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第2話:【共犯】偽りの聖女とただ一人の騎士
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私の新しい住まいは大神殿の最上階「白翼の間」と呼ばれる部屋だった。
壁は大理石、窓には金糸の刺繍がされたカーテンがかかりベッドは雲のように柔らかい。食堂の屋根裏部屋で暮らしていた私にはあまりにも不釣り合いな豪華な鳥籠。窓格子さえ黄金で作られているように見えた。私の仕事はただ一つ。一日三回祈りの時間に大聖堂のバルコニーに立ち、広場を埋め尽くす民衆に向かって慈愛に満ちた笑みを浮かべて手を振ること。ただそれだけだった。
食事は侍女たちが運び季節ごとに最高級のドレスが用意される。私は何もせずただ「聖女アリア」という偶像としてそこに存在することだけを求められた。
大神官は毎日私の元を訪れ聖女としての立ち居振る舞いをまるで人形に動きを教え込むかのように私に叩き込んだ。彼は鏡の前に私を立たせ完璧な「聖女の微笑み」ができるまで何時間もそれを繰り返させた。
「聖女様。民衆はあなたという『希望』に飢えているのです。あなたはその器となればよい。あなたの個人的な感情など無用です。いえあってはなりません」
その言葉は私に「お前は空っぽでいろ」と言っているのと同じだった。私は日向亭の温かいスープの匂いを思い出していた。
そしてその全ての時間の傍らには影のようにカイ騎士団長がいた。
彼が大神官から指導を受けている間も豪華な食事を一人で口に運ぶ間もただ部屋の隅に立ち無言で私を、あるいはこの茶番劇の全てをその氷のような瞳で観察していた。
その視線は私にとって常に有罪を宣告する裁判官の視線のように感じられた。彼は私が偽物であることを知っている。私がこの国全体を騙す大罪人であることを知っているのだ。
偽りの聖女となってから一週間が過ぎた。
その日私は初めて聖女として民衆の前に言葉を発することを求められた。広場で行われる豊穣を祈願する儀式。その最後に聖女様からありがたいお言葉を賜るのだという。
もちろん台本はすべて大神官が用意したものだ。
「……これを暗記なさい。一言一句間違えぬように」
渡された羊皮紙には美辞麗句が長々と書き連ねられていた。神の慈悲、王家の権威、民の信仰。私の心とは何の関係もない空虚な言葉の羅列。
「……できません」
私の口から思わず弱音が漏れた。
「こんな難しい言葉、私には……」
「案ずるな聖女様」
部屋の隅でそれまで沈黙を守っていたカイ団長が初めて口を開いた。
「あなたはただの人形だ。大神官様が書かれた完璧な台本を読み上げるだけでいい」
その声には何の感情もこもっていなかった。だがその言葉の裏にある痛烈な皮肉に私は胸が締め付けられるようだった。
儀式が始まった。
広場は数万の民衆で埋め尽くされている。彼らは皆飢えと不安にその顔を歪ませながらそれでも私という偽りの希望に祈るような眼差しを向けていた。
大神官の長々とした説教が終わる。
ついに私の番が来た。
私は震える足でバルコニーの最前列へと進み出た。
眼下に広がる人々の海。そのあまりにも切実な視線の圧力に私の頭の中は真っ白になった。
暗記したはずの大神官の言葉が一つも思い出せない。
沈黙が広場を支配する。民衆がざわめき始める。
まずい。失敗すれば私は偽物としてここで……。
群衆の中から一人の男が叫んだ。「聖女様!祈りだけでなく奇跡をお見せください!私の娘は熱病で死にかけているのです!」
その声に呼応するようにあちこちから声が上がる。
パニックに陥った私の耳元で、すぐ後ろに立つカイ団長の低い声が囁いた。
「……顔を上げろ」
それは命令だった。
「民の顔を一人一人よく見ろ。彼らが何を求めているのかを。やつらの顔は評議会のクソ貴族どもとは違うだろう」
言われるがままに私は顔を上げた。
そこにいたのは王都の民ではない。私がずっと見てきた下町の貧しいしかし懸命に生きる普通の人々と同じ顔だった。食堂のおばちゃん。市場の子供たち。私の隣人たちの顔だ。
「彼らに難しい言葉はいらない」
カイ団長の声が続ける。
