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1章 救世のユミル
12話 魔導士学校の授業システム
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魔導学校の授業システムは、学年の時期ごとに決められた必修科目以外は、各自自分の好む時間割を組み立てることができる特殊な点が有名だ。
受ける授業の数は基本的に自由に決めることができ、生徒の裁量に任されてはいるが、進級に必要な単位が足りなければ、半永久的に同じ学年をグルグルと繰り返すことになる。
必修科目は、基本的に毎日午前中に実技と座学の両方が行われ、月に一度、生徒の成長進度を把握するための試験が行われるが、自由履修科目は、同じ授業を数日続けて受講し、習熟度が一定に達したと教員に認めてもらってから単位を受け取るシステムだ。
午後の授業前になったユミルは、今日はどんな授業に参加しようか、と授業表掲示板を見に中央階段前へ行った。
今月実施されている授業の中で、一年生でも受講可能なのは以下の通り。
『魔法史部門』
① 魔法戦争史:大戦で使用された魔法と、その後に残った爪痕について。
② 魔法事故年表:過去の魔法事故を時系列順に追い、その原因を分析する。
③ 魔法史のもしも研究:”あの大魔法がもし失敗していたら?”という仮定を立てて考察する。
④ 魔法と社会構造:魔法の発展によって変化した、政治・経済・身分制度。
『初級座学部門』
① 各元素魔法基本講座:初心者向け基本魔法指導。
② 魔力節約術:少ない魔力で最大効果をもたらすための理論。
③ 呪文失敗学基礎:なぜ魔法行使が失敗するのか、歴史的な失敗事例から学ぶ。
④ 飛行術(座学):実技授業前必修。天候と気流を読む方法。
⑤ 魔法倫理討論:具体的な状況を想定した上で、様々な立場にわかれて議論する。
⑥ 古代語読解基礎:古代語の解読方法、発音の基本を学ぶ。
『特殊範囲座学部門』
① 回復魔法と栄養学:魔法の欠点を補う、食事の回復力。
② 魔法犯罪心理学:道を踏み外した魔導士の分析考察。
③ 夢魔法研究:夢に干渉する危険性と倫理、構造について。
④ 召喚生物マナー講座:召喚された側の気持ちを考え、失敗を減少させる。
『基礎実習科目部門』
① 魔力測定と自己分析:自分の得意属性、不得意属性を数値化。
② 呪いの解除実習A:軽度の呪いを実際にかけて解除する。
③ 魔導具演習:魔導具の仕組みを理解し、分解・再構築を行う。
④ 音楽と魔法共鳴:楽器や歌声による魔法効果増幅の関係性を実践。
『特別実習科目部門』
① 対人魔法防御:決闘や日常トラブルで、的確に身を守る技術。
② 魔法事故対応訓練:魔力暴走、魔法の失敗が起きた時の初動対応。
③ 対魔法交渉戦術:敵対者と戦わずに、魔法の使用を阻害する会話術。
といった感じだ。
この学園の授業内容は、流石500年後の未来というべきか、時代を感じる斬新な切り口の内容もあって、非常に興味深く面白そうなものが多い。
ワクワクと探究心に駆られる衝動をおさえ、なんとかひとつに絞ろうと慎重に吟味する。
(…基本的に、魔法は戦いと日常生活に役立つか、という面でしか研究してこなかったからなぁ。…この時代特有の新しい見方とか面白いし、全部の授業を体験してみたいところだけど)
非常に悩みどころだが、ユミルはとりあえず『呪いの解除実習A』を選択する。
500年前は、魔導士と呪術師は明確に認識として分かれており、複雑な魔法陣や形式化された呪文、または魔工具師によって作られた、簡易魔導具によって魔法を行使するのが魔導士であり、呪術師は特殊な祝詞や生け贄を使って、堕ちた精霊を媒介として強力な呪いをかけるのが一般的だった。そのため、呪いの解除も魔導士の分野ではなく、神聖力を有する神官や、精霊の力で浄化能力を身につけた精霊使いが担当していたのだ。
もちろん、以前の魔導士団メンバーの中にも、神官職であるシモンと聖騎士であるニーアに加えて、精霊使いのルキウスもいたため、ユミルが呪いの解除について触れる状況は回ってこなかったのだ。
ならば、きちんと体験したいというのが、魔導士である以前に研究者でもあるユミルの大本音。
現在はどうやら、呪術師の存在が魔導士に統合されているらしく、呪術をかけるのも、解くことができるのも魔導士だ、という認識に変化している。
ならば、呪術の形態や仕組みそのものも変化しているのだろうか、という興味に加えて、昔は問題になっていたはずの、堕ちた精霊と接触する上で生まれる、魔力波長の変質や悪影響といった問題は、どう解決しているのだろうかという疑問も湧いてくる。
今の時点ですでに、学園生活は非常に有意義なものとなっているが、おそらく卒業する年になっても飽きていないだろうな、と笑みを浮かべた。
