最凶の忍者になってみたい

アキナヌカ

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15足りないもの

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「なんや、こんど文化祭があるらしいな。えみかちゃん」
「ああ、このクラスも何かしなければならない」

「文化祭ゆうたら模擬店や演劇やダンスやろか」
「私は演劇は嫌だ、誰かを演じるなんてできない」

 僕らクラスメートはよく話し合った末にメイド喫茶をやることにした。僕はやったえみかちゃんのメイド姿が見られると期待した。そうしたら男女問わず全員参加ということで、僕もメイド服を着ることになった。僕は文化祭当日に休んだろかと思た。時間ちゅうのは無情なものであっという間に文化祭当日になった。いやいや僕はメイド服を着た。えみかちゃんが携帯で写真撮っとった。僕もメイド服を着て可愛いえみかちゃんを携帯で写真を撮った。

「ようこそ、いらっしゃいませ」

 クラスの女性陣は楽しそうに接客してた、反面の男性陣は喫茶店に出すお菓子やパフェなどを作っていた。僕もパフェを作ってえみかちゃんに渡した。メイド姿のえみかちゃんはめっちゃ可愛かった。それでお尻なんかを触ろうとする馬鹿がおったから、僕はその手を払い落した。メイド服なんかで表に出たくなかったけど、こういう馬鹿がいるので仕方なかった。クラスの女の子達には感謝された。隙をみてセクハラをしようとする馬鹿は少なくなかった。

「もう男は立ち入り禁止にしたろか」
「馬鹿は忍が追い払ってくれるから大丈夫だ」

「クナイで手に穴あけたろか」
「それはやめておけ、さすがに可哀そうだ」

 なんとかクラスのメイド喫茶は終わった、僕とえみかちゃんはメイド服を脱いで他のクラスを見に行った。お化け屋敷とかしとるとこがあって、中にはいってお化けをからかって遊んだ。たこ焼きとか売っとるクラスもあった、僕とえみかちゃんは買って食べた。なかなか美味しかった。映画を上映しているクラスもあって、アニメ映画やったから見に行った。主人公の恋人が死ぬ当たりで僕は泣けた。正確に言ったらその女の子は機械やったから、破壊されたといったほうがいい。でもとにかく健気で主人公の為に役に立とうとしとるその子が死ぬとこは泣けた。えみかちゃんはハンカチを貸してくれた。僕はそれで涙を拭いた。

「忍はダンジョンに行っても死ぬなよ」
「あかん、えみかちゃん。それフラグちゅうやつや」

「? とにかく忍は死ぬな」
「まぁ、精一杯死なんように努力するわ」

 それからもあちこち見て文化祭は終わった、僕は映画の余韻にひたっとった。ええ映画やった、主人公の恋人は死んでしもたけど、主人公はちゃんと恋人の死を無駄にせず世界を救った。でも僕やったらえみかちゃんが死ぬくらいなら世界が滅んだほうが良かった。いろいろ考えさせられる映画やった。そうして文化祭が終わってしまうと期末テストが待っとった。僕らはめっちゃ勉強した。追試は受けたくなかったからや。僕もえみかちゃんも平均以上の成績を出して追試を免れた。試験が終わって土日だったし、ダンジョンへ行くことにした。

「今度はどんなダンジョンやろ、もうスライムは嫌や」
「そうだな、スライムのダンジョンだけはごめんだな」

 今度のダンジョンはミニドラゴンみたいなのがおった。翼と牙があって火球を吐いて飛ばしてきた。僕らはそれを上手く避けて、僕は風の刃でミニドラゴンを切り刻んだ。えみかちゃんはいつもどおり日本刀でバラバラにしていた。ミニドラゴンは大型犬くらいのサイズやったけど、ボスのドラゴンはでかかった。校舎の二階分くらいの大きさがあって翼があるんで飛びよった。おかげで地上に下りてきた時くらいしか攻撃のチャンスがなかった。おまけにブレスを吐きよるから僕とえみかちゃんは『防御魔法』で耐えた。そうしてブレスを吐き終わった瞬間を狙って僕は『跳躍』してドラゴンの頭に刀を突き立てた。脳を刀はかき回したみたいでドラゴンは死んだ。あとにはデカい魔石が落ちとった。そうして僕とえみかちゃんはハンターギルドにもどってミニドラゴンの魔石とドラゴンの魔石を換金した。

