吟遊詩人のランドール

アキナヌカ

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04処刑

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「よぉし、今日は市場で稼ごう」
「宿屋以外で稼ぐの初めて」

「こういう市場だって稼げるんだぜ」
「ふーん、いつものように踊ればいいのね」

 俺たちは今日は宿屋じゃなくて市場に来ていた。市場の管理者から場所を買ってそして俺は歌をライラは踊りを披露した。俺の歌が良いのか、ライラの踊りが良いのか、結構な額を稼げた。最近ライラには細長く薄い布とちゃんとした踊り子の衣装を買ってやった、だからいつも以上に彼女の踊りは綺麗に見えた。十分に稼いでいたら、同じ吟遊詩人らしき奴から声をかけられた。ブリックという茶色い髪と瞳をした吟遊詩人と金の髪に青い瞳をしたショコラという踊り子だった。

「僕は吟遊詩人のブリック、僕たちの邪魔をするのは止めて欲しい」
「あたしは踊り子のショコラよ、そうよ。貴女たち邪魔なのよ」

 要は市場に吟遊詩人は二人も要らないという話だった。だが俺にすればもう一日分の場所代を払っていたし、無視して俺は歌い続けた。ライラも気にしないで踊り続けた。そうしたらその横の場所をブリックという奴が買ってきて、ブリックが歌いショコラが踊ったが、俺の歌はともかく踊りはライラの方が上手かった。

「吟遊詩人が二人いるんで、お客も珍しがって集まってくるな。稼ぎ時だぞ、ライラ」
「わかった、ランドール。頑張って踊る」

 俺たちはどう見てもブリックやショコラより稼いだ。こんなに金貨を見たのは久々だった。銅貨や銀貨がほとんどだったら金貨もそれなりに混じっていた。

「この卑怯者!! 僕たちを利用したな!!」
「そうよ、そうよ!!」

 ブリックたちが何か言っていたが、俺たちはそれを無視して宿屋に帰っていちゃいちゃした。もう俺ライラの中か、口の中以外ではいけないような気がした。それくらいライラのフェラチオが上手かった。いつもどおり最後まではできなかったが、ライラが可愛い声を聴かせてくれたし良い夜だった。そうしたらまた領主の館から仕事の依頼が来た。俺は宿屋の主人に話を聞いて、結局それを断った。するとどうやらブリックやショコラが領主の館に呼ばれたようだった。自慢げに俺たちにこう言っていた。

「僕たちは領主の館で稼いできます」
「あたしの踊りなら、領主様もいちころよ」

 俺は嫌な予感がしていた。俺がこの領主からの依頼を断ったのは、宿屋の主人からここの領主様はかなり勝手な人物だと聞いたからだ。何事もなく済むように俺は祈っていたが、俺の祈りは通じなかったらしい。翌日、領主の館に行った吟遊詩人が処刑されると噂に聞いた。そうして処刑場に行ってみたらブリックは首を吊るされていた。ショコラは首を吊るかわりに全裸で縄につながれ、踊れ、踊れと役人に鞭で打たれていた。

「見るな、ライラ。宿屋に帰ってすぐにこの街を出るぞ」
「うん、分かった」

 もし領主が依頼を断った吟遊詩人を見てみたいなどと言い出したら俺たちはかなり危険だ。だから俺はライラを連れてこの街を出ていった。幸い駅馬車に乗ることができて、次の街まで夜までには着いた。宿屋をとって念の為、この領主の領地を出るまでは商売をしなかった。この間市場で稼いでいた金貨のおかげでしばらく休んでも俺たちは平気だった。

「吟遊詩人と踊り子って危険な職業?」
「相手が領主や貴族の時にはな」

「ブリックやショコラ可哀そう」
「ああ、だが助けてはやれないな」

 そのまま翌日も俺たちは駅馬車に乗って移動し続けた。そしてあの領主の領地を抜けてやっとほっと一息ついた。商売も再開して、宿屋や市場で稼ぐようになった。

「やぁん、ランドール」
「でも気持ち良いだろ、そのまま舌を俺の舌に絡めてみろよ」

「こう、うん。気持ち良い」
「そうそう、キスも気持ち良いな」

 俺たちは油断していた、あの領主の領地から出て安心していた。するとまたあの領主から館への招待状が届いた。俺たちを追っ手がつけてきていたのだ。俺はもちろん招待状には丁寧にお断りの返事をして国境を越えることにした。国さえ移ってしまえば安心なはずだった。俺たちは眠ると見せかけて夜の間に街を出た。門番に賄賂を渡して街から出して貰った。そうして俺は内心ビビりながら国境を越えた。
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