最強の勇者になったのに可愛い魔王とらぶらぶはいつ始まる?

アキナヌカ

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05告白の返事といじめ

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 こうして俺と小夏は校舎裏の先生がすぐには駆けつけてこないところに呼び出された、清山が怒っているのは明らかでその原因の一端は俺にあったから最初は謝ろうとした。

「清山、すまない。俺への呼び出しかと思ったから、小夏宛ての手紙を勝手に読んでしまった」
「ああん、誰がてめぇみたいなクズを呼び出すのに手紙をかくもんか!?」

「それでも配慮に欠ける行動だったと思う、すまない」
「本気でそう思ってるなら土下座しろよ、てめぇはどれだけ殴っても蹴っても土下座はしなかったよな」

「え? それでいいのか? 清山がそれでいいなら、まぁ俺は土下座する。すまなかった」
「さっきから清山、清山って俺を呼び捨てにしやがって、土下座だと、んなこともうどうでもいいんだよ!!」

 俺は清山に手紙を開封して中身をクラスの皆にさらす結果になったことを謝った、本当に悪いと思っていたから俺は乾いた土の上ですぐに土下座して謝った。だが清山はそれでもまだ怒っているみたいだ、今回はこちらが悪かったので俺はできるだけ穏便にすまそうと思っていた。そうしたら清山は俺のことなんかどうでもいいと言い始めた、とりあえず俺は謝ることができたのでホッとした。そうして清山は今度は小夏に向かって話し始めた。

「小夏さん、俺の手紙を読んで返事も聞きました!! でも俺は諦めません、直人なんてクズなんかより俺とお付き合いしましょう!!」
「お付き合いって何のこと?」
「清山は性的に小夏が好きってことで、一緒にいろいろしたいんだ」

「どうか、一目惚れって初めてのことなんです。俺とお付き合いしましょう!!」
「ヤダッ!! 直人に土下座しろなんて言った人間は嫌い!!」
「うわっ、そこで俺の名前は出さなくていいんだよ、小夏」

「うるせぇクズ、お前は話しすんな!! 小夏さん、貴女だまされてるんですよ!!」
「直人が小夏を騙すはずないの、直人は十年間ずっと小夏を大事にしてくれたもん!!」
「………………」

「俺だってこれから小夏さんを大事にします!!」
「いらない!! 小夏はこれから直人を性的に好きになる予定なの!! リザードマン以下なんて嫌いだもん!!」
「………………」

 俺は清山から黙っていろといわれたから途中から黙っていた、でも小夏が決定的な一言をリザードマン以下なんて言って告白を断ってしまった。これは清山たちとの喧嘩は避けられないだろう、俺はどれくらい手加減すればいいのか考えていた。

「貴方たち!! 校舎裏が煩いと思ったら何をやってるんです!! もう下校の時間ですよ、さっさと下校しなさい!!」

 すると運が良いのか悪いのか担任の先生が何故か校舎裏にやってきた、清山は今にも俺を殺してやりたいという顔をしていたが、さすがに担任の先生には手を出さずに帰っていった。俺と小夏も帰ることにした、俺が小夏をお姫様だっこで抱き上げると、小夏は土下座でついた土埃を可愛い手で払ってくれた。

「ありがと、小夏」
「直人は強いんだから、あんな奴に頭下げる必要は無いの!!」

「いや、小夏。どんなに強くても悪いことをしたと思ったら頭を下げるんだよ、それが人間ってものなんだ」
「魔物とは理屈が全然違うの、小夏は本物の魔物に会ったことないけど、土下座なんてする魔物は見たことないの!!」

「俺は人間だからな、小夏は人間の俺は嫌いか?」
「大好きなの!! 今にきっと性的にも大好きになるの!!」

 そんな可愛いことを言う小夏に微笑んで俺は小夏を抱きあげたまま家に帰った、しかしそれから清山たちの陰湿ないじめがはじまった。俺の物はもう一切学校に持ち込めなくなった、汚されたり破られたり壊されたりするからだった。俺は担任の先生に何度も相談したが、現行犯か監視カメラにでも映っていないと犯人が特定できないと、彼女のせいではないのにすまなそうに言われた。

