1 / 5
序章:氷の心に刻まれた烙印
しおりを挟む
今日もまた、広間は異常なまでに整っていた。あの大理石の床も壁のタペストリーもシャンデリアのきらめきも「完璧」であることを私に強要してくるかのようだった。ごく微かに息が詰まりそうになる——その感覚すら私は打ち消そうとした。その中央に立つのは私、セレフィア・ド・アルジェント。銀色の髪は夜空の星のように冷たく輝き青い瞳には感情の波一つ見えやしない。周囲は私を「氷の侯爵令嬢」と呼んだ。その呼び名は、私の心そのものを表していた。
物心ついた頃から感情を表に出すことは許されなかった。アルジェント侯爵家は代々王家を支える重鎮。淑女たるもの常に冷静沈着であれ。常に完璧であれ。それが幼い私に叩き込まれた唯一の教えだった。少しでも失敗すれば父の厳しい視線が突き刺さり母の嘆きが私を責める。一糸乱れぬ所作は、もはや反射だった。背筋、角度、目線、声の音量……それら全てが父の「失望」を回避するための防衛機構にすぎない。あの庭の陽射しは、まるで私を裁く光のようだった。父の声が氷となって心に突き刺さり二度と溶けることのない“印”を私の心に刻んだ——それが私の“氷の心”の始まりだった。その瞬間から私は感情の全てを凍てついた井戸の奥底に沈めた。完璧を演じ続けるために感情の揺らぎは私の弱みになる。そう思い込んだ私は、震える指先に気づかないふりをして心に厚い氷の膜を張り続けたのだ。
どれほど努力を重ねても父の口から「よくやった」という言葉が出ることはなかった。ただ「当然だ」と、針のような感情の籠らない声で言われるだけだった。私の存在は侯爵家にとっての「道具」であり私自身もそうあるべきだと信じて疑わなかった。喜びも悲しみも怒りも悔しさも全ては心の奥底に封じ込めた。私の内側では、常に何かを押し殺す音が響いていた。
婚約者である第二王子、エドワード殿下も私をそう見ていたのだろう。最近殿下が私に会う頻度が減っていた。公務が忙しいと侍従は言ったが彼の視線が妙に上の空なことに気づいていた。そして、王都では「聖女イリスの慈悲深さが殿下の心を癒している」という噂が囁かれ始めていた。殿下はいつも私に優しい言葉をかけてくれたものの瞳の奥にはどこか諦めのような色が見え隠れしていた。殿下は私の完璧な態度を「感情がない」と解釈したのだ。その誤解を解く術を私は知らなかった。いや、知ろうともしなかったのかもしれない。感情を出すことがどれほど恐ろしいことか。それを知っているのは、この私だけだったから。
そして、その日は突然訪れた。
「セレフィア、貴様との婚約を破棄する」
舞踏会が最高潮に達したその時、エドワード殿下の声が広間に響き渡った。陽気な音楽が止まり人々のざわめきが急速に収まる。全ての視線が刃のように私に突き刺さった。背筋に冷たいものが走るが顔には決して出さない。それがアルジェント侯爵令嬢としての揺るぎない矜持だった。
「殿下、いかがなされましたか?」
私の声はいつも通り、感情の欠片も感じさせない。だが、その内側では心臓が皮膚のすぐ下で暴れ出すように激しく脈打ち感情が胸の奥で静かに崩れていくようだった。これまで積み重ねてきた私の人生が一瞬で音を立てて崩壊するような感覚が襲った。
殿下は私の隣に立つ一人の少女に視線を向けた。柔らかな蜂蜜色の髪、か弱い印象を与える細い体つき。そして聖母のように慈愛に満ちた、今にも泣き出しそうな瞳。聖女候補イリス・フローラ。彼女は王都で最近評判の的だった。人々の心を癒す不思議な力を持つとされ、その優しさは殿下をも魅了したらしい。
「セレフィア……君は、あまりにも……完璧すぎるんだ」
彼は言葉を探すように視線を泳がせた。その目に宿る苦悩は、私には遠いものだった。
