貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの

文字の大きさ
14 / 54

明かされる真実 王太子side

僕はイライラしながらも王宮へと戻っていた。


クソッ・・・!


エレンもモーガン公爵令息も僕が国王になったら見ていろ!




王宮についた僕を待っていたのは前に追い出した侍従だった。


「殿下、どちらへ行かれていたのですか?」


侍従は頭を下げてから僕に尋ねた。


「ローラン公爵邸だ。」


侍従は驚いたように僕を見た。


「・・・え?何故公爵邸へ?」


「エレンはリサに嫌がらせをしていたんだ。僕のいない間に。リサが平民であることを理由にかなりやっていたみたいだ。だから抗議しに行ったんだ。本当、エレンには失望したよ。」


そう言い終わる頃には侍従がプルプルと震えていた。


「?おい、何でそんなー」


「殿下はっ!馬鹿なんですかっ!?」


侍従は僕の言葉を遮り、声を荒げた。


「エレン様がそんなことをするはずがないでしょう!?」


いつもと違う様子の侍従に僕は慌てた。


「おい、何でそんなに怒っているんだ・・・。」


「殿下。思い出してみてください。殿下は幼い頃王宮の使用人達に冷遇されていましたね?そしてそれがある日を境に突然無くなったのを覚えていますか?」


侍従は僕をじっと見据えて尋ねる。


「あ、あぁ・・・だけどその話と今回の話何の関係があるんだ。」


「殿下・・・あなたは本当に何も知らないのですね。」


侍従は憐みを含んだ目で僕を見た後、驚きの事実を告げたのだ。


「あれが無くなったのはエレン様が王宮の使用人達に直接注意したからです。エレン様は筆頭公爵家のご令嬢。そして王宮の使用人達のほとんどは下位貴族の者です。おそらくその使用人たちは公爵家を敵に回すのは避けたいから従ったのでしょう。その時にエレン様は言っておられました。血筋がどうであれ殿下はこの国の王族に変わりはないのだと。そんな方が平民だということを理由に嫌がらせをすると思いますか?」


僕は言葉が出なかった。


「なん・・・だと・・・?」


あれは・・・エレンのおかげだったのか・・・!?


「だ、だけどエレンは僕とリサを暗殺しようとしたんだ!部屋にいたら突然矢が飛んできて・・・」


侍従はそんな僕を哀れんだ目で見つめる。


「はぁ・・・それはおそらく第二王子殿下の母君である側妃様からの刺客でしょう。あの方は本当に懲りないですね・・・。」


側妃からの刺客だと!?


「ま、待て!シャルルは僕が国王になることに賛成していたぞ!王位に興味がないとも言っていたし!」


「シャルル殿下はそうでも、母君である側妃様はそうではありません。あの方は昔からずっと殿下の命を狙っていたのですよ。」


昔から!?


「僕は一度も命を狙われたことなんてないぞ!」


「ここまで言ってまだ分かりませんか?」


も、もしかして・・・。


「エレン様が殿下を守っていたのですよ。長年、その刺客から。」


そう、だったのか・・・・・


僕はがっくりと膝をついた。


僕はエレンにも公爵令息にもひどいことを言ってしまった。


俯く僕に侍従が声をかける。


「・・・殿下、これからどうなさるおつもりですか?」


「・・・。」


僕は答えなかったが侍従が淡々と告げる。


「おそらく殿下は、王太子の地位からおろされるでしょう。」


!?


「なっ、何故だ!?」


「考えればすぐにわかることです。殿下の母君である王妃陛下も婚約者であるリサ様も平民。後ろ盾もない王子が国王になれるわけがないでしょう。」


「だっ、だけど父上は平民だった母上を王妃にしたではないか!」


「あれは当時国王陛下が絶大な権力を誇っていたからです。何度も戦争で武功を立て、父や兄、王族の血筋の者を全て殺し王位についたのですから。逆らえる者など誰もおりません。」


何だと!?父上はそんなに残虐な人間だったのか!?


