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05不死身
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「街が水に浸かってるぞ、ルーシー!!」
「海の上に建っているヴィーレの街だ」
「街が海に沈んだりしないのか?」
「私も細かくはしらんが、そんなことはないそうだ」
「ふーん、不思議な街だな」
「ああ、だが私はこの街が結構好きだ」
ヴィーレの街は本当に海に建っているようにできていて、潮の満ち引きでは完全に海に使ってしまう道もあった。海だけあってここでは新鮮な魚介類が手に入る、その干物などが仕入れたい荷物だった。そういえば荷物の中にコンドームが入っていて、こうやって世界に広がっていくのかと私は不思議な気持ちになった。
「男の護衛は皆で娼館行きだ、ローズは私のものだから行くなよ」
「頼まれたって行かねえよ!!」
「娼館で性病をもらってくる奴は多い、私のものじゃなくなっても行くな」
「性病って怖いのか?」
「最初は潜伏期でどうともないが、最終的には命を落とすこともある」
「俺は絶対に娼館には行かない」
ヴィーレの街の冒険者ギルドに行くと、『不死身』のルーシーが来たと囁くような声が広がった。私の二つ名は実は『怪力』でも『敏捷』でもなく『不死身』だ、ローズは不思議そうな顔でその囁き声を聞いていた。私には『怪力』の他にもう一つギフトがあった、だから『不死身』のルーシーと呼ばれているのだ。
「なぁ、あんたの二つ名どうして『不死身』のルーシーなんだ?」
「恥ずかしいからあまり言うな、中二病みたいで嫌になる」
「ちゅうにびょう?」
「ある意味重い病だ、後で思い出すと恥ずかしい発言ばかりを言うことだ」
「ふーん、よく分からない」
「私のギフトはもう一つあるのさ、それだけ覚えていればいい」
私はローズにまだ詳しいことを教えなかった、そのうち知ることになるからその時でいいと思ったのだ。そうして私とローズは別々の宿屋の部屋で眠りについた、私はローズたんという抱き枕がいなくて寂しい思いをしていた。仕方がないこれもローズが成長したということだ、翌日もローズは荷物の積み下ろしなど率先して働いていた。それからいくつか街をまわり、帰り道での出来事だった。
「また盗賊か」
「今度は俺も戦う」
「荷物の傍から離れずにいざとなれば『魔法』を使え」
「分かってる、でもなるべく使わないですませる」
「王や貴族には捕まりたくないもんな」
「そうだよ、そんな連中はごめんだ!!」
ローズとこそこそと話し合った後に、かかってきた今度の盗賊は手強かった。弓矢での攻撃もうっとうしかったし、何よりおそらく『俊敏』のギフト持ちがいた。その盗賊は素早い動きでこっちの味方を斬り殺していった、私もあっという間に左腕を斬り落とされていた。だが右腕に持った大剣でどうにかその『俊敏』持ちの盗賊を殺した、そうしてあらかた盗賊を片付けたらローズが私の傍にやってきた。
「ルーシー!! 回復魔法を……」
「しぃ!! これくらいなんてことない見ていろ」
「う、腕が生えた」
「これが私の持つもう一つのギフト『再生』だ」
「じゃあ、大丈夫なんだな。はぁ、良かった」
「これくらいで心配してくれるとは、ローズたんは優しいな!!」
私が授かったギフト『再生』大きな傷ほど早く治る、失った手足くらい『再生』してくれるのだ。これがあるから私は『不死身』のルーシーと呼ばれている、さすがに頭を斬り落とされたら死ぬと思うが、神のギフトは凄い力をもっているから分からなかった。ローズは腕が生えてきた私を怖がらなかった、それだけで私はローズが愛しいと思った。普通の人間はこれを見ると怯える、化け物を見るような目で見られることが多かった。
「さてやっとクレセントの街に帰ってきた、少し私たちは休みを取るべきだな」
「護衛賃ってどれくらい貰えるんだ」