「君の沈黙が……ときどき、僕を見下しているように感じられてしまったんだ。わかってる、君が悪いわけじゃない。でも僕は……怖かったんだ。君の“冷たさ”が、僕の“未熟”を暴くようで。私には、君のような存在よりも、もっと温かく心を分かち合える相手が必要なのだ。イリスは、私の心に寄り添ってくれる。彼女こそがこの国の真の聖女に相応しい」
イリスはおずおずと殿下の腕に寄り添った。その表情は申し訳なさそうに下を向いているが足取りには不思議な迷いのなさが殿下を見上げる瞳には確かな熱が宿っていた。まるで誰にも気づかれないように彼女は殿下の袖を握っていた。イリスは潤んだ瞳で殿下を見上げていたが、ほんの一瞬——ほんの刹那、その目の奥に得体の知れない確信の光が宿ったように思えた。俯いた彼女の唇が、ほんの一瞬、確かに笑ったように見えた——けれど、それは私の見間違いかもしれない。あのときのイリスの笑みは、確かに柔らかく……けれど、なぜか胸の奥に冷たいものが流れ込んだ。それは、風ではない。記憶でもない。私の知らない何か異質な感覚だった。私には理解できなかった。心が温かいとは、どういうことなのだろう? 感情を分かち合うとは? 私の全ては、この国の未来のため、殿下のため、そして何よりも侯爵家のために捧げてきた完璧さだけだったのに。それ以外に私の価値はどこにもなかったはずだ。
周囲からひそひそと囁き声が聞こえる。「あらあら、ついにやられたわね」「氷の令嬢なんて、結局は飾り物だったのよ」。そんなひそひそ声がまるで針のように私の耳を突き刺していた。誰もが私を感情を持たない冷酷な存在だと決めつけていた。
私の心は深く深く傷ついていた。これまで経験したことのないほどの絶望感が私を支配しようとする。しかし、その痛みは誰にも見せない。唇をきつく結び顔には決して出さなかった。それが私の唯一の生きる術だったから。仮面こそが私の顔だった。
婚約破棄されたその晩、鏡の前で自分の表情を見た。
そこには、確かに“何も感じていないはず”の私がいたはずなのに。
涙の痕ではない。それでも私は、目尻に残ったわずかな湿りに確かに何かが崩れたことを悟った。音もなく静かに氷の奥底で。
婚約破棄の影響は甚大だった。アルジェント侯爵家は王家からの信頼を失い長年築き上げてきた事業にも影響が出始めた。私の父は激怒し母は嘆き悲しんだ。私は責任を取る形で名目上「体調不良」として、領地にある古い別荘で謹慎することになった。それは、事実上の「追放」だった。
別荘は領地の最も奥まった場所にひっそりと佇む朽ちかけた建物だった。かつては避暑地として使われていたようだが今は手入れも行き届かず庭は荒れ放題だ。窓から差し込む光さえも寂しげに見えた。
しかし、整いすぎた広間よりも荒れたこの庭の方が、なぜか心が落ち着いた。ここには、私の“完璧”を測る視線も冷たい評価もない。吹き抜ける風の音だけが私を「私」として許してくれているようだった。私はこの場所で、誰にも邪魔されることなく静かに傷を癒すつもりだった。しかし、父は私を完全に放置するわけにはいかなかったのだろう。あるいは、監視目的だったのかもしれない。
「セレフィア様、本日よりお世話させていただきます、レオンと申します」
別荘に着いて数日後、そこに現れたのは私よりも年若い一人の少年だった。
少年の瞳は、氷を恐れるどころかその中に“何か”を探しているようだった。
「氷は、砕けても美しいんです」
その言葉が胸の奥で長い間止まっていた歯車をほんの少しだけ軋ませたような気がした。彼の言葉遣いは、意外なほど洗練されていた。
「……では、食事のご準備を」
「……ああ、頼む」
