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6話:
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生活については特に不自由さは今のところ見当たらなかった。
部屋というか用意された屋敷はとても大きく、一国の王女とはいえ、男尊女卑の強い国柄の対応としては大げさだ。
複数の妻たちのいる部屋に押し込められることも十分に考えられた。
今日は謁見式があり、そこでの振る舞いもしっかりしなければならない。
王女っぽい可憐さを際立たせるドレスを身にまとって、礼儀作法の練習をする。
外国の偉い王族を相手にした経験はほとんどなく他国の王族ともなれば、ぶっつけ本番になることだけが不安だった。
真上に日が昇る前に、謁見の時間がやってきた。
扉が開いて、赤い絨毯の上を歩くと、壇上の上には国王がおり、その周囲を側近と息子娘たち王子・王女が並んでいた。
私の結婚相手のスタルクもいた。
王子たちの中でも一番体つきがしっかりしているのがわかる。
スタルクの兄弟は全部で四人。
その全員が細身で、いかにも王子様といった容姿だ。
四分の一の確立であのスタルクを引き当てた王女・ブリジット様というのもある意味で運がないのかもしれない。
「貴殿がブリジット王女か?」
「はい、そうにございます」
「ふん、なかなかに気が強そうな女子だ」
「……お褒めに預かり光栄ですわ」
あれ? 私って別に気は強くないのだけど、と心のなかで腕を組む私は渋い顔をするのを国王の前でどうにか隠す。
むしろ王国内では割と控えめな性格とさえ言われた。文句を言わないから公爵家の結婚も了承したのだけど。今の私は気が強そうに見えるのかしら。
「肝が座っているな」
という評価まで受けてしまった。第一印象はよくなさそうだ。
軍事大国ソドルでは、女性はとにかく目立たず控えめにしていないといけないはず。「気が強そう」といわれたのは、今後注意をしろという警告の意味だ。それに褒められていると返したら、そういわれるに決まっていた。
受け答えに失敗したようだ。
でもあの王子の態度なら、そこまで関心もないから、王女ブリジット(偽)は放置されるだけになるはず。
そこから受け答えを何度かして、無難にその場をやり過ごした。
部屋に戻って着替えを終えると、扉を叩く音がした。
「はい?」
「いま大丈夫かな?」
「そうですけど、どなたでしょうか?」
「僕は第二王子のルドルフェン。よろしく」
扉を開けると細身の王子様が出てきた。女性に対しても人当たりがよく紳士的。まさに私がイメージする王子である。
「よろしくお願いいたします」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。僕の姉になるんだから」
スタルクは第一王子だから、続柄的にはたしかに姉だ。
でもここは女性にそういう態度を取るような国ではないはず。
「疑問かい? 他の王子や男性と話す時は気をつけたほうがいいよ。女性はあまり大事に扱われない」
「あ、やっぱりそうですよね……」
「何かあれば僕が対応するからいつでも話してくれ」
ああ、本当になんで彼でなく、スタルク王子に嫁いでしまったんだろうと思わざるをなかった。
「ありがとうございます」
ただの挨拶だったようで、すぐに出ていってしまった。
目が少しだけうるっとした。
久しぶりに男性に大事にされた気分だ。
「……交換できないかしら? いえ、それじゃあ元夫と同じだわ。不倫はするつもりないもの」
もし、今度こそ不倫が発覚すれば、逃げ場はなくなる。
この国では、男性の王子の責任ではなく、女性の私の責任にされるからだ。
部屋というか用意された屋敷はとても大きく、一国の王女とはいえ、男尊女卑の強い国柄の対応としては大げさだ。
複数の妻たちのいる部屋に押し込められることも十分に考えられた。
今日は謁見式があり、そこでの振る舞いもしっかりしなければならない。
王女っぽい可憐さを際立たせるドレスを身にまとって、礼儀作法の練習をする。
外国の偉い王族を相手にした経験はほとんどなく他国の王族ともなれば、ぶっつけ本番になることだけが不安だった。
真上に日が昇る前に、謁見の時間がやってきた。
扉が開いて、赤い絨毯の上を歩くと、壇上の上には国王がおり、その周囲を側近と息子娘たち王子・王女が並んでいた。
私の結婚相手のスタルクもいた。
王子たちの中でも一番体つきがしっかりしているのがわかる。
スタルクの兄弟は全部で四人。
その全員が細身で、いかにも王子様といった容姿だ。
四分の一の確立であのスタルクを引き当てた王女・ブリジット様というのもある意味で運がないのかもしれない。
「貴殿がブリジット王女か?」
「はい、そうにございます」
「ふん、なかなかに気が強そうな女子だ」
「……お褒めに預かり光栄ですわ」
あれ? 私って別に気は強くないのだけど、と心のなかで腕を組む私は渋い顔をするのを国王の前でどうにか隠す。
むしろ王国内では割と控えめな性格とさえ言われた。文句を言わないから公爵家の結婚も了承したのだけど。今の私は気が強そうに見えるのかしら。
「肝が座っているな」
という評価まで受けてしまった。第一印象はよくなさそうだ。
軍事大国ソドルでは、女性はとにかく目立たず控えめにしていないといけないはず。「気が強そう」といわれたのは、今後注意をしろという警告の意味だ。それに褒められていると返したら、そういわれるに決まっていた。
受け答えに失敗したようだ。
でもあの王子の態度なら、そこまで関心もないから、王女ブリジット(偽)は放置されるだけになるはず。
そこから受け答えを何度かして、無難にその場をやり過ごした。
部屋に戻って着替えを終えると、扉を叩く音がした。
「はい?」
「いま大丈夫かな?」
「そうですけど、どなたでしょうか?」
「僕は第二王子のルドルフェン。よろしく」
扉を開けると細身の王子様が出てきた。女性に対しても人当たりがよく紳士的。まさに私がイメージする王子である。
「よろしくお願いいたします」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。僕の姉になるんだから」
スタルクは第一王子だから、続柄的にはたしかに姉だ。
でもここは女性にそういう態度を取るような国ではないはず。
「疑問かい? 他の王子や男性と話す時は気をつけたほうがいいよ。女性はあまり大事に扱われない」
「あ、やっぱりそうですよね……」
「何かあれば僕が対応するからいつでも話してくれ」
ああ、本当になんで彼でなく、スタルク王子に嫁いでしまったんだろうと思わざるをなかった。
「ありがとうございます」
ただの挨拶だったようで、すぐに出ていってしまった。
目が少しだけうるっとした。
久しぶりに男性に大事にされた気分だ。
「……交換できないかしら? いえ、それじゃあ元夫と同じだわ。不倫はするつもりないもの」
もし、今度こそ不倫が発覚すれば、逃げ場はなくなる。
この国では、男性の王子の責任ではなく、女性の私の責任にされるからだ。
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