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07狼の襲撃
俺はフォルを庇いつつ『疾風』と『迅雷』を狼の群れに放った。それで何匹もの狼が雷に打たれて死んだ。それでも近くに来る狼には『劫火』で焼き殺した、フォルも『業火』を使って狼を仕留めていた。最終的に二十数匹が死んで、他の狼たちは逃げていった。
「ふぅ、フォル。火事なんかにならないように『慈雨』を使ってくれ」
「分かりました、『慈雨』」
「街道沿いに行っても今みたいなことがあるんだな」
「普通、街道沿いに行けば安全なんですよね」
「ああ、おかしいわけだ。この狼たちには首輪の跡がある」
「それじゃ、誰かが私達を襲わせたってことですか!?」
「その可能性が強いな、『疾風』を使って次の街まで行くぞ」
「はい、クライブにしっかり捕まっています!!」
俺はフォルをかかえて街道沿いを『疾風』で背に風を受けながら飛ぶように走った。そうしてどうにか次の街についた。俺は食事をして宿屋についたらすぐに眠ってしまった。夜中にフォルが俺のベッドに忍び込んでいたが気がつかなかった。さて翌日のことだ。
「フォル、男のベッドに忍び込むんじゃない。そうされてもフォルのことは襲わないぞ」
「何かの拍子に手を出しちゃったり、を期待しています」
フォルはなにかと俺を誘惑しようとする。風呂に一緒に入ろうだとか、薄い寝衣で俺のベッドに潜り込んでくるとかだ。俺がフォルに手をだしたら王配にさせられかねない。フォルの王位継承権はまだ有効なのだ。だから街に入る時の身分証の確認などでは役人たちが大騒ぎする。フォルは第二王女として扱ってもらわなくても構わないので、その土地の領主などとは話さない。
「アンデミオン国を出るか」
「それは止めて下さい、それをやったらクライブさんを捕まえにお父様が来ます」
「やれやれ、フォルが飽きるまでだと思って受け入れたが、とんだお荷物だ」
「いいじゃないですか、アンデミオン国はこの辺では一番の大国です。いっぱい街がありますよ」
確かにアンデミオン国はこの辺りで一番の大国だ。他の国に行くには数か月旅をしなきゃならない。それくらい大きな国なのだ。街はそれこそいくらでもあった。俺はフォルを別れるまではアンデミオン国を出るつもりがなかった。それほどこの国は大きな国で街もいろいろあって楽しめそうだったからだ。それにこの国を出るならフォルを王宮に返す必要があった。でも今のフォルに王宮に帰るつもりは少しもなさそうだった。
「この肉のパイ美味しいですね、クライブ」
「ああ、この宿屋は当たりだ。フォル」
全くほっぺたに食べかすをつけて肉のパイをほおばっているのがこの国の第二王女だとはな。きっとここにいる誰も気がつかないだろう。そうして俺たちは日銭を稼ぐためにまた市場で俺の肌をさらしてタトゥーを彫って欲しがる客を探した。すぐに客は見つかって俺は『炎』や『水』のタトゥーを彫った。
「今日こそは夜這いをするのです、覚悟!! クライブ!!」
「そんな色気のないことを言われるとな、萎える」
「ええっ!! この色っぽい寝衣が駄目でしたか!?」
「いや、その寝衣は色っぽくて良いと思うぞ。でも堂々と夜這い宣言をされるとな」
「やっぱりこっそり忍び込むべきでした。勉強になります」
「またこっそり忍び込むつもりか、うっかり手をだしそうで嫌なんだよなぁ」
俺がそう言ったらフォルは大喜びしていた。うっかり手を出してくださいと言って抱き着いてきた。薄い寝衣のフォルは本当に色っぽかったから、俺はフォルを引きはがして一人で寝た。一人で寝たが、しばらくするとこっそりフォルが忍びこんできた。もうこいつ襲ってやろうか、俺は理性を総動員して眠ることした。その翌日のことだった。
「お願いです、貴方の弟子にしてください!!」
「ふぅ、フォル。火事なんかにならないように『慈雨』を使ってくれ」
「分かりました、『慈雨』」
「街道沿いに行っても今みたいなことがあるんだな」
「普通、街道沿いに行けば安全なんですよね」
「ああ、おかしいわけだ。この狼たちには首輪の跡がある」
「それじゃ、誰かが私達を襲わせたってことですか!?」
「その可能性が強いな、『疾風』を使って次の街まで行くぞ」
「はい、クライブにしっかり捕まっています!!」
俺はフォルをかかえて街道沿いを『疾風』で背に風を受けながら飛ぶように走った。そうしてどうにか次の街についた。俺は食事をして宿屋についたらすぐに眠ってしまった。夜中にフォルが俺のベッドに忍び込んでいたが気がつかなかった。さて翌日のことだ。
「フォル、男のベッドに忍び込むんじゃない。そうされてもフォルのことは襲わないぞ」
「何かの拍子に手を出しちゃったり、を期待しています」
フォルはなにかと俺を誘惑しようとする。風呂に一緒に入ろうだとか、薄い寝衣で俺のベッドに潜り込んでくるとかだ。俺がフォルに手をだしたら王配にさせられかねない。フォルの王位継承権はまだ有効なのだ。だから街に入る時の身分証の確認などでは役人たちが大騒ぎする。フォルは第二王女として扱ってもらわなくても構わないので、その土地の領主などとは話さない。
「アンデミオン国を出るか」
「それは止めて下さい、それをやったらクライブさんを捕まえにお父様が来ます」
「やれやれ、フォルが飽きるまでだと思って受け入れたが、とんだお荷物だ」
「いいじゃないですか、アンデミオン国はこの辺では一番の大国です。いっぱい街がありますよ」
確かにアンデミオン国はこの辺りで一番の大国だ。他の国に行くには数か月旅をしなきゃならない。それくらい大きな国なのだ。街はそれこそいくらでもあった。俺はフォルを別れるまではアンデミオン国を出るつもりがなかった。それほどこの国は大きな国で街もいろいろあって楽しめそうだったからだ。それにこの国を出るならフォルを王宮に返す必要があった。でも今のフォルに王宮に帰るつもりは少しもなさそうだった。
「この肉のパイ美味しいですね、クライブ」
「ああ、この宿屋は当たりだ。フォル」
全くほっぺたに食べかすをつけて肉のパイをほおばっているのがこの国の第二王女だとはな。きっとここにいる誰も気がつかないだろう。そうして俺たちは日銭を稼ぐためにまた市場で俺の肌をさらしてタトゥーを彫って欲しがる客を探した。すぐに客は見つかって俺は『炎』や『水』のタトゥーを彫った。
「今日こそは夜這いをするのです、覚悟!! クライブ!!」
「そんな色気のないことを言われるとな、萎える」
「ええっ!! この色っぽい寝衣が駄目でしたか!?」
「いや、その寝衣は色っぽくて良いと思うぞ。でも堂々と夜這い宣言をされるとな」
「やっぱりこっそり忍び込むべきでした。勉強になります」
「またこっそり忍び込むつもりか、うっかり手をだしそうで嫌なんだよなぁ」
俺がそう言ったらフォルは大喜びしていた。うっかり手を出してくださいと言って抱き着いてきた。薄い寝衣のフォルは本当に色っぽかったから、俺はフォルを引きはがして一人で寝た。一人で寝たが、しばらくするとこっそりフォルが忍びこんできた。もうこいつ襲ってやろうか、俺は理性を総動員して眠ることした。その翌日のことだった。
「お願いです、貴方の弟子にしてください!!」
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