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3話:秘密の交流と芽生える感情(後編)
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頬を伝う雫がゼノスの手に落ち、彼の温もりが私の中に染み渡っていく。誰にも触れさせてこなかった、凍りついた心が直接触れられたような感覚だった。私は声も出せずに、ただ静かに瞬きを繰り返した。ゼノスは、私の顔を見て、指先がためらうように頬をなぞる。彼の眼差しは、憐憫でも、嘲笑でもなく、ただ純粋な心配が滲んでいた。
「セレフィア様は、泣いていらっしゃいます」
彼の言葉は、私の心の奥底に閉じ込めていた全てを解き放つ合図のようだった。悲しみでも、怒りでもない。それは、長年心の奥底に閉じ込めていた感情が、ようやくあふれ出したのだ。温かくて、驚くほど優しい涙だった。止めどなく溢れる涙が頬を伝い、私の心に静かに染み込んでいく。
「……嫌だった。誰にも触れられたくなかったのに……」
気づけば私は、ゼノスの胸元に顔を押しつけていた。彼の硬い鎧越しでも、温かい体温が伝わってくる。私は、彼に初めて自分の過去を語り始めた。幼い頃から、どれほど完璧であることを求められてきたか。感情を表に出すことを禁じられ、人形のように生きてきたこと。私の歌が人を「惑わす」とされた日のこと。そして、婚約破棄され、全てを失い、自分が誰からも愛されない「道具」だと思い込んでいたこと……。
ゼノスは、私の話をただ静かに聞いてくれた。途中で遮ることなく、非難することもなく、ただ全てを受け止めてくれた。彼の温かい眼差しが、傷ついた私の心を包み込む。
「セレフィア様は、道具などではありません。あなたは、あなた自身です」
彼はそう言って、私の手をそっと握った。その手は、小さくも頼もしく、私の全てを受け止めてくれるようだった。
「僕も……昔は、誰かの役に立たなければ“存在してはいけない”と思っていました。セレフィア様の気持ち……本当に、どうしていいか分からなかった時期もありました」
彼の声は、静かに、だが確かに響いた。
「僕には妹がいた。歌声を持った、君と同じように優しい子だった。だが、彼女は、ある人間の音楽家に心を許してしまったんだ。その男は、妹の声が持つ力を利用し、竜の居場所を密告した。妹は、絶望の中で散った……。最期に妹が遺した言葉は、『でも、彼の音楽だけは本物だった』――矛盾した、希望のような言葉だった。竜族の中にも、人間に心を許すなど愚かだと考える者は多い。だが、君の歌は……」
彼の言葉は、私の中に温かい光を灯した。彼もまた、私と同じように深い孤独と、裏切りの痛みを抱えていたのだ。それでも、彼は私の歌を受け入れ、私自身の存在を肯定してくれた。その事実が、私の心の奥底に、凍り付いていた何かの塊を溶かしていく。
それからの日々、私たちの秘密の交流は、さらに深まった。ゼノスは、私の塔の周りの森の様子を教えてくれた。今はまだ名も知らぬ小鳥が、夜明けにはどんな歌を歌うのか。月の光に照らされて輝く露が、朝にはどんな風に消えていくのか。彼が語る世界は、私が知っていた王宮の庭よりも、ずっと生き生きとして、生命の輝きに満ちていた。
私は、ゼノスに教えられた植物のスケッチを始めた。かつては教本に描かれた正確な図しか描けなかった私が、今は《月影草》の仄かな光を、躍動する葉の一枚一枚を、私の目で見た通りに描いていた。指先から伝わる鉛筆の感触、紙に描かれる線の響き。それら全てが、私自身の感情と結びついているように感じられた。
ある日の昼下がり、ゼノスが昼間にもかかわらず、わずかな時間だけ塔を訪れた。まだ太陽が高い時刻に彼が来るのは珍しいことだった。彼の顔には、普段の穏やかさとは違う、どこか張り詰めたような表情が浮かんでいた。
