異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第二部

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 乾杯が済むと、ヴァレさんは騎士さん達を連れて帰って行った。
「君の家の荷物は、そのまま置いておいてくれるかい?」
 と言い残して。そういえば、客間のヴァレさんの荷物そのままだったかな。
「明日届けましょうか?」
 と聞いたけれど、重いからいいよと断られてしまった。まぁ、誰かを取りに寄越すんだろう。 
「また明日」と手を振ると、嬉しそうに笑って手を振り返してくれた。
 アルコールが入って、頭がちょっとフワフワしているせいかな。ヴァレさんのそんな姿が、妙に可愛らしく見えてしまった。
 それからイスと一緒に壇上を降りて、料理を取りに行く。立食形式だ。テーブルに所狭しと並べられた料理に目を輝かせていると、ビョルンがやってきて合流した。
「お疲れさん」
「ありがとー」
 ギュッと抱きつくと、抱きしめ返してくれる。そしてまたコッソリと会話を交わす。
「変なのいなかった?」
「大丈夫だ」
 ビョルンは騎士さん達に混ざって、会場を警戒してくれていた。不審者の気配とか殺気とかを察知するのは、騎士さんたちよりビョルンの方が優れているからね。ビョルンがいないと判断したなら、きっと今は大丈夫だろう。
「陛下はもう帰られたから、後はゆっくりお食事を楽しもう」
「ああ、そうだな。何か取って来るぞ。何がいい?」
「いいよ、いろいろ見たいし一緒に行こう。イスはどこから回りたい?」
「ああ、悪いがビョルンが来たのなら私は離れる。ビジネスの時間だ」
 わー。イスの目が商売人のそれになってるわ。コンロも売り込みたいって言ってたもんね。
「わかった。しっかり稼いで来てね!」
「任せてくれ」
 イスはローブを翻し、颯爽と歩いて行ってしまった。これは、今日一日でかなりのお金が動きそうね。頼もしー。
「じゃ、私たちは食事を楽しみましょ」
「ああ、そうだな」
「乾杯のお酒美味しかったなー。あれもロルフが選んだやつよね?」
「ああ、多分な。シャーラの好みそうなものを選んだんじゃないか?」
「まさかー、みんなで乾杯するお酒に個人の好みはいれないでしょ」
 と言ってみたものの、ロルフならやりかねない…か?
「せっかく選んだのに飲めないのは可哀想だから、ボトル何本か持ち帰らせてって頼んでみようかな」
「そうだな。だがまずは飯を腹に入れよう。腹が減った」
「うふふ、さんせーい!」
 そんな話をしながら、私たちは空腹を満たすために会場へ乗り出した。



 ふわふわ、ふわふわ。
 なんだが体が浮いているような気がする。
 すごく気持ちいいな。体を優しく横たえられ、何かの重みと一緒に沈み込む。
 ちゅ、と唇に柔らかいものが触れて、キスされたんだなとわかる。チクチクとした刺激が触れて、ビョルンだなってわかる。
 腕を伸ばして、ギュッと抱きしめる。大好きな彼の匂いを吸い込む。笑うような吐息が零れて、頬をくすぐる。
「起こしちまったか?」
「んー、私、寝ちゃってた?」
「寝てたよ、見事に」
「まじかー」
 目を開けて、ぼんやりとした視界の中に愛しい男の顔を捉える。
 宴会の途中で眠くなって、ビョルンに寄りかかったまでは覚えているんだけど…お酒飲み過ぎたかな?そのまま眠っちゃったみたいだ。
「宴会、抜けちゃって大丈夫だった?」
「主役はお前じゃないから、大丈夫だ」
「確かにー!主役はトイレだもんね、アハハ!」
「やれやれ、けっこう酔ってるな」
 苦笑するビョルンに、首を羽交い絞めにしつつチュッチュッと口づける。
 そうかも。なんかよくわからないけど楽しいし。
「お腹もいっぱいだし、お酒も美味しかったし、しあわせー」
「そりゃよかったな。水はいるか?」
「んー…」
 ちょっと悩むフリをしながら、彼の頬を両手で挟む。深くて青い瞳を覗き込む。
「飲ませてくれる?」
 彼がフッと短く笑う。熱い吐息が唇にかかる。
「口でか?」
「うふ…」
 うっとりと目を細めると、ビョルンは体を起こしてベッドサイドの水差しを取った。コップに水を注ぎ、自分の口に含む。
 横たわったままの私にのしかかり、深い口づけをくれる。少しずつ送られてくる水を飲み干す。唇の端から水をベロリと舐められる。そのまま自分を舌を出してビョルンの舌を舐め、口内に招き入れる。
 くちゅくちゅ、音を立てて舌を絡ませる。ビョルンの口の中にも、ほんのりお酒の味が残っている、気がする。ビョルンはお酒に強いから、私よりも強いお酒を飲んだんだろうな。
 キスを続けながら、トップスを引きずり出され裾から大きな手が潜り込んでくる。かさついた手の平が、ウエストをするすると撫でさする。
 キスが唇を離れ、ちゅ、ちゅ、と音を立てながら降りていく。
 唇の端にキス、顎にキス、首筋にキス。喉の横辺りを唇で食まれ、「あッ」と甘い声が漏れてしまう。大きな声が出てしまったのが恥ずかしくて、左手で口元を覆う。それを咎めるように、ビョルンが薬指の付け根にキスをする。
 それでふと、思い出す。
「……ね、ビョルン」
「ん?」
 左手を持ち上げて、薬指を見つめる。
「プロポーズの時、左手の薬指にキスしてくれたよね。あれって、なにか意味があったの?」
 私の左手を取り、その薬指にビョルンが再度キスをする。
「帝国式のプロポーズだよ。薬指にキスをして、愛を請うんだ」
 帝国式のプロポーズ。『あの時』、愛の言葉はなかったけれど…。
「そっか……」
 そっかぁ……。

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