第二王女と年下国王

miki

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11 二人の夜

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一緒にアノンさんの母上のお墓参りをした夜、私たちはいつものように一緒の寝床で横になります。

しかし、彼の様子はいつもと違いました。
アノンさんは、最近は自分から私にくっついてくれるようになっていたのですが、今日はなぜか背中を向けて少し距離を置かれています。
なんだか寂しいので、背中をちょんちょんと突いてみますが、反応がありません。
今度は背中を指でなぞってみます。くすぐったかったのかビクっとしたので、起きてはいるようです。

(つれない人ですね)

アノンさんの方から甘えてこないのなら私から甘えに行くまでです。
私は少しアノンさんを驚かせてやろうと「えいっ」と彼の背中に抱きつきました。

彼の体は私よりも温かく、彼の頭からはお風呂上がりのいい匂いがします。
彼は何も抵抗することなく、私の腕に包まれるがままになっています。

(これでも反応がないのですか。つまらないですね。)

なんて思いながら私はアノンさんを抱き枕にし続けます。
彼の体は子供にしては骨張っていて、彼の過ごしてきた日々の苛烈さを思わせるのでした。


しばらくそうしていると、やっとアノンさんが恐る恐る口を開きました。

「これ以上くっついていられると、その…今日は寂しい気分だったから…我慢が出来なくなるんだけど…」

「我慢しなくていいんですよ。私はあなたの妻なのですから、存分に甘えて。」

「いや、まあ、そうなんだけど、そうじゃなくて…」

彼の返答は歯切れが悪いです。

(何か私に遠慮しているのでしょうか?しなくてもいいのに…)

「なにも遠慮する必要はないのですよ。それでも一国の王様ですか?」

なんて言って私はいつものように彼をからかうと、彼は少し語気を強くして言いました。

「ラミナのことが大事だからなの!」
「僕もキスをしてほしいって言われるまで気付かなかったけど、ラミナもラミナだよ!」
彼はそう私への恨み節を言うと、一呼吸おいて言い放ちました。
「これ以上くっついてられるとエッチな気分になっちゃうっていうこと!!」

(え!?)

まさか彼からこのような言葉が出てくるとは思いもしませんでした。いつもはびっくりさせる側の自分が珍しくされる側になってしまいました。

(アノンさんは子供だけど、そうよね、男の子だもんね、好きな人にくっつかれたらエッチな気分になっちゃうのは仕方ないことだよね、うん…)

私はそう自分に言い聞かせつつも、自分の気持ちは固まっています。

「だから今すぐ僕から離れてください。じゃないと襲ってしまいますよ?」

私は恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら言います。
「その…アノンさんだったら…いいですよ」

私は意を決してそう言ったのですが、しばらく沈黙が続きます。
私にはアノンさんの顔は見えないので、彼がどう思っているのかわかりません。少し怖いです。

「本当にいいの…?」
彼は震えた声でやっと沈黙を破ります。

「本当ですよ。私はアノンさんのことを愛していますから。」

「でも、はじめてだから優しくしてくださいね?」


私がそう囁くと、彼は私が巻きつけていた腕を無理やり引き剥がして、押し倒し、私の上に乗るのでした。
アノンさんは目をぎらつかせ、鼻息は荒くなっています。


彼は体を倒して私と長い大人のキスをした後、ぎこちなくも、思いやりを持って一晩私を愛してくださりました。
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