「今日も直人と半分こ、教科書を半分こ」
「小夏は嬉しそうだな、俺と半分こはそんなに嬉しいか?」

「うん、一緒に勉強できてほわほわする」
「嬉しいってことだな、それならしばらくはこれでいいか」

 俺も小夏も全教科の教科書を暗記しているのだ、だから教科書なんて本当はいらなかった。俺は教科書が無くても大体の問題は答えることができた、俺の教科書も忘れているのではなく盗まれているので多くの先生は俺を叱れなかった。清山たちはだんだんとイラついているようだった、それは以前のように俺が彼らに怯えないからだろう、最強の勇者になった俺が怯えるのは小夏に嫌われることくらいだった。

「よぉ、クズ。そろそろ首でも吊ってみろよ」
「あいにく可愛い小夏がいるんで、そんな馬鹿な真似は絶対にしないな」

 時々清山がすれ違いざまに俺にだけ聞こえるようにそんなことを言った、でもバッチリ小夏にも聞かれていて清山は自分の行動でどんどん小夏に嫌われていった。それでも清山は諦められないようで、小夏にも時々囁くように話しかけようとしていたが、小夏が両耳を覆って完全に無視するのだった。

「いっそ、喧嘩してくれれば話は早いんだけどな」
「直人、いじめられなくなるの?」

「俺が最強の勇者だって知ってるだろ、小夏」
「うん、確かに直人に勝てる生物はいない」

「上下関係がはっきりすればな、清山も大人しくなると思うんだ」
「そうなっても小夏はあれは嫌い!! リザードマンの方がまだ可愛い!!」

 そんなことを俺と小夏はお風呂場でゆったりと話すことがあった、小夏は自分の髪と体の洗い方を覚えても俺と一緒にお風呂に入りたがった。俺も直接もう胸を手で洗うなんてことはしなくてすんだし、小夏の体にも見慣れつつあったから一緒にお風呂に入っていた。でも見慣れつつあったといっても、性的に俺の体のほうが興奮してしまうのは仕方のないことだった。俺って早漏になるかもしれないと思いつつ、俺は僅かな時間で自分の性的欲求をはらしていた。

「……早漏になったらどうしよう」
「直人、どーしたのー?」

「何でもない、もうすぐ上がるから待っててくれ。小夏」
「うん、小夏は体を拭いて着替えて待ってる!!」

 とにかく自宅では小夏は俺にべったりだった、お風呂も一緒に入ってくれというくらいだから、当然のように一緒に寝る習慣にも変わりはなかった。俺は煩悩を払い悟りを開きたいと思いつつ、小夏みたいに白くて柔らかくてすべすべの気持ちの良い体はないと思っていた。仕方がないことなのである、俺は十六歳の男の子なんだから性的な刺激に反応しない方が難しかった。

「運動着は? また盗まれたの? 大変なことね」
「そろそろしゃれにならない金額になるので、父と母に相談して警察に被害届を出す予定です」

「じゃあ、制服でもいいから体育の授業を受けなさい。今日はサッカーだからね」
「はい、御心配をおかけしてすみません」

 俺の父と母の財力も所詮は一家庭のものである、俺は本当に警察に被害届を出そうと父と母に相談していた。父も母も賛成してくれていて、盗まれて見つかった物から指紋などを採取してもらえれば犯人もすぐに分かるはずだった。でもその前に俺は清山をちょっと挑発してみることにした。

「清山、俺の無くなる私物について警察にそろそろ相談することにした。そうなると犯人はお前かお前の仲間たちだとすぐにバレるぞ、物にばかり当たってないで俺と直接で勝負できないのか? それとも喧嘩もできない臆病なリザードマンなのかな?」
「こんっのクズ、今日一人で校舎裏に来やがれ」
 
 俺は挑発にのってきた清山に対して笑みを浮かべた、これでやっと面倒なことが片付くからだ。俺は最強の勇者だから手加減をしなければならないが、喧嘩くらいで負けるということは無いはずだった。

「ああ、楽しみだ」
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