自分の声が僅かに震えたことに気づいて、私は息を呑んだ。誰にも見せたことのない小さなほころび——それは、恐怖ではなく“安堵”に似ていた。彼の登場は、私の閉ざされた世界に予期せぬ変化をもたらすことになる。凍り付いた湖面に小さな石が投げ込まれたように微かな波紋が広がり始めた。そしてその波紋は、私の硬く閉ざされた心をゆっくりと確実に溶かし始めることをこの時の私はまだ知らなかった。
物心ついた頃から感情を表に出すことは許されなかった。アルジェント侯爵家は代々王家を支える重鎮。淑女たるもの常に冷静沈着であれ。常に完璧であれ。それが幼い私に叩き込まれた唯一の教えだった。少しでも失敗すれば父の厳しい視線が突き刺さり母の嘆きが私を責める。一糸乱れぬ所作は、もはや反射だった。背筋、角度、目線、声の音量……それら全てが父の「失望」を回避するための防衛機構にすぎない。あの庭の陽射しは、まるで私を裁く光のようだった。父の声が氷となって心に突き刺さり二度と溶けることのない“印”を私の心に刻んだ——それが私の“氷の心”の始まりだった。その瞬間から私は感情の全てを凍てついた井戸の奥底に沈めた。完璧を演じ続けるために感情の揺らぎは私の弱みになる。そう思い込んだ私は、震える指先に気づかないふりをして心に厚い氷の膜を張り続けたのだ。
どれほど努力を重ねても父の口から「よくやった」という言葉が出ることはなかった。ただ「当然だ」と、針のような感情の籠らない声で言われるだけだった。私の存在は侯爵家にとっての「道具」であり私自身もそうあるべきだと信じて疑わなかった。喜びも悲しみも怒りも悔しさも全ては心の奥底に封じ込めた。私の内側では、常に何かを押し殺す音が響いていた。
婚約者である第二王子、エドワード殿下も私をそう見ていたのだろう。最近殿下が私に会う頻度が減っていた。公務が忙しいと侍従は言ったが彼の視線が妙に上の空なことに気づいていた。そして、王都では「聖女イリスの慈悲深さが殿下の心を癒している」という噂が囁かれ始めていた。殿下はいつも私に優しい言葉をかけてくれたものの瞳の奥にはどこか諦めのような色が見え隠れしていた。殿下は私の完璧な態度を「感情がない」と解釈したのだ。その誤解を解く術を私は知らなかった。いや、知ろうともしなかったのかもしれない。感情を出すことがどれほど恐ろしいことか。それを知っているのは、この私だけだったから。
そして、その日は突然訪れた。
「セレフィア、貴様との婚約を破棄する」
舞踏会が最高潮に達したその時、エドワード殿下の声が広間に響き渡った。陽気な音楽が止まり人々のざわめきが急速に収まる。全ての視線が刃のように私に突き刺さった。背筋に冷たいものが走るが顔には決して出さない。それがアルジェント侯爵令嬢としての揺るぎない矜持だった。
「殿下、いかがなされましたか?」
私の声はいつも通り、感情の欠片も感じさせない。だが、その内側では心臓が皮膚のすぐ下で暴れ出すように激しく脈打ち感情が胸の奥で静かに崩れていくようだった。これまで積み重ねてきた私の人生が一瞬で音を立てて崩壊するような感覚が襲った。
殿下は私の隣に立つ一人の少女に視線を向けた。柔らかな蜂蜜色の髪、か弱い印象を与える細い体つき。そして聖母のように慈愛に満ちた、今にも泣き出しそうな瞳。聖女候補イリス・フローラ。彼女は王都で最近評判の的だった。人々の心を癒す不思議な力を持つとされ、その優しさは殿下をも魅了したらしい。
「セレフィア……君は、あまりにも……完璧すぎるんだ」
彼は言葉を探すように視線を泳がせた。その目に宿る苦悩は、私には遠いものだった。
「君の沈黙が……ときどき、僕を見下しているように感じられてしまったんだ。わかってる、君が悪いわけじゃない。でも僕は……怖かったんだ。君の“冷たさ”が、僕の“未熟”を暴くようで。私には、君のような存在よりも、もっと温かく心を分かち合える相手が必要なのだ。イリスは、私の心に寄り添ってくれる。彼女こそがこの国の真の聖女に相応しい」