あの頃よりも平和で、たくさんのものに恵まれて成長したこの世界が、なんとも楽しい二度目の人生をプレゼントしてくれたものだ。
ユミルは、弾む足で呪いの解除実習が行われる教室へと歩いていった。
受ける授業の数は基本的に自由に決めることができ、生徒の裁量に任されてはいるが、進級に必要な単位が足りなければ、半永久的に同じ学年をグルグルと繰り返すことになる。
必修科目は、基本的に毎日午前中に実技と座学の両方が行われ、月に一度、生徒の成長進度を把握するための試験が行われるが、自由履修科目は、同じ授業を数日続けて受講し、習熟度が一定に達したと教員に認めてもらってから単位を受け取るシステムだ。
午後の授業前になったユミルは、今日はどんな授業に参加しようか、と授業表掲示板を見に中央階段前へ行った。
今月実施されている授業の中で、一年生でも受講可能なのは以下の通り。
『魔法史部門』
① 魔法戦争史:大戦で使用された魔法と、その後に残った爪痕について。
② 魔法事故年表:過去の魔法事故を時系列順に追い、その原因を分析する。
③ 魔法史のもしも研究:”あの大魔法がもし失敗していたら?”という仮定を立てて考察する。
④ 魔法と社会構造:魔法の発展によって変化した、政治・経済・身分制度。
『初級座学部門』
① 各元素魔法基本講座:初心者向け基本魔法指導。
② 魔力節約術:少ない魔力で最大効果をもたらすための理論。
③ 呪文失敗学基礎:なぜ魔法行使が失敗するのか、歴史的な失敗事例から学ぶ。
④ 飛行術(座学):実技授業前必修。天候と気流を読む方法。
⑤ 魔法倫理討論:具体的な状況を想定した上で、様々な立場にわかれて議論する。
⑥ 古代語読解基礎:古代語の解読方法、発音の基本を学ぶ。
『特殊範囲座学部門』
① 回復魔法と栄養学:魔法の欠点を補う、食事の回復力。
② 魔法犯罪心理学:道を踏み外した魔導士の分析考察。
③ 夢魔法研究:夢に干渉する危険性と倫理、構造について。
④ 召喚生物マナー講座:召喚された側の気持ちを考え、失敗を減少させる。
『基礎実習科目部門』
① 魔力測定と自己分析:自分の得意属性、不得意属性を数値化。
② 呪いの解除実習A:軽度の呪いを実際にかけて解除する。
③ 魔導具演習:魔導具の仕組みを理解し、分解・再構築を行う。
④ 音楽と魔法共鳴:楽器や歌声による魔法効果増幅の関係性を実践。
『特別実習科目部門』
① 対人魔法防御:決闘や日常トラブルで、的確に身を守る技術。
② 魔法事故対応訓練:魔力暴走、魔法の失敗が起きた時の初動対応。
③ 対魔法交渉戦術:敵対者と戦わずに、魔法の使用を阻害する会話術。
といった感じだ。
この学園の授業内容は、流石500年後の未来というべきか、時代を感じる斬新な切り口の内容もあって、非常に興味深く面白そうなものが多い。
ワクワクと探究心に駆られる衝動をおさえ、なんとかひとつに絞ろうと慎重に吟味する。
(…基本的に、魔法は戦いと日常生活に役立つか、という面でしか研究してこなかったからなぁ。…この時代特有の新しい見方とか面白いし、全部の授業を体験してみたいところだけど)
非常に悩みどころだが、ユミルはとりあえず『呪いの解除実習A』を選択する。
500年前は、魔導士と呪術師は明確に認識として分かれており、複雑な魔法陣や形式化された呪文、または魔工具師によって作られた、簡易魔導具によって魔法を行使するのが魔導士であり、呪術師は特殊な祝詞や生け贄を使って、堕ちた精霊を媒介として強力な呪いをかけるのが一般的だった。そのため、呪いの解除も魔導士の分野ではなく、神聖力を有する神官や、精霊の力で浄化能力を身につけた精霊使いが担当していたのだ。
もちろん、以前の魔導士団メンバーの中にも、神官職であるシモンと聖騎士であるニーアに加えて、精霊使いのルキウスもいたため、ユミルが呪いの解除について触れる状況は回ってこなかったのだ。
ならば、きちんと体験したいというのが、魔導士である以前に研究者でもあるユミルの大本音。
現在はどうやら、呪術師の存在が魔導士に統合されているらしく、呪術をかけるのも、解くことができるのも魔導士だ、という認識に変化している。
ならば、呪術の形態や仕組みそのものも変化しているのだろうか、という興味に加えて、昔は問題になっていたはずの、堕ちた精霊と接触する上で生まれる、魔力波長の変質や悪影響といった問題は、どう解決しているのだろうかという疑問も湧いてくる。
今の時点ですでに、学園生活は非常に有意義なものとなっているが、おそらく卒業する年になっても飽きていないだろうな、と笑みを浮かべた。
あの頃よりも平和で、たくさんのものに恵まれて成長したこの世界が、なんとも楽しい二度目の人生をプレゼントしてくれたものだ。
ユミルは、弾む足で呪いの解除実習が行われる教室へと歩いていった。
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