「大した稼ぎにはならない、まあ二、三日遊べる程度さ」
「ふーん、儲からないんだな」
「ダークウルフを倒した方がずっと儲かる、またあんな依頼がないかな」
「それより休むんだろ、早く宿屋に行こうぜ」
こうしてクレセントの街に帰ってきた私たちは二、三日ゆっくりと休んだ。その間も鍛練だけは欠かさなかった、ローズとの勝負は相変わらず私が勝ち続けていた。やはり戦闘経験の差はそんなに簡単には埋まらなかった、それでもローズは頑張っていた、いつか私に勝つのだと闘志を燃やしていた。私はそんなローズたんが可愛かったから撫でくりまわした、ローズは真っ赤な顔はしていたが私のしたいようにさせてくれた。そんなある日のことだった、街を歩いていたら貴族の馬車に出くわした。
「私あの男の奴隷が欲しいわ、買ってきて」
「はい、お嬢様」
私はローズを売るように言われた、でも私にはローズを売る気は無かったから、到底払えるはずもない金額を提示した。
「金貨二万枚ならお売りしましょう」
金貨二万枚といったら百年遊んで暮らせるような金だった、さすがに貴族のお嬢様もそこまでのお金は持っていなかった。どこの貴族か分からないが私はギロリとそのお嬢様に睨まれた、でもそのまま大人しく貴族の馬車は去っていった。さてあの貴族のお嬢様は諦めてくれただろうか、何かしかけてきたら殺すしかないなと私は思っていた。
「ローズ、転移魔法の練習をしておけ」
「分かった、今の貴族か」
「そうだ、いざとなったらそれで逃げる」
「そうだな、貴族相手にことをかまえるなんて危険だもんな」
「もしくはあの貴族のお嬢様を暗殺する」
「そ、そこまてしなきゃ駄目か?」
王や貴族の連中はしつこいと私は言った、ローズもそれに頷いていた。それからローズは転移魔法の練習をしていた、一度私は水浴びをして真っ裸だった時に転移してきた。可愛いローズたんは顔を真っ赤にして転移魔法で自分の部屋に戻った。その後、私がちょっと覗いてみるとオナニーをしていたから、まぁ健康な男子として成長していた。
「海の上に建っているヴィーレの街だ」
「街が海に沈んだりしないのか?」
「私も細かくはしらんが、そんなことはないそうだ」
「ふーん、不思議な街だな」
「ああ、だが私はこの街が結構好きだ」
ヴィーレの街は本当に海に建っているようにできていて、潮の満ち引きでは完全に海に使ってしまう道もあった。海だけあってここでは新鮮な魚介類が手に入る、その干物などが仕入れたい荷物だった。そういえば荷物の中にコンドームが入っていて、こうやって世界に広がっていくのかと私は不思議な気持ちになった。
「男の護衛は皆で娼館行きだ、ローズは私のものだから行くなよ」
「頼まれたって行かねえよ!!」
「娼館で性病をもらってくる奴は多い、私のものじゃなくなっても行くな」
「性病って怖いのか?」
「最初は潜伏期でどうともないが、最終的には命を落とすこともある」
「俺は絶対に娼館には行かない」
ヴィーレの街の冒険者ギルドに行くと、『不死身』のルーシーが来たと囁くような声が広がった。私の二つ名は実は『怪力』でも『敏捷』でもなく『不死身』だ、ローズは不思議そうな顔でその囁き声を聞いていた。私には『怪力』の他にもう一つギフトがあった、だから『不死身』のルーシーと呼ばれているのだ。
「なぁ、あんたの二つ名どうして『不死身』のルーシーなんだ?」
「恥ずかしいからあまり言うな、中二病みたいで嫌になる」
「ちゅうにびょう?」
「ある意味重い病だ、後で思い出すと恥ずかしい発言ばかりを言うことだ」
「ふーん、よく分からない」
「私のギフトはもう一つあるのさ、それだけ覚えていればいい」
私はローズにまだ詳しいことを教えなかった、そのうち知ることになるからその時でいいと思ったのだ。そうして私とローズは別々の宿屋の部屋で眠りについた、私はローズたんという抱き枕がいなくて寂しい思いをしていた。仕方がないこれもローズが成長したということだ、翌日もローズは荷物の積み下ろしなど率先して働いていた。それからいくつか街をまわり、帰り道での出来事だった。
