吟遊詩人のランドール

アキナヌカ

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05死者の群れ

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「流石にもう追ってこないだろ」
「うん、追っ手の人見えなくなった」

「そうか、国境越えで疲れてるが次の街まで頑張ろう、ライラ」
「うん、分かった。ランドール」

 国境を越えたら流石に追っ手も俺たちを追いかけてこなかった。野宿をして体を休ませる。食事はパンと乾燥素材の入ったスープだ。俺たちは交代で見張りをして寝た。今はライラがいるからいいが、前は商隊なんかに同行させてもらっていた。そうして次の街が近づいた時に異変が起きた。

「おいおい、なんだ。このゾンビの群れは!? 『落雷』!!」
「ランドール!! ゾンビの動き一時的に止まるけど、また動き出す!!」

「しょうがねぇなぁ、大サービスだ!! 『雷神』!!」
「効いてる、効いてる!!」

 俺たちはゾンビの群れに取り囲まれた。ゾンビってゲームだと雑魚だが、現実に見るとグロイ。腐ってるから腐臭が鼻につくし、見た目がとにかく酷い。目が無い奴とか、腕がもげてるとか、そして犠牲者がでたのだろう。口には赤黒い血をつけていた。だが『雷神』で体を真っ黒になるまで焼いてやった。隙ができたゾンビの群れを突破し、俺たちは街へと辿り着いた。そうしたら街の門番に驚かれた。なんでも最近はゾンビの群れが出るせいで街にくる人がいないらしい。とにかく俺たちは宿屋で休んだ。

「またヤバイ街に来ちまったな、ライラ」
「そう? 私はランドールがいれば平気」

「可愛いこと言うじゃん、ほらっこっちに来て一緒に寝よう」
「うん、ランドールと寝る」

 こうして俺たちは休息をとって体を休めた。『雷神』を使って俺はくたくただったから、柔らかいライラの体を抱きしめてすぐに眠りに落ちた。翌朝は稼ぎに行こうと市場に行ってみたのだが、街がゾンビの群れに囲まれているせいで活気がなかった。だが他国の情報には飢えていたみたいで、俺が市場の片隅を借りて歌うと、ライラが可愛いせいもあるがそれなりに稼げた。

「なんでゾンビの群れなんかに囲まれてるんだか、鎮め石でも失くしたのか」
「鎮め石?」

「ああ、鎮め石ってのは日本じゃパワースポットだが、こっちじゃ死者の魂を鎮める石だって言われてる」
「それが無くなった?」

「かもしれん、どっかの馬鹿が持っていったのかもな。しかし、こりゃ、困った」
「街から出れないもんね」

 俺たちが市場で稼いで宿屋に戻ると何故か冒険者ギルドから招待状が届いていた。今日はもう遅かったので明日行くことにして、俺たちは宿屋でも歌って踊って稼いだ。やっぱり周辺の国や街の情報を欲しがっていて、吟遊詩人と踊り子として俺たちはそれなりに稼いだ。そうして夜はいつもどおり宿屋の部屋でいちゃいちゃした。

「ああん、ランドールの固い。これがライラの中に入るの?」
「ライラが途中で寝たりしなきゃな」

「だってランドールに触られるとすぐいっちゃって眠くなるんだもん」
「まぁ、フェラチオだけでも凄く上手いし、気持ち良いけどな」

「ごっくん、ぷはぁ」
「気持ち良かったぜ、ありがとな。ライラ」

 こうして最後まではできないがライラが起きていられる時間は少しずつ増えている。そうなったら最後までできるのも遠い日ではないかもしれなかった。そうして俺はライラを抱きしめて眠りに落ちた。そして翌日、俺たちは冒険者ギルドに行ってみた。すると依頼盤には碌な依頼がなかった。どぶ攫いとか、街の工事の手伝いとか、街中でできることしか依頼されてなかった。そして冒険者ギルドの偉い人、ギルド長に俺たちは会うことになった。

「君たちはどうやってあのゾンビの群れを抜けてきた」
「俺が少々魔法が使えるもんでね」

「それなら頼みたいことがある、鎮め石が無事か調査をお願いしたい」
「いや、それ吟遊詩人に頼むことじゃねぇだろ」

「うちのギルドからも何回も調査させている。だが皆、ゾンビの群れに襲われて逃げ帰っている」
「だから俺にか、悪いが断る。俺一人じゃ、調査は無理だ」

 そう言って俺は冒険者ギルドからの依頼を断った。いくらなんでも無茶が過ぎる。『雷神』は強力だがそのぶん魔力を馬鹿食いするのだ。今回も街が近くなければ危なかった。

「ランドール、これじゃ街から出れないね」
「冒険者ギルドがどうにかするだろ」
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