「五千万ですな」
「ええ!? 五千万もするんかい!!」
「確かに凄いな、ちなみに内訳は?」

「ドラゴンの魔石が四千五百万。ミニドラゴンの魔石が五百万ですな」
「はぁ、ドラゴンの魔石って高いんやなぁ」
「滅多にでてこないのと、倒せる者が少ないからな」

 僕とえみかちゃんは二千五百万ずつもろた。僕はすぐに貯金した。えみかちゃんもそうしていた。久しぶりの大金に驚いた、僕らは昼食を食べに近くの定食屋に入った。僕は豚カツ定食を、えみかちゃんはほっけの定食を頼んでいた。

「こんな大金持ってると思うと怖なんな」
「普通の高校生がもつ金額じゃないからな、でもこれで結婚資金ができた」

「えみかちゃん、十八歳になったら結婚しよな。約束やで」
「ああ、楽しみにしている。約束だ」

 昼食の後は再びダンジョンに入った、ワイバーンのダンジョンで相手は飛んどるから厄介やった。ワイバーンが僕らを狙って降りてきた時に攻撃したけれど、なかなか倒せなかった。その時やった、僕はうっかり崖から落ちてしもた。下は川で僕は激しい水流に流された。水遁の術で水の中で呼吸できなかったら死んでいた。僕がおらん間にえみかちゃんが無茶せんことを流されながら願っとった。だいぶ下流に流されてやっと僕は岸にあがった。そうしてすぐに『透視』『遠視』でえみかちゃんの様子を見た。えみかちゃんは自分を狙って降下してくるワイバーン相手に戦っていた。僕はすぐに『瞬間移動』でえみかちゃんの傍に戻った。

「忍!! 良かった!!」
「あれくらいで僕は死なへんで!!」

 そうして今度は崖から落とされないように慎重に戦った。僕はかまいたちでワイバーンを切り刻んだ。そうしてワイバーンの死体が積み上がっていった。ボスは一際大きなワイバーンやった。なかなか降りてこなくて殺すことができひんかった。ようやっと降りてきたと思ったら僕に噛みついてきた、この間買っておいた刃も牙も通さない服が役に立った。えみかちゃんはその隙にでかいワイバーンの首を日本刀で切り落とした。散々苦労したダンジョンやったのに、ワイバーンの魔石は二百万やった。

「僕、死にかけたのに百万かいな。割にあわへんな」
「忍はもう崖から落ちたりしないでくれ」

「うん、そうやな。下手したら死んどったからな」
「忍が死んだら、私も死ぬからな」

 えみかちゃんはずっと心配していたのだろう泣きそうだった。だから皆のいないとこでえみかちゃんを抱きしめて慰めた。僕が死んだらえみかちゃんも死ぬ、それやったら絶対死ねへんで。もう夜やからえみかちゃんを家まで送っていった、その間もずっと僕らは手を繋いどった。その手を放したら相手が消えてしまうような気がした。だからずっと手を繋いだままえみかちゃんの家まで帰った。そうしてえみかちゃんの家についたら手を放した。なんだかとても寂しい気持ちになった。また明日といってえみかちゃんは家に入った。僕もまた明日と言って僕の家に帰ることにした。『瞬間移動』で帰っても良かったけどなんか歩きたい気分やったから歩いて帰った。

「僕は死んだらあかん、えみかちゃんを死なせないために」

 僕はえみかちゃんに心配かけないようにもっと強くなろうと思た。最凶の忍者はこのくらいでは死なないのだ。強くなるためにはなんのスキルがいるやろ、僕は考え続けた。だが答えはでなかったので明日に備えて夕飯を食べて風呂入って寝ることにした。僕に足りないものってなんやろと思いながら眠りに落ちた。
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