「また盗賊か」
「今度は俺も戦う」
「荷物の傍から離れずにいざとなれば『魔法』を使え」
「分かってる、でもなるべく使わないですませる」
「王や貴族には捕まりたくないもんな」
「そうだよ、そんな連中はごめんだ!!」
ローズとこそこそと話し合った後に、かかってきた今度の盗賊は手強かった。弓矢での攻撃もうっとうしかったし、何よりおそらく『俊敏』のギフト持ちがいた。その盗賊は素早い動きでこっちの味方を斬り殺していった、私もあっという間に左腕を斬り落とされていた。だが右腕に持った大剣でどうにかその『俊敏』持ちの盗賊を殺した、そうしてあらかた盗賊を片付けたらローズが私の傍にやってきた。
「ルーシー!! 回復魔法を……」
「しぃ!! これくらいなんてことない見ていろ」
「う、腕が生えた」
「これが私の持つもう一つのギフト『再生』だ」
「じゃあ、大丈夫なんだな。はぁ、良かった」
「これくらいで心配してくれるとは、ローズたんは優しいな!!」
私が授かったギフト『再生』大きな傷ほど早く治る、失った手足くらい『再生』してくれるのだ。これがあるから私は『不死身』のルーシーと呼ばれている、さすがに頭を斬り落とされたら死ぬと思うが、神のギフトは凄い力をもっているから分からなかった。ローズは腕が生えてきた私を怖がらなかった、それだけで私はローズが愛しいと思った。普通の人間はこれを見ると怯える、化け物を見るような目で見られることが多かった。
「さてやっとクレセントの街に帰ってきた、少し私たちは休みを取るべきだな」
「護衛賃ってどれくらい貰えるんだ」
「大した稼ぎにはならない、まあ二、三日遊べる程度さ」
「ふーん、儲からないんだな」
「ダークウルフを倒した方がずっと儲かる、またあんな依頼がないかな」
「それより休むんだろ、早く宿屋に行こうぜ」
こうしてクレセントの街に帰ってきた私たちは二、三日ゆっくりと休んだ。その間も鍛練だけは欠かさなかった、ローズとの勝負は相変わらず私が勝ち続けていた。やはり戦闘経験の差はそんなに簡単には埋まらなかった、それでもローズは頑張っていた、いつか私に勝つのだと闘志を燃やしていた。私はそんなローズたんが可愛かったから撫でくりまわした、ローズは真っ赤な顔はしていたが私のしたいようにさせてくれた。そんなある日のことだった、街を歩いていたら貴族の馬車に出くわした。
「私あの男の奴隷が欲しいわ、買ってきて」
「はい、お嬢様」
私はローズを売るように言われた、でも私にはローズを売る気は無かったから、到底払えるはずもない金額を提示した。
「金貨二万枚ならお売りしましょう」
金貨二万枚といったら百年遊んで暮らせるような金だった、さすがに貴族のお嬢様もそこまでのお金は持っていなかった。どこの貴族か分からないが私はギロリとそのお嬢様に睨まれた、でもそのまま大人しく貴族の馬車は去っていった。さてあの貴族のお嬢様は諦めてくれただろうか、何かしかけてきたら殺すしかないなと私は思っていた。
「ローズ、転移魔法の練習をしておけ」
「分かった、今の貴族か」
「そうだ、いざとなったらそれで逃げる」
「そうだな、貴族相手にことをかまえるなんて危険だもんな」
「もしくはあの貴族のお嬢様を暗殺する」
「そ、そこまてしなきゃ駄目か?」
王や貴族の連中はしつこいと私は言った、ローズもそれに頷いていた。それからローズは転移魔法の練習をしていた、一度私は水浴びをして真っ裸だった時に転移してきた。可愛いローズたんは顔を真っ赤にして転移魔法で自分の部屋に戻った。その後、私がちょっと覗いてみるとオナニーをしていたから、まぁ健康な男子として成長していた。
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