「ただ語りかけろ。お前自身の言葉で。……大丈夫だ。俺がそばにいる」
その最後の言葉が私に不思議な勇気をくれた。
私はマイク代わりの魔導具に向かって震える声で語り始めた。
「……皆さん。私には難しいことは分かりません」
それは台本とは全く違う私自身の言葉だった。
「私には雨を降らせることも畑をすぐに実らせることもできません。私は何の力も持たないただの普通の娘です」
広場がどよめく。大神官が壇上の陰で怒りに顔を歪めているのが見えた。
だが私は続けた。
「でも私にもできることがあります。皆さんと同じように神に祈ることです。明日食べるものに困りませんようにと。大切な家族が病気になりませんようにと。……そしてこの苦しい時を皆で支え合って乗り越えられますようにと」
私は深く頭を下げた。
「だからどうか希望を捨てないでください。一緒に祈りましょう。一緒に明日を信じましょう」
私の拙い演説が終わる。
一瞬の沈黙。
次の瞬間、広場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
民衆は難しい説教よりも私の心からの素朴な言葉に心を動かされたのだ。
儀式が終わった後、私はカイ団長と二人きりで自室に戻っていた。
「……ありがとうございました」
私が頭を下げると彼は皮肉っぽく鼻を鳴らした。
「礼を言うな。俺はただ儀式が失敗して面倒なことになるのを避けただけだ。……それにしても見事な演説だったな聖女様」
「……からかわないでください」
彼は窓の外を見つめていた。その横顔はいつもと同じ氷のように冷たい。
だがその冷たい仮面の下にほんの一瞬だけ別の顔が見えたような気がした。
それは腐敗した世界にうんざりしながらもそれでも民を国を心の底から憂いている一人の騎士の顔だった。
「……お前は馬鹿だな」
彼は私に背を向けたままぽつりと言った。
「だがその馬鹿正直さがあるいは本物の奇跡よりも人の心を動かすのかもしれん」
それは彼が私にくれた初めてのそして最高の褒め言葉だった。
私は偽りの聖女。彼はその嘘の見張り役。
私たちの関係は何も変わらない。
だが、あの瞬間から私の心の中で何かが確かに変わり始めていた。
彼という氷の騎士がもしかしたら私にとってこの孤独な世界で唯一の味方なのかもしれないと。
そんなあり得ないはずの淡い期待が私の胸に芽生え始めていた。
壁は大理石、窓には金糸の刺繍がされたカーテンがかかりベッドは雲のように柔らかい。食堂の屋根裏部屋で暮らしていた私にはあまりにも不釣り合いな豪華な鳥籠。窓格子さえ黄金で作られているように見えた。私の仕事はただ一つ。一日三回祈りの時間に大聖堂のバルコニーに立ち、広場を埋め尽くす民衆に向かって慈愛に満ちた笑みを浮かべて手を振ること。ただそれだけだった。
食事は侍女たちが運び季節ごとに最高級のドレスが用意される。私は何もせずただ「聖女アリア」という偶像としてそこに存在することだけを求められた。
大神官は毎日私の元を訪れ聖女としての立ち居振る舞いをまるで人形に動きを教え込むかのように私に叩き込んだ。彼は鏡の前に私を立たせ完璧な「聖女の微笑み」ができるまで何時間もそれを繰り返させた。
「聖女様。民衆はあなたという『希望』に飢えているのです。あなたはその器となればよい。あなたの個人的な感情など無用です。いえあってはなりません」
その言葉は私に「お前は空っぽでいろ」と言っているのと同じだった。私は日向亭の温かいスープの匂いを思い出していた。
そしてその全ての時間の傍らには影のようにカイ騎士団長がいた。
彼が大神官から指導を受けている間も豪華な食事を一人で口に運ぶ間もただ部屋の隅に立ち無言で私を、あるいはこの茶番劇の全てをその氷のような瞳で観察していた。
その視線は私にとって常に有罪を宣告する裁判官の視線のように感じられた。彼は私が偽物であることを知っている。私がこの国全体を騙す大罪人であることを知っているのだ。
偽りの聖女となってから一週間が過ぎた。
その日私は初めて聖女として民衆の前に言葉を発することを求められた。広場で行われる豊穣を祈願する儀式。その最後に聖女様からありがたいお言葉を賜るのだという。
もちろん台本はすべて大神官が用意したものだ。
「……これを暗記なさい。一言一句間違えぬように」
