吟遊詩人のランドール

アキナヌカ

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06鎮め石

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 俺はたかをくくっていた、そのうちに冒険者ギルドがどうにかするだろと本気で思っていたのだ。でも街の状況は一向に改善されなかった。物流が止まっているので街に物が入ってこなくなり、皆ピリピリした空気を出すようになった。そうなると吟遊詩人の歌なんか聞いてる場合じゃない。つまり俺とライラは稼げなくなっていた。

「ライラ、お前がよければまた冒険者ギルドに行ってみようと思う」
「そうしないとこの街から出られないみたい、分かった。ランドール」

「じゃあ、行ってみるか」
「うん、行こう」

 そうして一度は断った冒険者ギルドに行ってみると、鎮め石を新しく用意していた。俺とライラはその鎮め石を置きにいく部隊に入ることになった。鎮め石は綺麗な石で、確かに誰かが持っていってしまうことも考えられた。そうして覚悟して街を俺たちは出た。すぐにゾンビの群れに囲まれる。

「神よ力をおかしください、『浄化』!!」

 俺たちの部隊にいた誰かが『浄化』でゾンビの群れをかなり減らした。その間に俺たちは鎮め石が元々置いてあった場所を目指した。あと少しというところでまたゾンビの群れが現れた。『浄化』は相当に魔力をくう魔法だそう何回も使えるわけがない。仕方なく俺は魔法を使った。

「荒れ狂え!! 『雷神』!!」

 激しい雷が暴れまわってゾンビたちを焼き壊していった。だが『雷神』も馬鹿のように魔力を使う長くは持たない。その時、ライラが叫んだ。

「長くは持たない、早く鎮め石を元のところに!!」

 皆が鎮め石を元のところに置くと残っていたゾンビは倒れただの遺体になった。俺は沢山魔力を使った反動でくたくただった。ライラに支えられてやっと立っていた。遺体の処理は冒険者ギルドの他の連中に任せた。二度とゾンビにならないように荼毘に付していた。そうして俺はライラに支えられてなんとか街に戻り宿屋のベッドですぐに眠ってしまった。鎮め石が無くなったのは一カ所じゃなくて、四カ所同じことを繰り返した。

「やれやれ、もう俺はくたくただよ。ライラ」
「『雷神』を使うランドール、カッコよかった」

「それじゃキスしてくれ、おやすみのキスをな」
「うん、んくっ」

 ライラは俺が宿屋のベッドで眠りに落ちる前に濃厚なディープキスをしてくれた。こうして街の周辺からゾンビの群れはいなくなった。物流も戻り街は活気を取り戻した。俺とライラは冒険者ギルドから依頼料を貰った。そうして準備して街を出ていく前にどこかの貴族が鎮め石を持ち帰っていたことが分かった。その貴族は身分はく奪されたそうだ。それはともかく俺たちはようやくこの街を出ていくことができた。

「また野宿しながら次の街を目指そうな」
「うん、次の街についたら宿屋で可愛がって」

「全力で可愛がるさ、次の街が楽しみだ」
「ランドールに可愛がられるの好き」

 そうして俺たちは街道沿いに旅を続けていった、時には野宿することもあって交代で見張りをして眠りについた。そんなふうに野宿をしていた時のことだった。貴族の乗る馬車が現れた、向こうの従者がこう言ってきた。

「ここで野営させてもらいます、こちらには貴族の方がいるので失礼のないようにお願いします」
「分かった、関わらないようにするよ」

 こうして俺たちは貴族の方々と一緒の野営地で野宿をすることになった。もっとも、向こうは立派な天幕を張った寝場所があるようだった。俺たちも天幕を張っている、俺の拘りで寝心地も悪くなかった。いつものようにライラに見張りを頼んで俺は寝ていた。そうしたら焦ったライラの声で起こされた。

「ランドール!! 狼が現れた!!」
「何っ!? よく俺を起こした、ライラ!!」

 天幕の外に出れば狼たちは貴族を襲っていた、もちろん俺やライラも狙われた。俺は近づく狼に向かって魔法を放った。

「寄るな!! 『落雷』!!」
「ランドール、怖いよ!!」

「俺にしがみついてろ!! 『落雷』!!」
「うん!!」

 激しい雷の音に驚いて狼たちは撤退をはじめた。貴族のほうでも魔法が使える者がいるのだろう、炎や氷で狼を撃退していた。そうしてすべてが終わったら貴族の従者が声をかけてきた。

「おかげで助かりました、貴族の方が是非我が館に来て欲しいそうです」
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