あなたは恋人としては魅力的だけど友達としての魅力は全くないわ

miki

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あなたは恋人としては魅力的だけど友達としての魅力は全くないわ

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大学の帰り、同じサークルの女性の先輩から、家で飲まないかと誘われた。
僕は特に用事はなかったので、少し不思議には思いながらもいいですよ、と彼女の家にいくことにした。

彼女の家は大学近くの小綺麗なアパートの3階の一室で、部屋の中は整頓されていた。

僕は女性の家で女性とサシで飲む、ということは初めてだったので緊張していた。
基本彼女が話をし、僕がその聞き役になる。彼女はお酒が入っているからかとても愉快ように話していた。


彼女は話をやめて突然黙りこくると、僕の隣に座った。
彼女の甘い匂いがただよう。

「どうしたんですか?」

僕は緊張しながら彼女に尋ねる。
彼女はじいっと僕の目を見つめてから

「あなたのことが好きよ」

と言い、僕を押し倒した。



僕はそのまま彼女に犯された。



抵抗しようと思えばできたが、彼女がとても気持ちよさそうにしているのを見て、その気は失せてしまった。
次第に自分も高まってきて、最後は彼女よりも早く果ててしまった。


互いに汗をかき、酔いも覚めてしまっていた。


「なぜ僕のことが好きなんですか?」

僕は彼女の腕に抱かれながら胸にうずくまっている。

「それはあなたが特別だからよ」

彼女は僕の頭を撫でながら言う。

「どう、特別なんですか?」

「あなたと一緒にいたい、触りたいって思っちゃうの」

「それはどうしてですか?」

「それは私を見てくれたからよ。みんなから無視されている私を。」

「たしかに少しはぶられ気味でしたね。理由は知りませんが。」

「気付いているなら、じゃあどうして私にかまったの?」

「それは自分のためです。」

「なんだかよく分からないわ。」
彼女はふふっと上品に笑う。


「ところであなたはどうなの?私のこと好きなの?」

「分からないです。でも、心地はいい…かな。」
「でも、多分他人に抱かれて心地良いのは、誰でも同じな気がします。」

「あなたは本当に人とのつきあいが苦手なのね、人の好き嫌いも分からないなんて」

「そうかもしれないですね」
「こいつとはもう顔を合わせたくない、なんて人を心底嫌いだと思ったことは一度もないんです。“キライ”がわからない、だから、“スキ”もわからない、のだと思います。」
「人をキライになりたくないし、人には嫌われたくないんです。」
少し違和感を感じる。
「いや、違いますね、人には嫌われてもいいんだけど、相手にとって不快なことをしたくないんです」
「自分が傷つくことはかまわない、でも相手が自分で傷つくかと思うと怖い、のだと思います。」


彼女はふう、とため息をつく。
「あなたは優しすぎるのよ」
「自分が傷ついているんだったら相手もその分傷つけてもいいのよ。じゃなきゃ対等とは言えないわ」
「でも、私はあなたのそういうところ、好きよ」

「でもね、」
彼女は続ける
「あなたは恋人としては魅力的だけど友達としての魅力は全くないわ」

はっきりと言われてしまった。
「その自覚はあります」

「だからね、一生私の胸の中で抱きしめられていればいいのよ」

彼女はそう言って僕の首筋にキスをした。
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