タトゥーアーティスト

アキナヌカ

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17盗賊に襲われる

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 カフェスは領主の館を燃やそうとしたことで指名手配をかけられた。でもこの領地内だけだから領地の外に逃げられたら捕まえられなかった。俺は改めて領主から依頼されて『慈雨』と『干天』を彫った。彫っている間中、水の精霊がチカチカと輝き舞い踊った。そうして俺は相当な額の報酬を手に入れた。領主の館から帰りながら俺はフォルに話した。

「金貨千枚以上を頂いた。フォル、お前に『再生』と『治癒』のタトゥーを彫ろう」
「それはいいですね、『再生』と『治癒』があればクライブが怪我をした時に癒してあげられます」

「俺がそんなに簡単に怪我をするかよ、『再生』に必要な染料を買って帰ろう」
「はい、タトゥーを彫ってもらうのが楽しみです」

 俺は金貨千枚以上の報酬を手に入れたから、フォルの為に『再生』を彫るための染料を買った。そうして宿屋でフォルに『再生』と『治癒』を彫っていった。光や水その他にも沢山の精霊がチカチカと輝き舞い踊った。こうしてフォルは『再生』と『治癒』を手に入れた。フォルの肌にはまだまだ白いところがあるから、これからも有益なタトゥーがあったら彫ってやりたいと思った。

「これで私、『再生』と『治癒』が使えるんですね」
「ああ、でもむやみやたらに使うなよ」

「腕や足を失くした方に使ってあげたいですけど」
「十分な報酬が貰えるならそうしろ、そうじゃない時は諦めろ」

「どうしてです?」
「無料で『再生』や『治癒』を使うと、大勢の人間がおしかけてくるぞ」

 フォルは俺にそう言われて一応頷いていた。こいつは人間の欲の深さがまだ分かっていない。無料で『再生』と『治癒』を使ったりしたら、大勢の人間に捕まって魔力が尽きるまでこき使われかねない。それだけならまだいい、下手な領主に目をつけられたらフォルを捕まえようとするだろう。まぁ、フォルは第二王女だから領主も手は出せないだろうが。そうしてフォルにタトゥーを彫った翌日から、しばらく街で稼いでまた旅にでることにした。野宿に必要な物を用意する。

「また旅ですね、私こんなに旅が楽しいなんて知りませんでした」
「第二王女様は普通は旅なんてしないからな」

「そうですね、第二王女に戻ったら旅なんてできないですね」
「今のうちに旅を楽しんでおくといい」

 そうして俺たちは街道沿いに旅をしたいたら、途中でどうみても盗賊にしか見えない連中に出会った。

「うひゃっひゃっ、金と女を置いていきな」
「それはできない相談だな、『疾風』!! 『劫火』!!」
「私も手伝います!! 『業火』!!」

「なんて奴らだ、逃げろー!!」
「逃がすか、『疾風』!! 『迅雷』!!」
「火事にならないように『慈雨』」

 俺とフォルは『劫火』と『業火』で大勢の盗賊を焼き殺した。それで逃げ出した奴は俺が『疾風』と『迅雷』を使い雷で仕留めた。盗賊たちは皆、死体となって転がった。次の旅人には悪いが死体を始末するようなタトゥーはもっていない、俺達は死体をそのままにして次の街を目指した。そうして次の街に入ったら、いつおどおり風呂付の高い宿屋に泊まった。風呂は良い、俺は大いに満喫した。フォルも風呂に入れて嬉しそうにしていた。街の連中はこんな噂話をしていた。

「バンクス盗賊団が焼け死んだってよ」
「あのバンクス盗賊団がか!?」
「やったのは誰なんだ?」
「誰でもいいさ、これで物流がもどってくる」
「あの盗賊団は本当に邪魔だった」

 どうやらバンクス盗賊団というのが全滅したらしい、でも俺とフォルは知らん顔をしていた。確かに俺たちは盗賊をやっつけたが、それがバンクス盗賊団だったかどうかは分からないからだ。

「ふぅ~、お風呂にも入れて幸せですね」
「そうだな、こんな日の夜は俺は理性との闘いだ」

「あっ、私から良い匂いがするからですか?」
「そうだよ、良い匂いがして柔らかい体がくっついてくるんだ。俺は理性を総動員しなきゃならない」

「襲ってくれてもいいのに」
「そうだな、そのうちにな。襲ってしまうかもしれんな」

 俺の返事にフォルは大喜びしていた。そうしてその夜も一緒に寝たが、良い匂いのする体をすり寄せてくるから困った。こいつもう抱いてやろうかと思ったくらいだ。
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