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2話:
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2話を1人称にして?私が主語なら私にする。チャットで回答。
その日から数日が経過し、どうすればよいか解決策にろくなものが浮かばず、午後になった。
まさかブリジット第一王女が結婚間近で人の夫と不倫してしまうなど、想定外も良いところだ。
「密告しても、誰かにばらしても、私が巻き添えを食ってしまう……裏から手を回して不倫をやめさせても遅いわ」
第一王女の結婚式は一ヶ月後だ。
このタイミングでわざわざ不倫関係に付き合ったということはマリッジブルーになっているのか、不本意な結婚だったのか、理由はいろいろ考えられる。
できれば他の夫と不倫してほしかった。が、それもかなわない。
不倫を続けることが不味いのではなく、軍事大国ソドルに嫁ぐ女性が処女を失っていることが大きな問題だ。
「せめてキスぐらいにしておきなさいよ。自分の立場がわかっておられないのかしら。自分の国を危険にさらしてどうするの!」
私は自室を出て屋敷を歩き回りながら、初夜を断られた日のことを思い返した。
「そもそもなぜ、すでに結婚している私が処女で、未婚の王女様が非処女なの?」
気付くと庭先をぐるぐると歩いていた。
庭先にはきれいな花が咲いており、庭園の管理はしっかりしていた。芝生も整えられて、歩きやすい底面へと姿かたちを変えている。しかし、私の目にそれらは写っていなかった。きれいな虹がかかり、見るものが見れば目を奪われる美しい光景にも視線は移らない。人は物事を深く考えていると意識していてもそれを見ることができないという特殊な知覚構造をしている。脳がそれを見ても刺激が反応せずに素通りするというものである。
同じことを考えながら、思わず口に出して考えをまとめる。
そうでもしないと、心の中の何かが爆発してしまいそうになるためだ。
この急激なストレスをこうして無意識に解消するのだった。
彼女はそのとき、周りを余り気にしていなかったと言うか、意識になかった。そのため、人がいることに気づけなかった。
「その話は本当ですか?」
そう聞き返されて咄嗟に返事をしてしまう。
「当たり前です。私はまだ処女ですよ、ええ、まったくもって。え、誰?」
私が顔を地面への視線から上に上げると、そこには黒い高級スーツのような礼服を着た男性がいた。茶色い髪に少し癖があり、メガネを掛けていて、顔立ちは整っていた。笑顔は素敵というよりも少し不気味である。
この服装で普段からいるということは、国に仕えている人間だ。
どおりで顔を見ても何を考えているのかわかりにくいポーカーフェースだとわかる。
「なるほど、それは困りましたね……」
次に発した言葉がそれだった。まるで困っている様子のない、口だけの言葉である。というよりも私にわざと聞かせるための言葉にも聞こえた。
「あ、あのどこから聞いてと言うか、何が『本当』かって話ですけど……」
私は慌てて、手を変なふうに動かしてパントマイムをしてしまう。それほど他者に聞かれると不味いことだった。
「ああ、それなら全部聞いてました。王女様にも困ったものです」
そんな……。これってかなり立場が危うくなるかもしれいない。
「全部って……不倫していることとかも?」
「はい、理路整然と、端的に、まるで人に伝えるためのように、言葉を整理していましたね」
それも当然のことだ。自分で整理するために、落ち着くためにそうしていたのだから。
とはいえ、それを聞いていて冷静なのは逆にびっくりだ。普通、国に仕えるものならば、大スキャンダルとして目玉が飛び出るほど驚く。冷静すぎるのは逆に不気味だ。
即座に王に伝えると言い出さないほうが不自然なくらいである。
「は、はあ……」
「そして、奥方が処女とーー」
「わっ、わわーー」
慌ててスール姿の男の口を両手で塞いだ。
そこもしっかり聞いていたらしい。
遠くにいた庭師がその大声で逆に私たちのほうを向いた。
嫁いで結構な時間が経っているにもかかわらず、妻が未だに処女で、夫が抱いてくれないなど、周囲には聞かせられない。噂だもされるようになった日には、家の中が地獄になる。
私が妻でありながら処女であるなど、この際大したことではないはずだ。わざわざ掘り返さなくてもよいだろう。
