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混血系大公編:第二部
08
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「シャーラ、ジョッキを持って来いよ!」
「いやいや、人の話聞いてた?一口だって言ってたでしょ」
ロルフがFワード満載で文句を言ってるけど、無視してヴァレさんにちょびっとついでもらう。ムワッと芳醇な香りが広がり、それだけでちょっと酔ってしまいそうになる。うわ、私はちょっと苦手かも。前世でもウン百万する高級ワインってあったけれど、これもそんな感じなのかな。絶対私には違いがわからんわ…。
「はい、どうぞ」
「くそ、しょっぺぇ量だな…」
「ハハ、味わって飲めよ」
「うるせー」
そう言いつつも、ショットグラスを受け取ったロルフの目は輝いている。盗みの計画を立てるほど、欲しがってたワインだものね。ビョルンと目を合わせて、クスっと笑う。
ロルフはしっかり香りを楽しみ、口に含んで、時間をかけてゆっくりと喉を鳴らした。
「……」
「…え、どうしたの」
飲み込んだあと、目を瞑ったまま固まってしまったロルフ。心配になって声を掛けると、急にカッと目を見開いたので私はビビって身を引いた。
「あ~~、やべぇ!クソ!服でもなんでも持ってけ!死ぬほどうめぇ!なんだよこりゃ!飲み込みたくなかったなァクソ!!」
ロルフが早口でなにやら捲し立てる。あんまり聞き取れなかったけど、本当に美味しかったんだろう。心底嬉しそうにはしゃいでいるのが可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
「ふふ、よかったねぇロルフ」
「おう!マジでやべぇぞ、お前も味わうか?味わいたいだろ?」
「なに言ってんの、もうないじゃな…んむッ!」
後頭部を掴まれブチュっと口づけられ、遠慮なく舌を差し込まれる。ロルフの舌を通して、皇室献上品をかすかに味わう。んん、なんだろう。なんというか…複雑な味?フルーティさがあって苦味があってえぐみもあるような…???
考え込んでロルフの好きにさせていると、「見せつけてくれるねぇ」というヴァレさんの言葉で我に変えり、ロルフを引っぺがした。
「ロルフ、ちょっと、人前だから!」
「あぁ?家ん中だからいいだろーが。それよりどうだ?美味いだろ?!」
「いやわかんねーわ…どっちかっていうと飲みにくくない?」
「あぁ?!この味がわかんねーとかマジかよ!このバカ舌め…」
「ちょっと、イスと一緒にしないでくれる?味はちゃんとわかるわよ!」
ロルフと軽口を叩き合っていると、ビョルンから「それはイスに失礼だぞ」とツッコミが入った。おっと、イスに聞かれたらまた拗ねちゃうわ。
「まぁまぁ。歴史のあるワインってのは、味に深みがあるんだ。味に深みがあるということは、色んな味がするということだから。飲み慣れないと飲みにくいという意見はあるよね」
ヴァレさんが苦笑しながら入れてくれたフォローに、私は大きく頷く。
「あ、それそれ!飲み慣れないだけ!」
「物は言いようだなぁ、オイ」
「うるっさいなー、だいたいアンタはなんで高級ワインの味がわかんのよ!」
「ヘッ、俺がどんだけ酒に注ぎ込んできたか知らねぇだろ?」
いや知らねーわよ。確かにこの家の地下保管庫には、ロルフが集めたお酒が着々と増えていってるけどさ。
「そうだな。以前…シャーラと一緒に住む前には、生活費まで使い込んで俺に借金を頼みに来たのも一度や二度とじゃないものな」
ビョルンに冷ややかな目で睨まれ、ロルフがさっと顔を逸らす。マジか。私も無駄遣いしてビョルンにお金管理されてる身だけれど、自分で管理してた時も借金を背負ったことはないぞ。
「まぁ、結果よかったわね。今はビョルンがしっかり管理してくれているもの」
ビョルンからもらってるお小遣いは、ほぼ酒代に消えてるみたいだけど…あくまでお小遣いだから、家の資産はキチンと残っている。私ももらってる分はスイーツやら服飾品やらなんやかんやで使い切ることが多いし…ビョルンがしっかりしてくれてるから、我が家の資産は安泰だ。
「ケッ。その分、手ェ出せる酒が減ったけどな」
「あら。じゃあ家族にならない方がよかった?」
からかうように問うと、ロルフはジロッと私を睨みつけてほっぺを軽くつねった。
「下らねーことをぬかすのはどの口だ?あぁ?」
「いひゃいいひゃい」
ちょっと大げさに痛がってみせると、ビョルンから「ロルフ!」と叱責が飛ぶ。手を放したロルフはフンと鼻を鳴らし、顔を近づけてグッと目を細めた。
「馬鹿なこと言ってっとその口塞ぐぞ?」
お?挑発的な態度だ。どうせキスで塞ぐとでも言
「俺のちんこで」
「?!こんの、馬鹿タレ!」
予想外の言葉に、ロルフの胸をドンと叩く。
ヴァレさんの前でなんてこと言うんだ!時の皇帝陛下だぞ!大陸を支配するこの国で一番偉い人なんだぞ!!
