異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

文字の大きさ
208 / 249
混血系大公編:第二部

08

しおりを挟む
「シャーラ、ジョッキを持って来いよ!」
「いやいや、人の話聞いてた?一口だって言ってたでしょ」
 ロルフがFワード満載で文句を言ってるけど、無視してヴァレさんにちょびっとついでもらう。ムワッと芳醇な香りが広がり、それだけでちょっと酔ってしまいそうになる。うわ、私はちょっと苦手かも。前世でもウン百万する高級ワインってあったけれど、これもそんな感じなのかな。絶対私には違いがわからんわ…。
「はい、どうぞ」
「くそ、しょっぺぇ量だな…」
「ハハ、味わって飲めよ」
「うるせー」
 そう言いつつも、ショットグラスを受け取ったロルフの目は輝いている。盗みの計画を立てるほど、欲しがってたワインだものね。ビョルンと目を合わせて、クスっと笑う。
 ロルフはしっかり香りを楽しみ、口に含んで、時間をかけてゆっくりと喉を鳴らした。
「……」
「…え、どうしたの」
 飲み込んだあと、目を瞑ったまま固まってしまったロルフ。心配になって声を掛けると、急にカッと目を見開いたので私はビビって身を引いた。
「あ~~、やべぇ!クソ!服でもなんでも持ってけ!死ぬほどうめぇ!なんだよこりゃ!飲み込みたくなかったなァクソ!!」
 ロルフが早口でなにやら捲し立てる。あんまり聞き取れなかったけど、本当に美味しかったんだろう。心底嬉しそうにはしゃいでいるのが可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
「ふふ、よかったねぇロルフ」
「おう!マジでやべぇぞ、お前も味わうか?味わいたいだろ?」
「なに言ってんの、もうないじゃな…んむッ!」
 後頭部を掴まれブチュっと口づけられ、遠慮なく舌を差し込まれる。ロルフの舌を通して、皇室献上品をかすかに味わう。んん、なんだろう。なんというか…複雑な味?フルーティさがあって苦味があってえぐみもあるような…???
 考え込んでロルフの好きにさせていると、「見せつけてくれるねぇ」というヴァレさんの言葉で我に変えり、ロルフを引っぺがした。
「ロルフ、ちょっと、人前だから!」
「あぁ?家ん中だからいいだろーが。それよりどうだ?美味いだろ?!」
「いやわかんねーわ…どっちかっていうと飲みにくくない?」
「あぁ?!この味がわかんねーとかマジかよ!このバカ舌め…」
「ちょっと、イスと一緒にしないでくれる?味はちゃんとわかるわよ!」
 ロルフと軽口を叩き合っていると、ビョルンから「それはイスに失礼だぞ」とツッコミが入った。おっと、イスに聞かれたらまた拗ねちゃうわ。
「まぁまぁ。歴史のあるワインってのは、味に深みがあるんだ。味に深みがあるということは、色んな味がするということだから。飲み慣れないと飲みにくいという意見はあるよね」
 ヴァレさんが苦笑しながら入れてくれたフォローに、私は大きく頷く。
「あ、それそれ!飲み慣れないだけ!」
「物は言いようだなぁ、オイ」
「うるっさいなー、だいたいアンタはなんで高級ワインの味がわかんのよ!」
「ヘッ、俺がどんだけ酒に注ぎ込んできたか知らねぇだろ?」
 いや知らねーわよ。確かにこの家の地下保管庫には、ロルフが集めたお酒が着々と増えていってるけどさ。
「そうだな。以前…シャーラと一緒に住む前には、生活費まで使い込んで俺に借金を頼みに来たのも一度や二度とじゃないものな」
 ビョルンに冷ややかな目で睨まれ、ロルフがさっと顔を逸らす。マジか。私も無駄遣いしてビョルンにお金管理されてる身だけれど、自分で管理してた時も借金を背負ったことはないぞ。
「まぁ、結果よかったわね。今はビョルンがしっかり管理してくれているもの」
 ビョルンからもらってるお小遣いは、ほぼ酒代に消えてるみたいだけど…あくまでお小遣いだから、家の資産はキチンと残っている。私ももらってる分はスイーツやら服飾品やらなんやかんやで使い切ることが多いし…ビョルンがしっかりしてくれてるから、我が家の資産は安泰だ。
「ケッ。その分、手ェ出せる酒が減ったけどな」
「あら。じゃあ家族にならない方がよかった?」
 からかうように問うと、ロルフはジロッと私を睨みつけてほっぺを軽くつねった。
「下らねーことをぬかすのはどの口だ?あぁ?」
「いひゃいいひゃい」
 ちょっと大げさに痛がってみせると、ビョルンから「ロルフ!」と叱責が飛ぶ。手を放したロルフはフンと鼻を鳴らし、顔を近づけてグッと目を細めた。
「馬鹿なこと言ってっとその口塞ぐぞ?」
 お?挑発的な態度だ。どうせキスで塞ぐとでも言
「俺のちんこで」
「?!こんの、馬鹿タレ!」
 予想外の言葉に、ロルフの胸をドンと叩く。
 ヴァレさんの前でなんてこと言うんだ!時の皇帝陛下だぞ!大陸を支配するこの国で一番偉い人なんだぞ!!

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。 そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!? 貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...