「どうしたの?」
私が尋ねると、彼は窓の外を一度見やり、それから私に向き直った。
「最近、塔の周りの警戒が厳しくなっている。王都から、新たな討伐隊が派遣されたと聞いた」
彼の声は低く、警告を含んでいた。
「それは……私の歌のせい?」
胸が締め付けられる。せっかく溶け始めた心が、再び冷えていくような気がした。王妃を病ませた私の歌は、今度は王の警戒を強めている。やはり、私の歌は「呪い」なのだろうか。
ゼノスは、私の顔から視線を外さず、ゆっくりと首を横に振った。
「君の歌のせいではない。だが、最近、辺境の村で『歌を聞いた者が正気に戻った』『精神の安定を取り戻した兵士が出た』と噂され始めていると聞く。王は再びその力を危惧し始めたのだ。加えて、僕がこの塔を訪れていることが、一部の者に目撃されたらしい。竜族の目撃情報が重なり、『歌姫の幽閉が破られた』と警戒を強めている」
彼の言葉は、王の恐怖が、単なる思い込みではないことを物語っていた。王は、私の歌が持つ「人心を動かす力」を危険視している。そして、その力が竜族と結びついたと知れば、どんな強硬な手段に出るか分からない。それは、かつて私を幽閉した王の、歌声への根深い「恐怖」と「圧力」の現れだった。
私の心に、これまで感じたことのない焦りが生まれた。ゼノスが危険に晒される。それだけは、何としても避けなければならない。彼は、私に生きる希望をくれた。私の歌を「美しい」と言ってくれた、たった一人の存在なのだ。
「ゼノス……」
私は彼の名を呼ぶ。彼の蒼い瞳が、まっすぐに私を捉え返した。
「私……あなたを守りたい」
その言葉は、私自身の意志だった。感情に流されて出た言葉ではない。私がこの歌のせいで傷つけてきた人たちがいるのなら、今度はこの歌で、大切な誰かを守りたい。それが、私の中に芽生えた、初めての、そして確固たる決意だった。
ゼノスは、私の言葉を聞いて、わずかに目を見開いた。彼の表情に、驚きと、そして微かな喜びのようなものが浮かんだように見えた。彼は私の手を強く握り、その温もりが、私の心に、新たな勇気を灯した。
「セレフィア様は、泣いていらっしゃいます」
彼の言葉は、私の心の奥底に閉じ込めていた全てを解き放つ合図のようだった。悲しみでも、怒りでもない。それは、長年心の奥底に閉じ込めていた感情が、ようやくあふれ出したのだ。温かくて、驚くほど優しい涙だった。止めどなく溢れる涙が頬を伝い、私の心に静かに染み込んでいく。
「……嫌だった。誰にも触れられたくなかったのに……」
気づけば私は、ゼノスの胸元に顔を押しつけていた。彼の硬い鎧越しでも、温かい体温が伝わってくる。私は、彼に初めて自分の過去を語り始めた。幼い頃から、どれほど完璧であることを求められてきたか。感情を表に出すことを禁じられ、人形のように生きてきたこと。私の歌が人を「惑わす」とされた日のこと。そして、婚約破棄され、全てを失い、自分が誰からも愛されない「道具」だと思い込んでいたこと……。
ゼノスは、私の話をただ静かに聞いてくれた。途中で遮ることなく、非難することもなく、ただ全てを受け止めてくれた。彼の温かい眼差しが、傷ついた私の心を包み込む。
「セレフィア様は、道具などではありません。あなたは、あなた自身です」
彼はそう言って、私の手をそっと握った。その手は、小さくも頼もしく、私の全てを受け止めてくれるようだった。
「僕も……昔は、誰かの役に立たなければ“存在してはいけない”と思っていました。セレフィア様の気持ち……本当に、どうしていいか分からなかった時期もありました」
彼の声は、静かに、だが確かに響いた。
