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74 戦争の終結
ウィルベルト王国とローレン王国による戦争の最中、ローレン王の自室にて。
「戦況はどうだ?」
「ウィルベルト王国の軍はかなり苦戦を強いられています。このままいけばローレンの勝利も近いかと」
王宮に残った全ての騎士たちを自分の護衛に当て、鉄壁の防御を築いていたローレン王はその言葉を聞いて嬉しそうに顔を輝かせた。
「そうか!さすがは公爵だな!やはりアイツは天才だ!アイツに指揮を任せてよかったよかった!」
ローレン王はそう言いながらうんうんと満足げに頷いた。
アイツとは王と昔から付き合いのある非常に優秀な男のことである。
お世辞にも優秀とは言えないローレン王と、全てにおいてが秀でているレスタリア公爵。
どこまでも正反対の二人が何故手を組んだのか。
それは利害関係の一致からだった。
ローレン王は数十年前の公爵との会話を思い出していた。
「――お前のところには優秀な薬師たちがいると聞いた」
レスタリア公爵が突然そんなことを言い始めたのが全ての始まりだった。
「何故それを……ハァ、本当にレスタリア公爵家の情報網は伊達じゃないな」
これはあまり世間には知られていないことだった。
知られたくなかったからだ。
いや、正確に言えば”知られてはいけなかった”
冷酷な公爵のことだ。
ローレン王はこれを利用して自分を脅迫してくるのかと思ったが、公爵が放った言葉に王は驚きを隠しきれなかった。
「お前に頼みがある」
「え……?」
公爵が自分に頼み事をした。
ローレン王にとってはそれだけでも十分衝撃だった。
レスタリア公爵は誰よりもプライドの高い男だったから。
話を聞くとどうやら公爵の妻が不治の病に罹ったようで寿命を延ばす薬が欲しいとのことだった。
人間の寿命を延ばす薬に関しては既にローレンの薬師たちが研究済みで完全では無かったが試作品が出来ているところだった。
そのときのローレン王の頭に浮かんだのはある考えだった。
(もしかしてこれを利用すればこの男を支配下に置けるんじゃ……?)
ローレン王は隠してはいたがレスタリア公爵の自分を馬鹿にするような態度に内心腹が立っていた。
しかし公爵は王が真正面から戦ったところで勝てる相手ではない。
そう思った王はニヤリと笑って口を開いた。
「良いだろう、聞いてやる!だが条件がある」
「……何だ」
明らかに不平等な条件を突き付けたというのに公爵は全て呑んだ。
どうやらそれほどに妻が大事らしい。
何故それほどまでに一人の女にこだわるのか、側室も愛妾も大勢いる王にとっては到底理解することなど出来なかった。
(既にローレンの勝利は決まったようなものだな。ウィルベルト王国を手に入れることが出来ればもう誰も私を馬鹿にすることなど出来まい)
ローレンの勝利を確信し、王が笑みを深くしたそのときだった――
「ん?何だ?」
突然外から音がしたと思えば、次の瞬間けたたましい音と共に王のいた部屋の扉が破壊された。
「だ、誰だ一体!無礼だぞ!」
突然の侵入者に王は怒りを露わにした。
立ち込める煙の中から現れたのは――
「お、お前は……!」
その人物を見たローレン王の顔が一瞬にして青ざめていく。
何せ煙の中から出てきたのは……
「随分舐めたことをしてくれたな、ローレンの王」
ローレンが戦争を仕掛けている相手であるウィルベルト王国の若き王レオンだったのだから。
「な、な、何故……」
返り血を浴びて全身血で染まっているレオンを見てローレン王は腰を抜かして尻もちを着いた。
そして怯えるように後ずさりしながら叫んだ。
「何故お前がここにいるんだ!城を守っていた騎士は何をしている!」
「安心しろ、殺しちゃいない。気絶させただけだ。お前のような愚王でも一介の騎士じゃ逆らえないからな」
「公爵は一体何をしているんだ!」
「――レスタリア公爵なら既に捕縛が済んでいる」
「な、何……?」
その言葉にローレン王の瞳が信じられないというように揺れた。
(そ、そんなはずはない……アイツが負けるだなんてありえない……誰よりも強いアイツが……)
信じたくなかった。
だが、それがもし嘘であるのなら何故レオンはここまで来れたのか。
「う、嘘だ……アイツは完璧な男だった……こんな小僧相手に負けるはずが……」
「これが証拠だ」
「……!」
レオンがローレン王に見せつけるようにして”あるもの”を床に落とした。
それを見たローレン王の顔がさらに青くなっていく。
レオンが落としたもの、それはレスタリア公爵が若い頃から愛用していた剣だった。
長年公爵と付き合いがあった王がそれを見間違えるはずがない。
