上 下
2 / 2
第一章 己の正義

第一幕 出会い

しおりを挟む
「ま、まってください!」
私はその人に向かって言った。
「なんだ」
「私はアルテイシア、あなたを探していた人です」
「・・・・・」
人は黙って去ろうとする。
私はその人の足をつかんだ。
「なにをする、人間風情が」
「ようやく、見つけた。私の姉さまが言っていた人に」
私は必至に人の足をつかんでいた。
「姉さま?貴様、誰と勘違いしている。人探しなら別のところで探すんだな」
そういって足で私の手を蹴飛ばそうとするので、必死に抵抗した。
「しつこい女だ、貴様死にたいのか?」
そう聞かれたが、私はこう答えた。
「私はジャンヌの双子の片割れのアルテイシア。ジャンヌにお願いされてあなたを救いに来たの‼」
人は一瞬動揺していた。
「貴様、何と言った?」
「だから、あなたを救いに」
「我に救いなどない、あるのは怒りと悲しみだけだ」
そういって強引に私の手を振りほどいて、立ち去ろうとする時だった。
小柄な瓶を投げたので、私はそれをとった。
「こ、これは?」
「秘薬だ、それを飲んで今すぐここから離れるんだな。これ以上我に近づこうとするなら、次はない」
そういって、人はゲートの中に消えてしまった。
(あの人がクロノスなら、あの国も近いってことだよね?それと領域って言ってた)
私は、人からもらった秘薬を飲む。
秘薬の効果で足が治ったことを確認して、前に進んだ。

シュバリエ王国にて
「クソッ!」
一人の鎧を着た男が怒りに支配されていた。
「騎士団長、落ち着いてください!」
「落ち着いていられるか、馬鹿者!」
そういって騎士団長らしき人物がコップを投げた。
ぶつかった衝撃でコップが割れた。
「我が騎士二人が魔王に倒されただと、国王が知ったら我々の失態がばれてしまう」
「い、今、あの報告がありましたが。罪人も逃がしたとの報告が」
騎士たちの罵声が飛びあう中で、別室では。
「報告、ご苦労だったな。もうよい下がるがいい」
「は、」
そういって、一人の男が出た後に王子は言った。
「クロノス、いったい何をもくろんでいるんだ」
王子は嘆くようにつぶやいた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

花雨
2021.07.25 花雨

とても読みやすくて続きが気になります(^^) ファンタジーものでこのサイトで見た中でも一番読みやすいと思いました。
続きが気になったのでお気に入り登録させてもらいました(^o^)
良かったら私の作品も観てくださいね(^^)/

解除

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。