貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの

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運命の人 リサside

それからあたしは馬車で王都へと向かった。


お貴族様が言っていた。


王都にはよくお忍びでお貴族様たちが訪れるのだと。


その中には高位貴族もいるらしい。


あたしはそれを狙った。




しばらくして、王都に辿り着いた。


「ここが王都・・・!」


あたしが住んでいた村とは比べ物にならないほど華やかなところだった。


ここであたしは成り上がるんだ。


そう心に誓い、さっそく準備に取り掛かった。


あたしは男爵家から宝石をいくつか持ってきていた。


それを換金し、王都での生活費に充てる。


家を借りて、そこに住み始める。


それから仕事を探す必要がある。


あたしは王都の中心にあるカフェに向かった。


ここはお貴族様もよく訪れると噂のカフェだった。


本当は仕事なんてしたくなかったが、仕事をしていない平民は貴族たちにとっては受けが悪いらしい。


だから仕方なくするのだ。


あたしはすぐにそのカフェの店主に働きたいと言い、即採用された。


このカフェは顔採用だという噂は本当だったようだ。


それからはそのカフェで必死に頑張って働いてますアピールをした。


そしたらあたしはいつしか看板娘になっていた。


あたし目当てにこのカフェに訪れる客も多い。


何人かにデートに誘われたり告白されたりしたがあたしは平民に興味はない。


全て断った。


噂通りこのカフェにはお貴族様がよく訪れた。


お貴族様は変装していてもオーラで分かる。


あたしはそういう客の前ではいつもより気合いを入れていた。


そうすると大体のお貴族様のお客さんはあたしを見て頬を染めた。


それからはお貴族様の常連がかなり増えた。


そしてその時はやってきた。


「君、この後空いてるかい?」


一人のお貴族様と思わしき男性があたしに声をかけてきたのだ。


嬉しさで舞い上がりそうだった。


声をかけてきた男性はあの男爵令息よりイケメンで、お金を持っていそうだ。


あたしはすぐその誘いに乗り、お貴族様とデートした。


その時分かったことだが、そのお貴族様は伯爵家のご令息だった。


伯爵家のご令息とのデートは最高だった。


欲しいものは何でも買ってもらえる。


相手はあたしのことを本気で好きになったようだった。


しかしそれ以上に嬉しいことがあった。


その伯爵家のご令息には婚約者がいたのだ。


それも侯爵家のご令嬢だった。


あたし、高貴な貴族のお嬢様に勝ったんだ。


そのことが嬉しかった。


その婚約者は冷たい方らしく、一緒にいて疲れるらしい。


それで、あたしをデートに誘ったわけね。


あたしは伯爵令息に「その婚約者様と婚約破棄してあたしをお嫁さんにして」と言った。


すると伯爵令息は驚いた顔をして「ははは・・・考えておくよ」と言っていた。


やった!これでもしかしたらあたしは伯爵夫人になれるかもしれない!


それからあたしは伯爵令息だけではなく他のお貴族様とも関係を持つようになった。


色んな貴族があたしの虜になったが・・・その中でもお気に入りは侯爵家のご令息だ。


彼の家門は本当に名門中の名門。


見目麗しく、地位も財力も申し分ない。


あたしはすぐに彼と関係を持った。


しかしそんな彼もまた婚約者がいた。


彼の幼馴染の侯爵家の令嬢だそうだ。


つい最近、その婚約者と喧嘩してしまったらしい。


だからあたしに話しかけたんだって。


この時あたしは人の婚約者と関係を持つことに優越感を感じていた。


相手の令嬢が高位貴族であればあるほどよかった。


あたしの魅力は高位貴族の令嬢より上なんだって言われているような気がしたから。






そんなある日のことだった。


あたしは運命の人に出会ってしまった。


店にやってきたとんでもなく美しい人。


サラサラした金髪に透き通った青い瞳。


あたしの視線はその人にくぎ付けになった。


なんて綺麗なの・・・。


それからあたしはその人に猛アタックを開始した。


その人の前で転んでか弱い女を演じたり、必死に頑張ってますアピールをしたりした。


そしたらその人も次第にあたしに心を開くようになった。


そしてあたしたちはすぐに親しくなった。


他の貴族令息と違ってその人だけはあたしになかなか手を出そうとしなかったけど。


そしてある日、あたしはその人がこの国の王太子エイドリアン殿下だということを知った。


その時、あたしの頭にはある考えがよぎった。


もしこの人を篭絡することが出来たら・・・


エイドリアン様は第一王子なのだから時期国王よね?


