異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第一部

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「悪いけれど、私は中立の立場で行かせてもらうよ。あちらとも付き合いがあるのでね」
「もちろんです。ただ切り札も持って来てるので、多分完封しちゃいますけど」
 ねーっ、と言いながらイスを見ると、イスもしっかりと頷いてくれた。
「なるほど、塔長殿がキーマンなわけか。楽しそうだなー、都合がつけば私にも立ち会わせてくれよ」
「いいですよー」
「まぁ!それなら私にも立ち会わせてくださいな。あの毒婦がやり込められる所を、是非見せていただきたいわ」
 奥様、よっぽど嫌な目に遭わされたんだろうなー。目がギラギラしてる。
「いやぁ、それはちょっと。ホラ、君には刺激が強すぎるんじゃないかな?」
「私には?女性にはってことですか?でも英雄様も参加されるじゃないですか」
「あのねぇ、シャトラは見た目と違って過激だよ?戦時中だってね、こっちが引くくらいめちゃくちゃなことしてたからね?」
 うぉい、聞き捨てならんぞ!ハリーさんをじっとり睨みつけてやると、さすがにまずいと思ったのか視線を合わせず気まずそうな顔をした。
「とにかく、あの女は何をするかわからない所がある。嫁いだ後にも色々やらかしているようだからね。場合によっては、手が出る可能性も否めないよ。シャトラはこう見えて、最前線で戦って来た女性だ。ちゃんと自衛ができる。でも君は違う。それに、今は無理をしてはいけない時期だと医師からも言われただろう?私をあまりハラハラさせないでくれ」
 そう言い募ったハリーさんの言葉に、奥様はムゥっとむくれつつも反論できない様だ。無言でそっとお腹を撫でる仕草に、おやっと思う。
「えーと、違ってたら申し訳ないんですけど…もしや、お子さんが?」
「あぁ…そう、そうなんだ。取り乱してすまない。まだわかったばかりでね。無理をさせたくはないんだ」
「あぁ…」
 なんだっけ、安定期だったかな?前世の職場では、安定期までは何があるかわからないから、周囲への報告はそれを過ぎてからだって言ってる人が多かった気がするな。あれだけ医療が発展した世界でもそのくらいだったんだから、この世界ではもっと注意が必要なのかもしれない。
「それでも、すべてにおいて制限されてしまって、退屈なのですわ」
「それはそうかもしれないが…」
 まだ言い合っているご夫婦に、ハイと挙手をして発言する。
「奥様。実は話し合いの中には、機密事項も含まれるのです。状況によっては誓約が必要なほどの」
「まぁ、そうなんですの?」
「えっ、それは私が聞いていいものかい?」
「ハリーさんは元々知っていることなんで、大丈夫ですよ」
「あぁ、なるほど」
 まぁ、影響はないと思うけれど…チラッとイスを見ると、私の意図を察してくれたようで頷いてくれる。
「誓約は、対象の体に作用する様、体内に魔術を編み込むことになる。よほど問題はないが、腹の子に対して完全に安全とは言い難い」
「まぁ…そうなんですね。それでは、やめておきますわ」
「それがいい」
 残念そうではあるけれど、納得してもらえたようだ。自分の欲求よりもお腹のお子さんを心配する姿は、もう既にお母さんの顔だね。
「というわけでハリーさん。話し合いが終わったら、問題のない範囲で奥様に教えて差し上げてくださいね」
「えっ!私が?!」
「同席してくださるんでしょう?奥様、私も今回は腹が立ってるんです。ロルフは見た目はいいけれど戦士としての誇りを持っている男なんです。それを傷つけようとしたんですから、落とし前をつけてもらわなきゃ気が済みません!」
「まぁ、素敵!では英雄様があの女を懲らしめてくださるのね、楽しみにお待ちしています!」
 女2人でキャッキャとはしゃいでいると、ハリーさんは諦めた様で大きなため息をついた。
「まぁ、確かに。みんなから安静に安静にと言われて、ほとんど部屋から出られないような生活をさせられていたからね。少しは刺激が必要かな?」
「そうですわ。退屈で仕方なくて、逆にストレスが溜まってしまっていたのです。それで旦那様にお願いして、英雄様とお話させていただく機会をいただいたのですわ」
 なるほど、挨拶だけじゃなくておしゃべりしたいと。望むところでございます。私も不本意ながら貴族になる未来が待っているわけだし、貴族女性の友人を是非とも作っておきたいところだ。
「それはいけない。悪いがシャトラ、昼食の際はうちの奥方の隣に座ってもらえるかい?いろいろ話を聞かせてあげてほしい」
「もちろん、喜んで」
「まぁ、楽しみだわ!」
 ウキウキしている奥様に、こちらも嬉しくなってくる。それから昼食の準備ができたと執事さんが呼びに来てくれて、皆で昼食をいただいた。お貴族様の食事マナーとか全然わからないんだけど、奥様がさりげなくリードして教えてくれた。めっちゃいい人…。平民だからって馬鹿にせず、こういう風にサポートしてくれるのって本当に品のいい人って感じがするよね。
 食事しながらの会話だけでは足りず、奥様から食後のお茶に誘われる。奥様の私室で2人でお話ししたいとの事だ。男性陣はまだ話し足りないのかと少し呆れていたけれど、女同士って何時間でも話せるよね。それにホラ、やっぱ男性の目がないとこじゃないと、腹を割って話せないじゃん?
「じゃあイス、アンリ、ちょっと女同士で交流深めてくるから!」
「わかった」
「うわぁ、話を聞いてみたいような聞きたくないような…」
 アンリがそう呟いたのを聞き取って、奥様がにっこり微笑んだ。
「聞かない方が身のためですわよ。女性に幻想を抱いていたいでしょう?」
「言い方は優しいのにえげつない!」
 アンリの言葉にハリーさんは笑い、奥様に優しげな目を向けた。
「楽しんでおいで。こちらも男同士の会話を楽しませてもらうよ。塔長殿、差し支えなければ少し、我が領で見つかったものについて相談をしてもよろしいですか?ちょうどサークルに相談を持ち込みたいと考えていた事案がありまして…」
「聞こう」
「えーじゃあ俺関係ないし、散歩行ってもいいですか?すみませーん、メイドさんの誰かで、俺に庭園を案内してくれる人いないー?」
 部屋の端に控えていたメイドさんに向かっていこうとしたアンリの肩を、ハリーさんががっつりと掴んだ。
「待てアンリ、そんなこと言ってウチのメイドを誑かすつもりだろう。お前も話を聞いていけ。お前の実家の領でも見つかったものだから、この件では情報を共有する必要があるんだ」
「いや俺、もう実家とはほぼ関わりないんですけど…」
「お前の姉上が嘆いておられたぞ、弟が実家に寄り付きもしないと。これを土産話にちょっと顔を出しに行け!」
「超巨大なお世話だわー…」
 げんなりしているアンリの反応にクスクス笑いながら、私と奥様はメイドさんに案内されて、奥様の私室へと向かった。 

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