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29子どもたち
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「よっと、子どもが腹にいるとなかなか大変だなっ」
「ルーシー、無理はするなよ」
「無理はしてない、この大きな腹で何もできん」
「あんまり動かないほうがいいんじゃないか、ルーシー」
「いや適度に運動もしないとこのままでは太り過ぎる」
「多少太ったってルーシーは綺麗だぞ」
私は大きくなった腹を抱えて動きまわっていた、子どもを産んだことはないが、妊婦にも適度な運動は必要だったはずだ。ローズはそんな私を見ながら仕事に行った、私は医者に行くことにした。こうなってからずっと医者に体を診て貰っていた、順調ですねと医者は言った。私はその言葉にホッとして、元来た道を帰った。しかし妊娠がこんなに大変だとは思わなかった、大きな腹をその時中からぽこんと蹴られた。そしてとうとう出産する日が近づいてきた、私は医者を呼んで貰った。
「うぅ、痛い!! こんなに痛いものなのか!?」
「初めての出産ですからね、痛みは子どもが外に出ようとしている証拠です」
「大丈夫か、ルーシー」
「ローズたん、手を握っていてくれ。痛い!! 我慢できないくらい痛いぞ!!」
「もう少し頑張って、さぁいきんでください」
「ルーシー、手を握っているからな」
「ううぅ、痛い。痛いが、あとどのくらいなんだ!!」
「もう子どもの頭が見えてきました」
「ルーシー、頑張れ」
そうして私はローズにそっくりな男の子を産み落とした、信じられないくらいに痛かった。出産とはこんなにも大変なものなのだとしみじみ思った、産まれた男の子はほぎゃああぁぁと元気よく泣いていた。ローズがルーシーよくやったとキスしてくれた。そうして私は翌年には私によく似た女の子を産み落とした、去年産んだ子どもソウビがローズの腕のなかで出産を見守っていた。女子はリュシーと名付けられた。ソウビにリュシー、どちらも大切な子どもだった。
「ああ、ソウビ。ちゃんとご飯をたべなきゃ駄目だぞ」
「うー、あい!!」
「リュシーはおむつか、俺が取り替えておくよ」
「うぎゃあああん」
「大好きだぞ、ローズたん」
「俺もルーシーが大好きだ」
私たちは協力して子供を育てた、時にはローズは仕事を休んだ。それで文句を言われても、俺は子どもが可愛いんだよと言い返していた。ソウビもリュシーも育てやすい子どもだった、一歳後半から三歳くらいまでいやいや期もきたが、どうにか乗り越えて育てた。あっという間に月日は過ぎて、ローズは二十一歳になっていた、私は三十一歳になった。この頃になると子どもたちも三歳くらいになっていたから良く喋った、時には思いしないことを聞かれることもあった。子どもというのは不思議な生き物で私とローズはとても忙しくなった、忙しくはなったら幸せでもあった。
「マアとパパがけっこんしたから、僕がいるの?」
「そうだぞ、ソウビ」
「あたちはパパとけっこんする」
「リュシー、それは無理だ。パパはママと結婚してるからな」
「ママとパパがいっしょであんしん、ふあぁ~僕眠い」
「少しお昼寝するか、ソウビ」
「うあぁぁん、ママと別れてぇ!!」
「それはできないぞ、リュシー」
とにかく家の中は賑やかになった、私とローズは子どもたちに玩具をいっぱい与えた。大抵は木でできた動物とかだった。ソウビは犬の玩具が気に入って口にいれたり持って歩いたりした、リュシーはお人形がお気に入りでハンカチなどで着せ替えをしていた。私とローズはいつもうちの子可愛いと騒いだ、実際に子どもたちは可愛らしかったし、多少親ばかでもいいかなって思っていた。子どもたちは屋敷の中を走り回り、秘密基地をつくったりしていた。それが食卓の下だったから、子どもたちが食卓の下から顔をのぞかせてはご飯を食べたりしていた。この世界に幼稚園はなかったから、他の子どもと会う機会は無かった。
「ねぇねぇ、ママ。ソウビと眠ろうよ」
「ああ、いいぞ」
「パパは私とねるもんね」
「そうだな、リュシー」