あたし、まさか王妃になれる・・・?


王妃になればあたしを馬鹿にしていたジャック、忌々しかった男爵家のやつらを見返すことが出来るかもしれない!


あたしはその時そう思った。


いや、それ以上に・・・


私の憧れの存在である王妃フィオナ様のようになれるかもしれない・・・!


王妃フィオナ様はエイドリアン様のお母様だ。


あたしは王妃フィオナ様に関してエイドリアン様に色々聞いたが、エイドリアン様はどうやらあまりお母様の話をしたくないらしい。


聞いてもあまり答えてくれなかった。


今ではエイドリアン様もあたしの店の常連だ。


よし、今日も気合入れて働くわよ!


そう思っていた時、あたしは店主に呼び出された。


「申し訳ないが、君には今日限りでここをやめてもらう。」


え・・・?


あたしは突然仕事をクビになってしまったのだ。


「ど、どうしてですか!?あたしはこの店の看板娘ですよ!?そんなあたしを追い出すだなんて・・・!」


あたしは必死で訴えた。


しかし店主の表情は変わらない。


「理由は君自身が一番知っていると思うが?」


・・・っ!?


あたしはギクリとした。


まさか、バレているの?


「うちの店でそういうことをしている子をこれ以上置いておくわけにはいかない。」


店主は冷たい声で言い放った。


あたしは何とか誤魔化そうとした。


「わ、私はそんなことしていません!誰から聞いたのかわかりませんが誤解です!」


しかし店主はあたしの言葉を信じなかった。


「・・・君が関係を持った貴族のうちの一人の婚約者の方が文句を言いに来たんだ。もちろん私も最初は普段真面目な君がそんなことをしているだなんて信じられなかった。しかし素行調査をしてみると君の本性が次々に出てきたんだ。これ以上君を置いておくわけにはいかない。」


な、なんですって―!?


自分が婚約者に愛されないからって・・・!





あたしは結局店を追い出された。


あたしはこれからどうすればいい・・・?


もう貴族令息たちと会えなくなるだなんて耐えられそうになかった。


誰か、誰か助けてよ!


途方に暮れていたその時―


「・・・リサッ!!!」


誰かに呼び止められた。


「・・・?」


後ろを振り返るとそこには・・・



「・・・エイドリアン様・・・?」


エイドリアン様が息切れしながら私の元へ走ってきていた。


「エイドリアン様・・・どうしてここに・・・?」


あたしは不思議に思い、尋ねた。


「君が・・・店を辞めたと聞いて・・・」


それで追いかけてきたわけ?


まあ何だっていいわ。


とにかく今はエイドリアン様しか頼れる人がいない。


「エイドリアン様ぁ~」


あたしはエイドリアン様に泣きついた。


貴族令息と関係を持っていたという冤罪でお店をクビになったと話した。


エイドリアン様は泣いて縋るあたしを見て簡単にその話を信じてくれた。


「・・・そうか。そうだったのか・・・。」


エイドリアン様はあたしに同情しているようだった。


「・・・リサ。よかったら王宮へ来ないか?」


「・・・え?」


驚くことにエイドリアン様はあたしを王宮へ連れて行ってくれるというのだ。


あの煌びやかな場所へ行けるの・・・?


あたしは舞い上がった。


「行きたいです!!!連れてってください!」


そうして私はエイドリアン殿下と共に王宮へと向かったのだった。

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