「僕には妹がいた。歌声を持った、君と同じように優しい子だった。だが、彼女は、ある人間の音楽家に心を許してしまったんだ。その男は、妹の声が持つ力を利用し、竜の居場所を密告した。妹は、絶望の中で散った……。最期に妹が遺した言葉は、『でも、彼の音楽だけは本物だった』――矛盾した、希望のような言葉だった。竜族の中にも、人間に心を許すなど愚かだと考える者は多い。だが、君の歌は……」
彼の言葉は、私の中に温かい光を灯した。彼もまた、私と同じように深い孤独と、裏切りの痛みを抱えていたのだ。それでも、彼は私の歌を受け入れ、私自身の存在を肯定してくれた。その事実が、私の心の奥底に、凍り付いていた何かの塊を溶かしていく。
それからの日々、私たちの秘密の交流は、さらに深まった。ゼノスは、私の塔の周りの森の様子を教えてくれた。今はまだ名も知らぬ小鳥が、夜明けにはどんな歌を歌うのか。月の光に照らされて輝く露が、朝にはどんな風に消えていくのか。彼が語る世界は、私が知っていた王宮の庭よりも、ずっと生き生きとして、生命の輝きに満ちていた。
私は、ゼノスに教えられた植物のスケッチを始めた。かつては教本に描かれた正確な図しか描けなかった私が、今は《月影草》の仄かな光を、躍動する葉の一枚一枚を、私の目で見た通りに描いていた。指先から伝わる鉛筆の感触、紙に描かれる線の響き。それら全てが、私自身の感情と結びついているように感じられた。
ある日の昼下がり、ゼノスが昼間にもかかわらず、わずかな時間だけ塔を訪れた。まだ太陽が高い時刻に彼が来るのは珍しいことだった。彼の顔には、普段の穏やかさとは違う、どこか張り詰めたような表情が浮かんでいた。
「どうしたの?」
私が尋ねると、彼は窓の外を一度見やり、それから私に向き直った。
「最近、塔の周りの警戒が厳しくなっている。王都から、新たな討伐隊が派遣されたと聞いた」
彼の声は低く、警告を含んでいた。
「それは……私の歌のせい?」
胸が締め付けられる。せっかく溶け始めた心が、再び冷えていくような気がした。王妃を病ませた私の歌は、今度は王の警戒を強めている。やはり、私の歌は「呪い」なのだろうか。
ゼノスは、私の顔から視線を外さず、ゆっくりと首を横に振った。
「君の歌のせいではない。だが、最近、辺境の村で『歌を聞いた者が正気に戻った』『精神の安定を取り戻した兵士が出た』と噂され始めていると聞く。王は再びその力を危惧し始めたのだ。加えて、僕がこの塔を訪れていることが、一部の者に目撃されたらしい。竜族の目撃情報が重なり、『歌姫の幽閉が破られた』と警戒を強めている」
彼の言葉は、王の恐怖が、単なる思い込みではないことを物語っていた。王は、私の歌が持つ「人心を動かす力」を危険視している。そして、その力が竜族と結びついたと知れば、どんな強硬な手段に出るか分からない。それは、かつて私を幽閉した王の、歌声への根深い「恐怖」と「圧力」の現れだった。
私の心に、これまで感じたことのない焦りが生まれた。ゼノスが危険に晒される。それだけは、何としても避けなければならない。彼は、私に生きる希望をくれた。私の歌を「美しい」と言ってくれた、たった一人の存在なのだ。
「ゼノス……」
私は彼の名を呼ぶ。彼の蒼い瞳が、まっすぐに私を捉え返した。
「私……あなたを守りたい」
その言葉は、私自身の意志だった。感情に流されて出た言葉ではない。私がこの歌のせいで傷つけてきた人たちがいるのなら、今度はこの歌で、大切な誰かを守りたい。それが、私の中に芽生えた、初めての、そして確固たる決意だった。
ゼノスは、私の言葉を聞いて、わずかに目を見開いた。彼の表情に、驚きと、そして微かな喜びのようなものが浮かんだように見えた。彼は私の手を強く握り、その温もりが、私の心に、新たな勇気を灯した。
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