異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

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第四章 世界の工場

テレビを見られるようにしよう!

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「この子はまたこんな無駄遣むだづかいいしちゃって」


 汲広くみひろの母、岡塚おかつか朋子ともこ汲広くみひろしかりつける。


「僕が稼いだお金だし、たまの贅沢… いいだろう?」


 アカツキ伯爵と言われてがる日はあれど、朋子ともこはそんな姿、ほとんど見ていない。

 仕事をしている姿も見ていないのである。

 朋子ともこにとって、汲広くみひろは、高校を卒業したばかりのまだ子供なのであった。


「こんなの持ち込まれたらジャマジャマ。早く片付けてちょうだい」


 汲広くみひろはこの前買って、実家に届いたテレビとテレビ台とBDレコーダを土のう袋の能力に入れ、


「また、帰って来るよ」

「いつだって、帰って来るのは突然なんだから…」


 高校2年のとき、突如とつじょ厄介やっかいごとに巻き込まれ、汲広くみひろの将来は変わってしまった。

 本当なら大学も行かせてやりたかった。

 だがどうだろう?

 大学にやらなかったのに、大学を通りして何やら学会の方でたのまれごとやら色々なお世話をしているそうな。

 あの日から、本当に変わってしまった。



 汲広くみひろはアカツキ邸へ帰ると、まずはテレビを置く場所を決めた。

 アントネラに言って、アントネラもテレビの置き場所を決める。次はラジオの置き場所だ。


「ラジオって、もっと小さなものじゃなかったっけ?」

「これは、ラジオって言っても、短波ラジオも聴けるし、アマチュア無線だって聞ける。地域によっちゃぁ航空無線だって聞けちゃうんだぜ。警察とか消防は電波形式変わっちゃったから聞けないけどね」

「とにかくすごいラジオなのね。汲広くみひろの知識で使えるんだよね」

「あぁ、僕の知識で使えるよ」


 そう言うと、その、ちょっと大きめのラジオの置き場所も決めた。あとは配線だ。


「インターネット使うときにLANケーブルを通した掃き出し窓の能力の穴を通して…」


 配線を汲広くみひろ宅まで通し、コネクターにし、分配器をませ、アカツキ邸の汲広くみひろの部屋まで伸ばしてもう一度分配し、汲広くみひろのBDレコーダにし、BDレコーダから今度はテレビに挿した。

 ラジオの受信機も、同じ手順で配線を通した。

 これで、日本のテレビが見られるし、ラジオも聞ける。時差が12時間あるので、HDD内蔵のBDレコーダは必須ひっすだ。


「ケーブルが余ったな。まぁ、アカツキ伯爵のところでも使うだろうから大丈夫か」


 そうして配線を済ませると、テレビを付けるわけでもなく、汲広くみひろは神代魔法の中級編の読解に入るのであった。



 最初から読む手を止め、目次に目を走らせると、人も含めた動物の魂に語りかけるものがあったり、無機物に語りかけるものがあったり、で、それぞれ言語が異なる。

 やっと精霊に語りかける術を覚えたのに、これから他のものに語りかける言語を1からやり直しかぁ。

 汲広くみひろはその膨大ぼうだいな量に気圧けおされながら、また、続きを読み解き始めるのであった。



 折角せっかく時間もあることだし、日本で人員の募集をかけることにした。

 農業の専門家で、麦、野菜、果物に強い人、それぞれ1名だ。

 アカツキ領の農家を見てもらって、収穫高しゅうかくだかを上げたい。

 品質の良いものを収穫しゅうかくしたい。



 いざ、募集をかけてみると、農業の専門家だけではなく、冶金やきんの専門家だったり、鍛冶かじの専門家だったり、鋳物師いもじの専門家だったりも応募してきた。

 そちらも見てもらうのもいいだろう。

 そうして、汲広くみひろとアントネラが面接官をして、農業の専門家3人に、冶金やきんの専門家1人、鍛冶かじの専門家1人、鋳物師いもじの専門家を1人を雇うことにした。



 専門家、6人を雇ったが、今からしてもらうのはまずは言葉が通じなければ何もならない。

 そこで、サーメイヤ語の勉強をしてもらうことにした。

 他の仕事の合間をって、汲広くみひろ、アントネラ、両方が手がふさがっているときは従者の誰かがサーメイヤ語を教えていった。

 みな、物覚えが良いので助かった。

 こうしてコツコツと言葉を覚えてもらい、活動してもらえる日に備えるのであった。



 サーメイヤ語の勉強をしてもらっている間、アカツキ領主邸に泊まってもらっている。

 食事も一緒にってもらっている。

 食事は歓談かんだんしながら。

 また、アカツキ領主邸の食堂はにぎやかになった。



 汲広くみひろは寝支度を整えると、また、神代魔法の中級編の読解に入る。

 いつまでこんな生活が続くだろうか?

 一時は仕事に忙殺ぼうさつされた日々を送っていた。

 それがまた、勉強に集中する時間ができるとは思ってもみなかった。

 将来のため、汲広くみひろは勉強するのであった。
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