「ふあぁ~、眠いけど遊びたい」
「しぃー、ソウビ。また明日遊ぼう」
「パパ、いつになってらママと別れるの?」
「パパはママとずっと一緒だよ」
「すー、すー」
「ソウビは寝てしまったな、良い子だ」
「リュシーだっていい子だもん、もう寝たもん」
「ははっそうか、おやすみリュシー」
私とローズは精一杯に子どもたちを愛した、こうして愛した記憶は子どもたちに残るはずだ。ソウビもリュシーも日ごとに成長して私たちを驚かせた、二人とも大切なこどもだった。家の中が玩具でいっぱいになったので、お片づけを覚えさせた。大きな箱を用意して、そこに玩具を片付けさせた。それでも装備は犬の玩具だけは手放さなかった、リュシーもお人形と一緒に寝ると言っていた。私もローズもその様子を可愛く思い、写真などに残しておけないのが残念だった。まだこの世界では写真の技術ができていなかった、代わりに子どもたちが書いた絵などを壁に飾っておいた。
「うわぁぁん、ソウビが私のこと叩いたぁ。ママー!!」
「リュシーが先に僕のことぶったんだい」
「そうなのかリュシー?」
「だってリュシーはパパと結婚できないって言うんだもん」
「確かにリュシーはパパとは結婚できないな」
「いやん、ママなんてもう嫌い」
「ママ―、ソウビと遊んで」
「そうだな、ママと遊ぼうかソウビ」
「うえぇぇん、リュシーはパパと結婚するぅ!!」
「ごめんな、リュシー。パパはママと結婚してるんだ」
「別れてぇぇぇ!!」
「僕はママとパパが一緒のほうがいいよ」
子供たち二人に話しかけられるものだから私はもういっぱいいっぱいだった、二人とも眠っている間は天使だけだったが、起きてくると何か無理難題を言って私を困らせた。ソウビの方はいうことをよく聞く良い子だった、問題なのはリュシーで腹を立てるとソウビや私のことをぶった。だからちゃんと謝らせた、ごめんなさいが言えないこどもはうちの子じゃないとも言った。そうしたらリュシーは泣きながらごめんなさいをしていた、リュシーはパパと結婚したいようで私は邪魔者のようだった。そうローズに話すと笑っていた、子どもたちはもう寝ていてから、静かにローズは笑っていた。
「ルーシー、無理はするなよ」
「無理はしてない、この大きな腹で何もできん」
「あんまり動かないほうがいいんじゃないか、ルーシー」
「いや適度に運動もしないとこのままでは太り過ぎる」
「多少太ったってルーシーは綺麗だぞ」
私は大きくなった腹を抱えて動きまわっていた、子どもを産んだことはないが、妊婦にも適度な運動は必要だったはずだ。ローズはそんな私を見ながら仕事に行った、私は医者に行くことにした。こうなってからずっと医者に体を診て貰っていた、順調ですねと医者は言った。私はその言葉にホッとして、元来た道を帰った。しかし妊娠がこんなに大変だとは思わなかった、大きな腹をその時中からぽこんと蹴られた。そしてとうとう出産する日が近づいてきた、私は医者を呼んで貰った。
「うぅ、痛い!! こんなに痛いものなのか!?」
「初めての出産ですからね、痛みは子どもが外に出ようとしている証拠です」
「大丈夫か、ルーシー」
「ローズたん、手を握っていてくれ。痛い!! 我慢できないくらい痛いぞ!!」
「もう少し頑張って、さぁいきんでください」
「ルーシー、手を握っているからな」
「ううぅ、痛い。痛いが、あとどのくらいなんだ!!」
「もう子どもの頭が見えてきました」
「ルーシー、頑張れ」
そうして私はローズにそっくりな男の子を産み落とした、信じられないくらいに痛かった。出産とはこんなにも大変なものなのだとしみじみ思った、産まれた男の子はほぎゃああぁぁと元気よく泣いていた。ローズがルーシーよくやったとキスしてくれた。そうして私は翌年には私によく似た女の子を産み落とした、去年産んだ子どもソウビがローズの腕のなかで出産を見守っていた。女子はリュシーと名付けられた。ソウビにリュシー、どちらも大切な子どもだった。
「ああ、ソウビ。ちゃんとご飯をたべなきゃ駄目だぞ」
「うー、あい!!」
「リュシーはおむつか、俺が取り替えておくよ」
「うぎゃあああん」
「大好きだぞ、ローズたん」