イリスはおずおずと殿下の腕に寄り添った。その表情は申し訳なさそうに下を向いているが足取りには不思議な迷いのなさが殿下を見上げる瞳には確かな熱が宿っていた。まるで誰にも気づかれないように彼女は殿下の袖を握っていた。イリスは潤んだ瞳で殿下を見上げていたが、ほんの一瞬——ほんの刹那、その目の奥に得体の知れない確信の光が宿ったように思えた。俯いた彼女の唇が、ほんの一瞬、確かに笑ったように見えた——けれど、それは私の見間違いかもしれない。あのときのイリスの笑みは、確かに柔らかく……けれど、なぜか胸の奥に冷たいものが流れ込んだ。それは、風ではない。記憶でもない。私の知らない何か異質な感覚だった。私には理解できなかった。心が温かいとは、どういうことなのだろう? 感情を分かち合うとは? 私の全ては、この国の未来のため、殿下のため、そして何よりも侯爵家のために捧げてきた完璧さだけだったのに。それ以外に私の価値はどこにもなかったはずだ。
周囲からひそひそと囁き声が聞こえる。「あらあら、ついにやられたわね」「氷の令嬢なんて、結局は飾り物だったのよ」。そんなひそひそ声がまるで針のように私の耳を突き刺していた。誰もが私を感情を持たない冷酷な存在だと決めつけていた。
私の心は深く深く傷ついていた。これまで経験したことのないほどの絶望感が私を支配しようとする。しかし、その痛みは誰にも見せない。唇をきつく結び顔には決して出さなかった。それが私の唯一の生きる術だったから。仮面こそが私の顔だった。
婚約破棄されたその晩、鏡の前で自分の表情を見た。
そこには、確かに“何も感じていないはず”の私がいたはずなのに。
涙の痕ではない。それでも私は、目尻に残ったわずかな湿りに確かに何かが崩れたことを悟った。音もなく静かに氷の奥底で。
婚約破棄の影響は甚大だった。アルジェント侯爵家は王家からの信頼を失い長年築き上げてきた事業にも影響が出始めた。私の父は激怒し母は嘆き悲しんだ。私は責任を取る形で名目上「体調不良」として、領地にある古い別荘で謹慎することになった。それは、事実上の「追放」だった。
別荘は領地の最も奥まった場所にひっそりと佇む朽ちかけた建物だった。かつては避暑地として使われていたようだが今は手入れも行き届かず庭は荒れ放題だ。窓から差し込む光さえも寂しげに見えた。
しかし、整いすぎた広間よりも荒れたこの庭の方が、なぜか心が落ち着いた。ここには、私の“完璧”を測る視線も冷たい評価もない。吹き抜ける風の音だけが私を「私」として許してくれているようだった。私はこの場所で、誰にも邪魔されることなく静かに傷を癒すつもりだった。しかし、父は私を完全に放置するわけにはいかなかったのだろう。あるいは、監視目的だったのかもしれない。
「セレフィア様、本日よりお世話させていただきます、レオンと申します」
別荘に着いて数日後、そこに現れたのは私よりも年若い一人の少年だった。
少年の瞳は、氷を恐れるどころかその中に“何か”を探しているようだった。
「氷は、砕けても美しいんです」
その言葉が胸の奥で長い間止まっていた歯車をほんの少しだけ軋ませたような気がした。彼の言葉遣いは、意外なほど洗練されていた。
「……では、食事のご準備を」
「……ああ、頼む」
自分の声が僅かに震えたことに気づいて、私は息を呑んだ。誰にも見せたことのない小さなほころび——それは、恐怖ではなく“安堵”に似ていた。彼の登場は、私の閉ざされた世界に予期せぬ変化をもたらすことになる。凍り付いた湖面に小さな石が投げ込まれたように微かな波紋が広がり始めた。そしてその波紋は、私の硬く閉ざされた心をゆっくりと確実に溶かし始めることをこの時の私はまだ知らなかった。
1
あなたにおすすめの小説
契約結婚のはずが、無骨な公爵様に甘やかされすぎています