次々と明らかになる事実に僕はしばらく言葉が出なかった。




「殿下・・・これからのことをご自身でよくお考え下さい。」


そう言うと侍従は背を向けて去っていった。


あなたにおすすめの小説

あなたの隣に私は必要ですか?

らんか
恋愛
政略結婚にて、3年前より婚約し、学園卒業と共に嫁ぐ予定であったアリーシア。 しかし、諸事情により結婚式は延期され、次の結婚式の日取りさえなかなか決められない状況であった。 そんなアリーシアの婚約者ルートヴィッヒは、護衛対象である第三王女ミーアの傍を片時も離れようとしない。 月1回の婚約者同士のお茶会もすぐに切り上げてしまい、夜会へのエスコートすらしてもらった事がない。 そんな状況で、アリーシアは思う。 私はあなたの隣に必要でしょうか? あなたが求めているのは別の人ではないのでしょうかと。 * 短編です。4/4に完結します。 ご感想欄は都合により、閉じさせて頂きます。

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ
恋愛
辺境地に住まう伯爵令嬢のメアリ。 婚約者は幼馴染で聖騎士、親友は魔術師で優れた能力を持つていた。 対するメアリは魔力が低く治癒師だったが二人が大好きだったが、戦場から帰還したある日婚約者に別れを告げられる。 相手は幼少期から慕っていた親友だった。 彼は優しくて誠実な人で親友も優しく思いやりのある人。 だから婚約解消を受け入れようと思ったが、学園内では愛する二人を苦しめる悪女のように噂を流され別れた後も悪役令嬢としての噂を流されてしまう 学園にも居場所がなくなった後、悲しみに暮れる中。 一人の少年に手を差し伸べられる。 その人物は光の魔力を持つ剣帝だった。 一方、学園で真実の愛を貫き何もかも捨てた二人だったが、綻びが生じ始める。 聖騎士のスキルを失う元婚約者と、魔力が渇望し始めた親友が窮地にたたされるのだが… タイトル変更しました。

【完結】王妃はもうここにいられません

なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」  長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。  だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。  私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。  だからずっと、支えてきたのだ。  貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……  もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。 「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。  胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。  周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。  自らの前世と、感覚を。 「うそでしょ…………」  取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。  ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。 「むしろ、廃妃にしてください!」  長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………    ◇◇◇  強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。  ぜひ読んでくださると嬉しいです!

捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。 彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。 さて、どうなりますでしょうか…… 別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。 突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか? 自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。 私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。 それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。 ありがとうございます。 様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。 ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。 申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。 もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。 7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい

神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。  嘘でしょう。  その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。  そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。 「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」  もう誰かが護ってくれるなんて思わない。  ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。  だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。 「ぜひ辺境へ来て欲しい」  ※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m  総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ  ありがとうございます<(_ _)>

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

【完結済】政略結婚予定の婚約者同士である私たちの間に、愛なんてあるはずがありません!……よね?

鳴宮野々花
恋愛
「どうせ互いに望まぬ政略結婚だ。結婚までは好きな男のことを自由に想い続けていればいい」「……あらそう。分かったわ」婚約が決まって以来初めて会った王立学園の入学式の日、私グレース・エイヴリー侯爵令嬢の婚約者となったレイモンド・ベイツ公爵令息は軽く笑ってあっさりとそう言った。仲良くやっていきたい気持ちはあったけど、なぜだか私は昔からレイモンドには嫌われていた。  そっちがそのつもりならまぁ仕方ない、と割り切る私。だけど学園生活を過ごすうちに少しずつ二人の関係が変わりはじめ…… ※※ファンタジーなご都合主義の世界観でお送りする学園もののお話です。史実に照らし合わせたりすると「??」となりますので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。 ※※大したざまぁはない予定です。気持ちがすれ違ってしまっている二人のラブストーリーです。 ※この作品は小説家になろうにも投稿しています。