「いやいや、人の話聞いてた?一口だって言ってたでしょ」
ロルフがFワード満載で文句を言ってるけど、無視してヴァレさんにちょびっとついでもらう。ムワッと芳醇な香りが広がり、それだけでちょっと酔ってしまいそうになる。うわ、私はちょっと苦手かも。前世でもウン百万する高級ワインってあったけれど、これもそんな感じなのかな。絶対私には違いがわからんわ…。
「はい、どうぞ」
「くそ、しょっぺぇ量だな…」
「ハハ、味わって飲めよ」
「うるせー」
そう言いつつも、ショットグラスを受け取ったロルフの目は輝いている。盗みの計画を立てるほど、欲しがってたワインだものね。ビョルンと目を合わせて、クスっと笑う。
ロルフはしっかり香りを楽しみ、口に含んで、時間をかけてゆっくりと喉を鳴らした。
「……」
「…え、どうしたの」
飲み込んだあと、目を瞑ったまま固まってしまったロルフ。心配になって声を掛けると、急にカッと目を見開いたので私はビビって身を引いた。
「あ~~、やべぇ!クソ!服でもなんでも持ってけ!死ぬほどうめぇ!なんだよこりゃ!飲み込みたくなかったなァクソ!!」
ロルフが早口でなにやら捲し立てる。あんまり聞き取れなかったけど、本当に美味しかったんだろう。心底嬉しそうにはしゃいでいるのが可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
「ふふ、よかったねぇロルフ」
「おう!マジでやべぇぞ、お前も味わうか?味わいたいだろ?」
「なに言ってんの、もうないじゃな…んむッ!」
後頭部を掴まれブチュっと口づけられ、遠慮なく舌を差し込まれる。ロルフの舌を通して、皇室献上品をかすかに味わう。んん、なんだろう。なんというか…複雑な味?フルーティさがあって苦味があってえぐみもあるような…???
考え込んでロルフの好きにさせていると、「見せつけてくれるねぇ」というヴァレさんの言葉で我に変えり、ロルフを引っぺがした。
「ロルフ、ちょっと、人前だから!」
「あぁ?家ん中だからいいだろーが。それよりどうだ?美味いだろ?!」
「いやわかんねーわ…どっちかっていうと飲みにくくない?」
「あぁ?!この味がわかんねーとかマジかよ!このバカ舌め…」
「ちょっと、イスと一緒にしないでくれる?味はちゃんとわかるわよ!」
ロルフと軽口を叩き合っていると、ビョルンから「それはイスに失礼だぞ」とツッコミが入った。おっと、イスに聞かれたらまた拗ねちゃうわ。
「まぁまぁ。歴史のあるワインってのは、味に深みがあるんだ。味に深みがあるということは、色んな味がするということだから。飲み慣れないと飲みにくいという意見はあるよね」
ヴァレさんが苦笑しながら入れてくれたフォローに、私は大きく頷く。
「あ、それそれ!飲み慣れないだけ!」
「物は言いようだなぁ、オイ」
「うるっさいなー、だいたいアンタはなんで高級ワインの味がわかんのよ!」
「ヘッ、俺がどんだけ酒に注ぎ込んできたか知らねぇだろ?」
いや知らねーわよ。確かにこの家の地下保管庫には、ロルフが集めたお酒が着々と増えていってるけどさ。
「そうだな。以前…シャーラと一緒に住む前には、生活費まで使い込んで俺に借金を頼みに来たのも一度や二度とじゃないものな」
ビョルンに冷ややかな目で睨まれ、ロルフがさっと顔を逸らす。マジか。私も無駄遣いしてビョルンにお金管理されてる身だけれど、自分で管理してた時も借金を背負ったことはないぞ。
「まぁ、結果よかったわね。今はビョルンがしっかり管理してくれているもの」
ビョルンからもらってるお小遣いは、ほぼ酒代に消えてるみたいだけど…あくまでお小遣いだから、家の資産はキチンと残っている。私ももらってる分はスイーツやら服飾品やらなんやかんやで使い切ることが多いし…ビョルンがしっかりしてくれてるから、我が家の資産は安泰だ。
「ケッ。その分、手ェ出せる酒が減ったけどな」
「あら。じゃあ家族にならない方がよかった?」
からかうように問うと、ロルフはジロッと私を睨みつけてほっぺを軽くつねった。
「下らねーことをぬかすのはどの口だ?あぁ?」
「いひゃいいひゃい」
ちょっと大げさに痛がってみせると、ビョルンから「ロルフ!」と叱責が飛ぶ。手を放したロルフはフンと鼻を鳴らし、顔を近づけてグッと目を細めた。
「馬鹿なこと言ってっとその口塞ぐぞ?」
お?挑発的な態度だ。どうせキスで塞ぐとでも言
「俺のちんこで」
「?!こんの、馬鹿タレ!」
予想外の言葉に、ロルフの胸をドンと叩く。
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