た。
「何かわかんのか?」
「うん、多分…」
 あの時のローブのデザインは今やサークルの正式な制服?のようになっているから、よく見知っている。イスが着てるとこ何度も見てるしね。金糸で刺繍やラインが入ってて、すごくかっこいいデザインなんだけど…これは、真っ黒に染め直してある。でも附術はかなり複雑に刻んであって、誰かが式を覚えて悪用しないようにフェイクも入れてあるから、そうそうマネできないし、下手に既存の物を崩すこともできない。私の作った印が、必ず残ってるはず。
 じっくりローブを見て探していると、ロルフが腰を揺らしてお尻に固いのを押し当てて来た。
「なー、ちんこ勃ってきた」
「もー、今は無理だって。ステイ!」
「犬かよ。ったく…」
 言いつつうなじを舐めたり噛んだりしてきて、もー、集中できないってば!
 ロルフの攻勢を交わしつつ、くしゃくしゃのローブの裾をじっくり眺める。黒の糸で、目立たないように刺繍されたマークを見つける。あった!これだ…!!
「ロルフ…よくやったわ」
「あー?何が」
「このローブよ。これがあれば、負けることは絶対にない。もしかしたら、とんでもない大物が釣れちゃうかもしれないけど…」
 そう言うと、ロルフは興味なさそうにふぅんと呟いた。
「じゃあ、ご褒美くれよ」
 私としては、このローブがサークル以外の場所から見つかったことが衝撃なんだけど…ロルフには、ご褒美がもらえるかどうかってことの方が重要なのね。この可愛いわんこめ!
「家に帰ってからね!」
 私は右手でロルフの頭をわしゃわしゃ撫でると、不満げに舌打ちをする彼の額に口づけた。


 その後すぐに、私は居間の方で4番街の魔道具屋に連絡を取った。幸いイスはもうそちらに戻っていたようで、私の話を聞いてすぐにこちらに来てくれることになった。とりあえず、イスが来るまでこの件は保留かな。
 私は隣でソファに座り、パンを齧っているロルフに声を掛ける。(ちなみに下は履いてるよ!)
「私はこれで仕事に戻るけど、ロルフはどうする?」
「報告は?」
「アンリがしっかりやってくれたよ。ロルフ、今度ちゃんとアンリにお礼しなよ?他の隊員にも。今回すっごく迷惑かけたんだからね」
「俺のせいじゃねぇだろ」
「貴方の『せい』じゃなくても、貴方が『原因』でしょ?そういう時は不満が出ないように、上司として貴方がみんなを労ってあげるの」
「チッ…めんどくせぇ」
 悪態をつくロルフの頭をよしよしと撫でて、チュッと頬にキスをする。
「その代わり、貴方のことは私が労ってあげる。貴方の上司で…嫁だものね?」
「…ふん」
 ロルフは鼻を鳴らすけれど、機嫌は良さそうだなってわかる。落ち着いたようでよかったよかった。ロルフはご飯食べたらまた寝ると言ったので、じゃあ私も仕事に戻って…と腰を上げかけたところで重大な事を思い出してまた座る。
「あっ、そう言えばトラガス!アンタ録音ピアスに、セッ…変な音入れて、何考えてんのよ?!」
「あー?あぁ、コレか。あのクソアマ…マジで許さねぇ。あの後結局、聴けなくなっちまってよ。クソ、最初ん時の貴重な記録だってのに…」
「最初?!初夜の時のってこと?!いつの間に?!」
「あぁ、俺が最初に突っ込む前から…4刻ぐれぇか?あれ聞いてっと、苛立ちが紛れんだよなー。代わりにこっちがイラつくけどよ」
 こっち、とニヤつきながら手を股間に導かれて白目剥きそうになる。ウソでしょ…全然気づかなかったんだけど…。
「なー、コレ直せねぇの?」
「直せねーし直す気ねーわ」
「マジかよ。じゃあ、新しいの撮り直そうぜ。また作っといてくれよ。んで、2人きりのときに…な?」
 な?じゃねー。
「ああ、そういやぁあのクソアマが来た時、コッチの録音ピアスも作動させたんだよ」
 そう言って、ロルフが別のピアスを左手でいじる。基本事務員も含め団員には渡すようにしている、録音ピアスだ。何かあった時に、証拠として有効だからね。団長が附術師である私だからできる大盤振る舞いですけれど。コストそこそこ掛かるしね。
「ウソッ!やるじゃん、内容によっては向こうが無理に迫ったって証拠にできるよね。すぐに内容確認するからちょうだい」
「どうだろうなぁ、壊れてるかもな?拘束具解くのに、力任せにやったからよ」
「?何が言いたいのよ。それを確認するからちょうだいよ」
 何か含みのある言い方してるよね?でもよくわからなくて手を差し出す。しかし、ロルフは勿体ぶってピアスをスリ、と弄る。
「脆くなって、外すときに割れるかもな…?」
 煽るように片方の口端を上げるロルフに、イラッとする。コイツ、脅迫してやがる…!

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