渡された羊皮紙には美辞麗句が長々と書き連ねられていた。神の慈悲、王家の権威、民の信仰。私の心とは何の関係もない空虚な言葉の羅列。
「……できません」
私の口から思わず弱音が漏れた。
「こんな難しい言葉、私には……」
「案ずるな聖女様」
部屋の隅でそれまで沈黙を守っていたカイ団長が初めて口を開いた。
「あなたはただの人形だ。大神官様が書かれた完璧な台本を読み上げるだけでいい」
その声には何の感情もこもっていなかった。だがその言葉の裏にある痛烈な皮肉に私は胸が締め付けられるようだった。
儀式が始まった。
広場は数万の民衆で埋め尽くされている。彼らは皆飢えと不安にその顔を歪ませながらそれでも私という偽りの希望に祈るような眼差しを向けていた。
大神官の長々とした説教が終わる。
ついに私の番が来た。
私は震える足でバルコニーの最前列へと進み出た。
眼下に広がる人々の海。そのあまりにも切実な視線の圧力に私の頭の中は真っ白になった。
暗記したはずの大神官の言葉が一つも思い出せない。
沈黙が広場を支配する。民衆がざわめき始める。
まずい。失敗すれば私は偽物としてここで……。
群衆の中から一人の男が叫んだ。「聖女様!祈りだけでなく奇跡をお見せください!私の娘は熱病で死にかけているのです!」
その声に呼応するようにあちこちから声が上がる。
パニックに陥った私の耳元で、すぐ後ろに立つカイ団長の低い声が囁いた。
「……顔を上げろ」
それは命令だった。
「民の顔を一人一人よく見ろ。彼らが何を求めているのかを。やつらの顔は評議会のクソ貴族どもとは違うだろう」
言われるがままに私は顔を上げた。
そこにいたのは王都の民ではない。私がずっと見てきた下町の貧しいしかし懸命に生きる普通の人々と同じ顔だった。食堂のおばちゃん。市場の子供たち。私の隣人たちの顔だ。
「彼らに難しい言葉はいらない」
カイ団長の声が続ける。
「ただ語りかけろ。お前自身の言葉で。……大丈夫だ。俺がそばにいる」
その最後の言葉が私に不思議な勇気をくれた。
私はマイク代わりの魔導具に向かって震える声で語り始めた。
「……皆さん。私には難しいことは分かりません」
それは台本とは全く違う私自身の言葉だった。
「私には雨を降らせることも畑をすぐに実らせることもできません。私は何の力も持たないただの普通の娘です」
広場がどよめく。大神官が壇上の陰で怒りに顔を歪めているのが見えた。
だが私は続けた。
「でも私にもできることがあります。皆さんと同じように神に祈ることです。明日食べるものに困りませんようにと。大切な家族が病気になりませんようにと。……そしてこの苦しい時を皆で支え合って乗り越えられますようにと」
私は深く頭を下げた。
「だからどうか希望を捨てないでください。一緒に祈りましょう。一緒に明日を信じましょう」
私の拙い演説が終わる。
一瞬の沈黙。
次の瞬間、広場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
民衆は難しい説教よりも私の心からの素朴な言葉に心を動かされたのだ。
儀式が終わった後、私はカイ団長と二人きりで自室に戻っていた。
「……ありがとうございました」
私が頭を下げると彼は皮肉っぽく鼻を鳴らした。
「礼を言うな。俺はただ儀式が失敗して面倒なことになるのを避けただけだ。……それにしても見事な演説だったな聖女様」
「……からかわないでください」
彼は窓の外を見つめていた。その横顔はいつもと同じ氷のように冷たい。
だがその冷たい仮面の下にほんの一瞬だけ別の顔が見えたような気がした。
それは腐敗した世界にうんざりしながらもそれでも民を国を心の底から憂いている一人の騎士の顔だった。
「……お前は馬鹿だな」
彼は私に背を向けたままぽつりと言った。
「だがその馬鹿正直さがあるいは本物の奇跡よりも人の心を動かすのかもしれん」
それは彼が私にくれた初めてのそして最高の褒め言葉だった。
私は偽りの聖女。彼はその嘘の見張り役。
私たちの関係は何も変わらない。
だが、あの瞬間から私の心の中で何かが確かに変わり始めていた。
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