さら
恋愛
――契約結婚のはずが、無骨な公爵様に甘やかされすぎています。
侯爵家から追放され、居場所をなくした令嬢エリナに突きつけられたのは「契約結婚」という逃げ場だった。
お相手は国境を守る無骨な英雄、公爵レオンハルト。
形式だけの結婚のはずが、彼は不器用なほど誠実で、どこまでもエリナを大切にしてくれる。
やがて二人は戦場へ赴き、国を揺るがす陰謀と政争に巻き込まれていく。
剣と血の中で、そして言葉の刃が飛び交う王宮で――
互いに背を預け合い、守り、支え、愛を育んでいく二人。
「俺はお前を愛している」
「私もです、閣下。死が二人を分かつその時まで」
契約から始まった関係は、やがて国を救う真実の愛へ。
――公爵に甘やかされすぎて、幸せすぎる新婚生活の物語。
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
不運な針子と傷跡の侯爵様
YY
恋愛
幸運を縫うたび、自らには不運が訪れる――。
類まれなる魔法の刺繍の才能を持つがゆえに、「不運の針子」として世間から疎まれる少女エリーゼ。仕事も居場所も失い、孤独の底にいた彼女の元に、ある日、謎めいた仕事の依頼が舞い込む。
依頼主は、顔に負った火傷の痕を仮面で隠し、城に引きこもる「傷跡の公爵」アレクシス。
世間から同じように疎外された彼は、エリーゼの「呪い」を恐れるどころか、その才能の本質を初めて認めてくれる唯一の理解者だった。
彼の傷を癒す服を仕立て、彼に守られるうち、二人の間には静かな愛が芽生えていく。しかし、その幸せを妬む過去の悪意が、二人を再び引き裂こうとする。
これは、二人の不完全な人間が互いの「傷」と「呪い」を受け入れ、やがて本当の「祝福」を見つけ出す、美しく温かい愛の物語。
GEMINIを使用しています。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
【完結】顔が良ければそれでいいと思っていたけれど、気づけば彼に本気で恋していました。
朝日みらい
恋愛
魔物を討伐し国を救った若き魔術師アリア・フェルディナンド。
国王から「望むものを何でも与える」と言われた彼女が選んだ褒美は――
「国一番の美男子を、夫にください」
という前代未聞のひと言だった。
急遽開かれた婿候補サロンで、アリアが一目で心を奪われたのは、
“夜の街の帝王”と呼ばれる美貌の青年ルシアン・クロード。
女たらし、金遣いが荒い、家の恥――
そんな悪評だらけの彼を、アリアは迷わず指名する。
「顔が好きだからです」
直球すぎる理由に戸惑うルシアン。
だが彼には、誰にも言えない孤独と過去があった。
これは、
顔だけで選んだはずの英雄と、
誰にも本気で愛されたことのない美貌の青年が、
“契約婚”から始める恋の物語。
追放聖女の薬草店~光らない無能と言われた私の治癒力は、最強騎士団長の呪いにだけ効くようです。辺境で始める溺愛スローライフ~
黒崎隼人
恋愛
「君の力だけが、俺を救ってくれる」
派手な光を放つ魔法が使えず、「光らない無能」として国を追放された聖女エリナ。
彼女は辺境の村で廃屋を買い取り、念願だった薬草店をオープンする。
相棒の精霊獣ポポと共にスローライフを始めたある嵐の夜、店の前に倒れていたのは、国の最強騎士団長ゼフィルだった。
「黒竜の呪い」に侵され、あらゆる魔法を受け付けない彼の体。
しかし、エリナの持つ「細胞そのものを活性化させる」地味な治癒力だけが、彼の呪いを解く唯一の鍵で……!?
無能扱いされた聖女と、余命わずかの最強騎士。
二人が辺境で紡ぐ、温かくて幸せな再生と溺愛の物語。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる