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憧れ リサside
あたしの名前はリサ。
平民だから家名はない。
あたしは元々王国の男爵領の領民として暮らしていた。
「もう、なんであたしがこんなことしなきゃいけないのよ!!!」
あたしは畑を耕しながら声を荒げた。
それを聞いたジャックが呆れた様子で私に言った。
「我慢しろよリサ。俺たちはこうすることでしか生きられねえんだ。」
ジャックはあたしの隣の家に住む同い年の男子だ。
親同士の仲が良かったこともあり幼い頃からよく遊んでいた。
いわゆる幼馴染というやつだ。
「あたしはお姫様なの!!!いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるんだから!!!」
あたしのその言葉にジャックはギャハハと笑い出す。
「お前、いい加減にしろよ。昔から言ってるだろ。平民と王子が結婚とか天地がひっくり返ってもありえねえって。」
あたしはジャックのその言葉にイラッとした。
あたしは昔から貴族令嬢に憧れを抱いていた。
美しいドレスを着てキラキラしている貴族令嬢。
畑仕事なんてやったこともないだろうに。
「そんなの、分からないじゃない!」
「いや、普通に考えたら分かるだろ。平民が王妃になれるわけがない。そんなのは子供でも分かる。」
ジャック、今に見てなさい・・・!
あたしは目の前で大笑いするジャックをいつか見返してやろうと思った。
そんなある日、あたしは領地の中心街にある書店に来ていた。
あたしは恋愛小説が好きだ。
勉強の本を読むのは嫌いだが、恋愛小説は別だ。
今日はどんな本を読もうかな。
そう思って店内に並ぶ本を見ていたとき、ある一冊の本が目に留まった。
ん・・・?これは・・・?
その本は「美貌の王子と平民の少女」というタイトルの本だった。
あらすじを読んでみてあたしは驚いた。
これこそあたしの理想そのものだったからだ。
この本は、タイトル通り王子と平民の恋物語で、誰にも心を開くことのなかった冷酷で美しい王子が平民の少女と出会い、恋に落ちるというものだ。
王子には元々美しく聡明な婚約者がいたが、最終的にはヒロインを選んで結婚し、王と王妃になるという物語。
あたしはこの本に強く惹かれた。
そうよ、あたしはこうなりたかったのよ。
あたしはしばらくその本を食い入るようにじっと眺めていた。
すると、店主があたしに声をかけてきた。
「こんにちは、お嬢さん。その本に興味があるのかい?」
店主は穏やかに微笑みながら
「あっ、こんにちは。はい!とっても素敵な物語ですよね!」
あたしは満面の笑みで答えた。
「そうだね。それは実話をもとにして作られたストーリーなんだ。知ってるかい?」
あたしはその言葉に驚いた。
この話が実話ですって!?
つまり、この物語は本当にあったことなのだ。
「え、そうなんですか!?」
「あぁ、その物語はね、現国王陛下と現王妃陛下のフィオナ様がモデルなんだよ。」
王様と王妃様が・・・。
結構最近じゃない!
「ということは、王妃様は元々は平民だったのですか?」
あたしは店主に尋ねた。
「そうそう。元々は市井で暮らす平民だったそうだ。それを視察に訪れた国王陛下が一目惚れしたんだと。なんともロマンチックな話だな。」
す、素敵・・・!
そうよ、これこそあたしの憧れよ!
「まぁ、我々にとっては夢のまた夢だけどね。」
「えっ、どういうことですか?」
「王妃陛下はね、類稀なる美貌を持っていたんだ。それも絶世の美女と呼ばれるほどのね。だから国王陛下に見初められた。」
なるほど、そういうことか。
類稀なる美貌・・・か。
あたしは家に帰って、両親に王妃様のことを聞いてみた。
すると、詳しく王様と王妃様の話を聞くことが出来た。
王妃様はとある侯爵領で暮らしていた平民で、そこに視察に来た王様に一目惚れされたそうだ。
王様は王妃様にアプローチを続け、王妃様も王様に次第に惹かれていった。
そして二人はめでたく両想いとなった。
だが、王様には婚約者がいた。
王様の婚約者は美しく聡明な名門侯爵家のご令嬢だった。
王様と王妃様の仲を嫉妬したそのご令嬢は王妃様に嫌がらせをするようになる。
それを王様が断罪し、婚約破棄を突き付け、二人は結婚した。
それを聞いたあたしは感動のあまり言葉が出なかった。
こんなおとぎ話のような話が実際にあっただなんて。
「リサ、お前は昔から夢見がちなところがある。国王陛下と王妃陛下の件は異例中の異例だ。」
「そうよリサ。やはり結婚は身の丈に合う相手とするのが一番いいと思うの。」
その後に両親が何か言ってきたがあたしの耳には一切入ってこなかった。
その日から王妃フィオナ様はあたしの憧れの存在となった。
平民だから家名はない。
あたしは元々王国の男爵領の領民として暮らしていた。
「もう、なんであたしがこんなことしなきゃいけないのよ!!!」
あたしは畑を耕しながら声を荒げた。
それを聞いたジャックが呆れた様子で私に言った。
「我慢しろよリサ。俺たちはこうすることでしか生きられねえんだ。」
ジャックはあたしの隣の家に住む同い年の男子だ。
親同士の仲が良かったこともあり幼い頃からよく遊んでいた。
いわゆる幼馴染というやつだ。
「あたしはお姫様なの!!!いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるんだから!!!」
あたしのその言葉にジャックはギャハハと笑い出す。
「お前、いい加減にしろよ。昔から言ってるだろ。平民と王子が結婚とか天地がひっくり返ってもありえねえって。」
あたしはジャックのその言葉にイラッとした。
あたしは昔から貴族令嬢に憧れを抱いていた。
美しいドレスを着てキラキラしている貴族令嬢。
畑仕事なんてやったこともないだろうに。
「そんなの、分からないじゃない!」
「いや、普通に考えたら分かるだろ。平民が王妃になれるわけがない。そんなのは子供でも分かる。」
ジャック、今に見てなさい・・・!