「では、一つ提案なのですが、私があなたと夫を離縁して差し上げましょうか?」
その日から数日が経過し、どうすればよいか解決策にろくなものが浮かばず、午後になった。
まさかブリジット第一王女が結婚間近で人の夫と不倫してしまうなど、想定外も良いところだ。
「密告しても、誰かにばらしても、私が巻き添えを食ってしまう……裏から手を回して不倫をやめさせても遅いわ」
第一王女の結婚式は一ヶ月後だ。
このタイミングでわざわざ不倫関係に付き合ったということはマリッジブルーになっているのか、不本意な結婚だったのか、理由はいろいろ考えられる。
できれば他の夫と不倫してほしかった。が、それもかなわない。
不倫を続けることが不味いのではなく、軍事大国ソドルに嫁ぐ女性が処女を失っていることが大きな問題だ。
「せめてキスぐらいにしておきなさいよ。自分の立場がわかっておられないのかしら。自分の国を危険にさらしてどうするの!」
私は自室を出て屋敷を歩き回りながら、初夜を断られた日のことを思い返した。
「そもそもなぜ、すでに結婚している私が処女で、未婚の王女様が非処女なの?」
気付くと庭先をぐるぐると歩いていた。
庭先にはきれいな花が咲いており、庭園の管理はしっかりしていた。芝生も整えられて、歩きやすい底面へと姿かたちを変えている。しかし、私の目にそれらは写っていなかった。きれいな虹がかかり、見るものが見れば目を奪われる美しい光景にも視線は移らない。人は物事を深く考えていると意識していてもそれを見ることができないという特殊な知覚構造をしている。脳がそれを見ても刺激が反応せずに素通りするというものである。
同じことを考えながら、思わず口に出して考えをまとめる。
そうでもしないと、心の中の何かが爆発してしまいそうになるためだ。
この急激なストレスをこうして無意識に解消するのだった。
彼女はそのとき、周りを余り気にしていなかったと言うか、意識になかった。そのため、人がいることに気づけなかった。
「その話は本当ですか?」
そう聞き返されて咄嗟に返事をしてしまう。
「当たり前です。私はまだ処女ですよ、ええ、まったくもって。え、誰?」
私が顔を地面への視線から上に上げると、そこには黒い高級スーツのような礼服を着た男性がいた。茶色い髪に少し癖があり、メガネを掛けていて、顔立ちは整っていた。笑顔は素敵というよりも少し不気味である。
この服装で普段からいるということは、国に仕えている人間だ。
どおりで顔を見ても何を考えているのかわかりにくいポーカーフェースだとわかる。
「なるほど、それは困りましたね……」
次に発した言葉がそれだった。まるで困っている様子のない、口だけの言葉である。というよりも私にわざと聞かせるための言葉にも聞こえた。
「あ、あのどこから聞いてと言うか、何が『本当』かって話ですけど……」
私は慌てて、手を変なふうに動かしてパントマイムをしてしまう。それほど他者に聞かれると不味いことだった。
「ああ、それなら全部聞いてました。王女様にも困ったものです」
そんな……。これってかなり立場が危うくなるかもしれいない。
「全部って……不倫していることとかも?」
「はい、理路整然と、端的に、まるで人に伝えるためのように、言葉を整理していましたね」
それも当然のことだ。自分で整理するために、落ち着くためにそうしていたのだから。
とはいえ、それを聞いていて冷静なのは逆にびっくりだ。普通、国に仕えるものならば、大スキャンダルとして目玉が飛び出るほど驚く。冷静すぎるのは逆に不気味だ。
即座に王に伝えると言い出さないほうが不自然なくらいである。
「は、はあ……」
「そして、奥方が処女とーー」
「わっ、わわーー」
慌ててスール姿の男の口を両手で塞いだ。
そこもしっかり聞いていたらしい。
遠くにいた庭師がその大声で逆に私たちのほうを向いた。
嫁いで結構な時間が経っているにもかかわらず、妻が未だに処女で、夫が抱いてくれないなど、周囲には聞かせられない。噂だもされるようになった日には、家の中が地獄になる。
私が妻でありながら処女であるなど、この際大したことではないはずだ。わざわざ掘り返さなくてもよいだろう。
「では、一つ提案なのですが、私があなたと夫を離縁して差し上げましょうか?」
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