異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

文字の大きさ
149 / 305
混血系大公編:第一部

31

「アンタねぇ…!何が望み?!」
「さっき言っただろ。なぁ、代わりのヤツくれよ。お前のサイコーにエロい声が入ってるヤツ」
「ふざけんな、嫌に決まってる!」
「アレがあるとイライラが収まんだよ。お前だって、俺がトラブル起こさねぇ方がいいんだろ?」
「うぅ…ッ」
 た、確かに…!このすぐカッとなるロルフの怒りが抑えられるなら、有効な手段っちゃぁそうなんだけど。でも私の羞恥が…羞恥心を犠牲にしてもいいのか…?!
「だいたい、お前が言ったんだろーが。怒りを紛らわす方法を見つけろって。その有効な手段がコレだったんだよ。だったら協力しろよ」
「うーーーッ」
 頭を抱えて唸り声を上げて、悩んで悩んで悩んだ末に、ボソっと呟いた。
「…わ、私に気づかれないように、録音して…」
 ほとんど聞こえないくらいの声で言ったつもりだけど、ロルフにはちゃんと聞こえていたようで、ニヤって笑った。
「いいぜ。お前の耳につけろよ?お前の声が入ってなきゃ、意味ねぇんだからよ」
 返事を出来ずに顔を押さえていると、ロルフが上機嫌で私の耳をカプっと軽く噛んで来た。
「あー、スッゲェ楽しみだ。なぁ、いつできる?」
 作りたくねぇなー。 
「んー…まぁ、なるべく早く作る…」
「頼んだぜ。10個ぐれぇ作れよ」
「どんだけ録音する気?!」
「うははッ」
 上機嫌で笑うロルフを横目で睨んでやるけど、どこ吹く風って感じだ。ため息をつきつつ、ロルフの左耳につけたピアスをそっと外す。うん、大きな傷はついてなさそうね。
「ピアスは、家で作るからね。そっちに時間取られるから、しばらく料理とかよろしく!」
「おー、任せろ。美味いもん作ってやる」
 まぁハウスキーパーさん頼んでるから、せいぜい朝食と週末の晩御飯なんだけど。
 あー、すっごい嫌なんだけど。でも仕方ないから頑張るか…。私はロルフが起こすトラブルと自分の羞恥を天秤にかけて、トラブルを防ぐ方を取ったのよ…。イスと協力して、ピアスの強度限界まで上げてやる。絶対壊れないように作ってやるんだからね!
「じゃあ私行くけど。ロルフはどうする?」
「飯食ったら寝とく。夜にまた張り切んなきゃなんねーし」
「張り切らんでいーわ。それじゃ帰る時起こしにくるからね、ごゆっくりー」
「ん」
 軽くキスを交わして、ロルフと別れる。さて、このトラブルを解決するために、手を尽くしますか!うーんと伸びをして、私は気合を入れ直して事務室に向かった。



『何だテメェ、何しやがる?!
『ロルフ様、暴れると危ないですわ。そのままじっとしていてくだされば、私がご奉仕いたしますから…』
『気持ち悪りぃなクソアマが、触んじゃねぇ!』
 バチバチィ!(多分拘束具引きちぎった)
『キャァ…!……ッ!!』

 拘束具を引きちぎった時の衝撃のせいか、音声はそこで途切れてしまっている。でも、これだけでも相当こっちに有利に持っていける内容だ。ナイスロルフ。
「ドン引きィ…」
 エリィが思わずと言ったふうに言葉を吐いたけど、それがこの場にいる人の総意だったと思う。
「お貴族様でも、こんな欲望に忠実な人っているんですねぇ…淑女とはこれいかに」
「平民だって、こんな恥ずかしい真似する人はそういないわよ!」
「まー、皇族だろうが貴族だろうが平民だろうが、しょせんは人間なのよ。人間の性質ってほんと無限だから、はたから見れば常識的なルールから逸脱した行動をする人間もいるけどさ。その人にとってはそれが自分のルールの範囲内だったりするのよねー。そのズレを自分で理解できたり周囲がわかってあげられればいいけれど、なかなか難しいわよね」
「…なんか、団長がロルフさんと上手くやっていけてる理由が見えた気がします…」
 エリィにそう言われて、ちょっと首を傾げてみせる。そうかな?言われてみれば、ロルフもなかなか逸脱したタイプか。
「ロルフはでも、自分で努力してるよ。自分と向き合って、怒りをコントロールする努力をしてる。まぁ…その方法は、ちょっとアレなんですけれども…」
 そう遠い目をして呟けば、何人かが察したようで頷いたり咳払いをしたり、思い思いの反応をしてくれた。声に出さずにいてくれて、みんなの気遣いがうれしいです…。
「でも今回は、ロルフに取って一番許せないことをされちゃったから、無理だったんだよね。ルーディには、怖い思いをさせちゃってごめんね」
「いえ!あの、そもそも私が口出ししちゃったのが、軽率だったので…」
 ちょうど私がトイレで席を外していた時にロルフが帰って来てしまったんだけど、最初は私を探していたんだそうだ。本当はそこで私が戻ってくるまでそっとしておいた方がよかったんだけど、責任感からルーディが自分がやったと名乗り出てしまったらしい。それでロルフがぶち切れてしまったと。
「まー、うーん。悪かったとは言わないけど、ロルフは刺激しないのが一番だからねー。もし今後同じようなことがあったら、私かビョルンが来るまで待った方がいいかな」
「すみません…」
「全然よー。そもそも悪いのは、ロルフに迫ったお嬢さんだよ。ルーディが悪いことしたんじゃないんだから、『私は悪くないもーん』くらいの気持ちで、さっさと忘れた方がいいよ」
「ふふ…はい」
 人間なんだから、どうあがいたってミスは必ず起きる。もちろん、最大限防ぐ努力は必要だけど、でかいミスが起きるときって不思議と全部のチェック事項をすり抜けていっちゃうんだよねー。ミスが起きた時に反省してアフターフォローして、次に同じミスが起きないよう対策をするっていうのも大事だけど。同じくらい、「よし、反省したから次行こ次!」くらいに開き直って、早く平常な自分を取り戻すってのも大事じゃないかなって思う。ミスをしてトラブルが起きたって、仕事も日常も止まってくれるわけではないからね。
「さてさて、じゃあルーディはこの録音についても報告書に記載しといてもらおうかな。あ、今更だけど、ルーディどこも怪我してないよね?」
「あ、大丈夫です!べオルグさんにかばっていただいたんで…!」
 べオルグは、ロルフの攻撃を受け止めた盾持ちの団員ね。今はもう訓練所かどっかに引き上げたみたいだけど。彼の自慢の盾も凹ましちゃったから、修理費出してやらねば。
「べオルグいてよかったわー。彼にも…てかもう今回は全員に迷惑かけちゃったから、臨時ボーナス出してあげなきゃね!」
 その場にいた全員が「いえー!」と思い思いに喜びの声を上げる。ルーディも、ちょっと控えめに手を上げていた。よしよし。
「そのためにも…伯爵サマから、しっかりとお金を回収しないとね」
 ねぇ、シウ?
 他に聞こえないよう小さく呟いたけれど、シウはちゃんと拾ってくれたようだ。
 いいですねぇ、と頷いた彼に、私は片頬を上げて笑ってみせた。
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。 そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!? 貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。