あたしは目の前で大笑いするジャックをいつか見返してやろうと思った。
そんなある日、あたしは領地の中心街にある書店に来ていた。
あたしは恋愛小説が好きだ。
勉強の本を読むのは嫌いだが、恋愛小説は別だ。
今日はどんな本を読もうかな。
そう思って店内に並ぶ本を見ていたとき、ある一冊の本が目に留まった。
ん・・・?これは・・・?
その本は「美貌の王子と平民の少女」というタイトルの本だった。
あらすじを読んでみてあたしは驚いた。
これこそあたしの理想そのものだったからだ。
この本は、タイトル通り王子と平民の恋物語で、誰にも心を開くことのなかった冷酷で美しい王子が平民の少女と出会い、恋に落ちるというものだ。
王子には元々美しく聡明な婚約者がいたが、最終的にはヒロインを選んで結婚し、王と王妃になるという物語。
あたしはこの本に強く惹かれた。
そうよ、あたしはこうなりたかったのよ。
あたしはしばらくその本を食い入るようにじっと眺めていた。
すると、店主があたしに声をかけてきた。
「こんにちは、お嬢さん。その本に興味があるのかい?」
店主は穏やかに微笑みながら
「あっ、こんにちは。はい!とっても素敵な物語ですよね!」
あたしは満面の笑みで答えた。
「そうだね。それは実話をもとにして作られたストーリーなんだ。知ってるかい?」
あたしはその言葉に驚いた。
この話が実話ですって!?
つまり、この物語は本当にあったことなのだ。
「え、そうなんですか!?」
「あぁ、その物語はね、現国王陛下と現王妃陛下のフィオナ様がモデルなんだよ。」
王様と王妃様が・・・。
結構最近じゃない!
「ということは、王妃様は元々は平民だったのですか?」
あたしは店主に尋ねた。
「そうそう。元々は市井で暮らす平民だったそうだ。それを視察に訪れた国王陛下が一目惚れしたんだと。なんともロマンチックな話だな。」
す、素敵・・・!
そうよ、これこそあたしの憧れよ!
「まぁ、我々にとっては夢のまた夢だけどね。」
「えっ、どういうことですか?」
「王妃陛下はね、類稀なる美貌を持っていたんだ。それも絶世の美女と呼ばれるほどのね。だから国王陛下に見初められた。」
なるほど、そういうことか。
類稀なる美貌・・・か。
あたしは家に帰って、両親に王妃様のことを聞いてみた。
すると、詳しく王様と王妃様の話を聞くことが出来た。
王妃様はとある侯爵領で暮らしていた平民で、そこに視察に来た王様に一目惚れされたそうだ。
王様は王妃様にアプローチを続け、王妃様も王様に次第に惹かれていった。
そして二人はめでたく両想いとなった。
だが、王様には婚約者がいた。
王様の婚約者は美しく聡明な名門侯爵家のご令嬢だった。
王様と王妃様の仲を嫉妬したそのご令嬢は王妃様に嫌がらせをするようになる。
それを王様が断罪し、婚約破棄を突き付け、二人は結婚した。
それを聞いたあたしは感動のあまり言葉が出なかった。
こんなおとぎ話のような話が実際にあっただなんて。
「リサ、お前は昔から夢見がちなところがある。国王陛下と王妃陛下の件は異例中の異例だ。」
「そうよリサ。やはり結婚は身の丈に合う相手とするのが一番いいと思うの。」
その後に両親が何か言ってきたがあたしの耳には一切入ってこなかった。
その日から王妃フィオナ様はあたしの憧れの存在となった。
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