「俺もルーシーが大好きだ」
私たちは協力して子供を育てた、時にはローズは仕事を休んだ。それで文句を言われても、俺は子どもが可愛いんだよと言い返していた。ソウビもリュシーも育てやすい子どもだった、一歳後半から三歳くらいまでいやいや期もきたが、どうにか乗り越えて育てた。あっという間に月日は過ぎて、ローズは二十一歳になっていた、私は三十一歳になった。この頃になると子どもたちも三歳くらいになっていたから良く喋った、時には思いしないことを聞かれることもあった。子どもというのは不思議な生き物で私とローズはとても忙しくなった、忙しくはなったら幸せでもあった。
「マアとパパがけっこんしたから、僕がいるの?」
「そうだぞ、ソウビ」
「あたちはパパとけっこんする」
「リュシー、それは無理だ。パパはママと結婚してるからな」
「ママとパパがいっしょであんしん、ふあぁ~僕眠い」
「少しお昼寝するか、ソウビ」
「うあぁぁん、ママと別れてぇ!!」
「それはできないぞ、リュシー」
とにかく家の中は賑やかになった、私とローズは子どもたちに玩具をいっぱい与えた。大抵は木でできた動物とかだった。ソウビは犬の玩具が気に入って口にいれたり持って歩いたりした、リュシーはお人形がお気に入りでハンカチなどで着せ替えをしていた。私とローズはいつもうちの子可愛いと騒いだ、実際に子どもたちは可愛らしかったし、多少親ばかでもいいかなって思っていた。子どもたちは屋敷の中を走り回り、秘密基地をつくったりしていた。それが食卓の下だったから、子どもたちが食卓の下から顔をのぞかせてはご飯を食べたりしていた。この世界に幼稚園はなかったから、他の子どもと会う機会は無かった。
「ねぇねぇ、ママ。ソウビと眠ろうよ」
「ああ、いいぞ」
「パパは私とねるもんね」
「そうだな、リュシー」
「ふあぁ~、眠いけど遊びたい」
「しぃー、ソウビ。また明日遊ぼう」
「パパ、いつになってらママと別れるの?」
「パパはママとずっと一緒だよ」
「すー、すー」
「ソウビは寝てしまったな、良い子だ」
「リュシーだっていい子だもん、もう寝たもん」
「ははっそうか、おやすみリュシー」
私とローズは精一杯に子どもたちを愛した、こうして愛した記憶は子どもたちに残るはずだ。ソウビもリュシーも日ごとに成長して私たちを驚かせた、二人とも大切なこどもだった。家の中が玩具でいっぱいになったので、お片づけを覚えさせた。大きな箱を用意して、そこに玩具を片付けさせた。それでも装備は犬の玩具だけは手放さなかった、リュシーもお人形と一緒に寝ると言っていた。私もローズもその様子を可愛く思い、写真などに残しておけないのが残念だった。まだこの世界では写真の技術ができていなかった、代わりに子どもたちが書いた絵などを壁に飾っておいた。
「うわぁぁん、ソウビが私のこと叩いたぁ。ママー!!」
「リュシーが先に僕のことぶったんだい」
「そうなのかリュシー?」
「だってリュシーはパパと結婚できないって言うんだもん」
「確かにリュシーはパパとは結婚できないな」
「いやん、ママなんてもう嫌い」
「ママ―、ソウビと遊んで」
「そうだな、ママと遊ぼうかソウビ」
「うえぇぇん、リュシーはパパと結婚するぅ!!」
「ごめんな、リュシー。パパはママと結婚してるんだ」
「別れてぇぇぇ!!」
「僕はママとパパが一緒のほうがいいよ」
子供たち二人に話しかけられるものだから私はもういっぱいいっぱいだった、二人とも眠っている間は天使だけだったが、起きてくると何か無理難題を言って私を困らせた。ソウビの方はいうことをよく聞く良い子だった、問題なのはリュシーで腹を立てるとソウビや私のことをぶった。だからちゃんと謝らせた、ごめんなさいが言えないこどもはうちの子じゃないとも言った。そうしたらリュシーは泣きながらごめんなさいをしていた、リュシーはパパと結婚したいようで私は邪魔者のようだった。そうローズに話すと笑っていた、子どもたちはもう寝ていてから、静かにローズは笑っていた。
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