床に落ちた剣は真っ二つに折れていて、それが公爵の敗北を切実に表していた。
「公爵は既に捕らえてある。次はお前だ、ローレンの王」
レオンはそう言いながら血の滴っている剣を王に向けた。それを見たローレンの王の体がビクリと震えた。
「お、おい待て。私を殺す気か!?」
「当然だろう。お前のやったことは万死に値する」
「ちょ、ちょっと待て!私はまだ死にたくない!何でもするから助けてくれ!お前が望むものは何だってやる!」
みっともなく命乞いをするローレン王をレオンは嘲笑した。
「ハッ……死ぬ覚悟も無いくせに戦争を仕掛けるとはな……」
ローレン王は間違いなく”愚王”だった。
これを愚王と呼ばずして何と言うのか。
そしてレオンは剣先をローレン王の首に突き付けた。
「や、やめろ!嫌だ、死にたくない!私は公爵に脅されていたんだ!本当はこんなことしたくなかった!」
「……口を閉じろ」
死が間近に迫っているのを感じ取ったのかローレン王は泣き喚いた。
レオンはそんな王を見てハァとため息をつくと静かな口調で命じた。
「――おい、今すぐ軍隊を撤退させろ」
「…………………………へ?」
思いもよらないレオンのその言葉に、ローレン王は間抜けな声を出した。
「死にたいのか!!!早くしろ!!!」
「わ、分かった!すぐに撤退させる!」
レオンの鬼気迫った表情に王はすぐに軍の撤退を命じた。
それからレオンはローレン王に条件を突き付けた。
「この戦いはローレンの負けだ。ローレンはウィルベルト王国の属国になってもらう」
「何だと!?そんなの認められるか!」
「なら私と戦って今ここで死ぬか?」
「うっ……」
よほど命が惜しかったのか、その言葉にローレン王は黙り込んだ。
「それと、お前は私と一緒にウィルベルト王国に来てもらう」
「な、何故……」
「要求を呑めば命だけは助けてやろう」
レオンのその言葉を聞いた王はキラキラと目を輝かせた。
「ほ、本当か!?」
「ああ、約束しよう」
それを聞くなりローレン王は先ほどとは打って変わってレオンに従順になった。
レオンはそんな王を捕縛し、王国にいる騎士に連絡を入れ部屋を後にした。
こうしてウィルベルト王国とローレン王国の戦争は終結した。
紛れもなく、レオン王の手によって。
「戦況はどうだ?」
「ウィルベルト王国の軍はかなり苦戦を強いられています。このままいけばローレンの勝利も近いかと」
王宮に残った全ての騎士たちを自分の護衛に当て、鉄壁の防御を築いていたローレン王はその言葉を聞いて嬉しそうに顔を輝かせた。
「そうか!さすがは公爵だな!やはりアイツは天才だ!アイツに指揮を任せてよかったよかった!」
ローレン王はそう言いながらうんうんと満足げに頷いた。
アイツとは王と昔から付き合いのある非常に優秀な男のことである。
お世辞にも優秀とは言えないローレン王と、全てにおいてが秀でているレスタリア公爵。
どこまでも正反対の二人が何故手を組んだのか。
それは利害関係の一致からだった。
ローレン王は数十年前の公爵との会話を思い出していた。
「――お前のところには優秀な薬師たちがいると聞いた」
レスタリア公爵が突然そんなことを言い始めたのが全ての始まりだった。
「何故それを……ハァ、本当にレスタリア公爵家の情報網は伊達じゃないな」
これはあまり世間には知られていないことだった。
知られたくなかったからだ。
いや、正確に言えば”知られてはいけなかった”
冷酷な公爵のことだ。
ローレン王はこれを利用して自分を脅迫してくるのかと思ったが、公爵が放った言葉に王は驚きを隠しきれなかった。
「お前に頼みがある」
「え……?」
公爵が自分に頼み事をした。
ローレン王にとってはそれだけでも十分衝撃だった。
レスタリア公爵は誰よりもプライドの高い男だったから。
話を聞くとどうやら公爵の妻が不治の病に罹ったようで寿命を延ばす薬が欲しいとのことだった。
人間の寿命を延ばす薬に関しては既にローレンの薬師たちが研究済みで完全では無かったが試作品が出来ているところだった。
そのときのローレン王の頭に浮かんだのはある考えだった。
(もしかしてこれを利用すればこの男を支配下に置けるんじゃ……?)
ローレン王は隠してはいたがレスタリア公爵の自分を馬鹿にするような態度に内心腹が立っていた。
しかし公爵は王が真正面から戦ったところで勝てる相手ではない。
そう思った王はニヤリと笑って口を開いた。
「良いだろう、聞いてやる!だが条件がある」
「……何だ」
明らかに不平等な条件を突き付けたというのに公爵は全て呑んだ。
どうやらそれほどに妻が大事らしい。
何故それほどまでに一人の女にこだわるのか、側室も愛妾も大勢いる王にとっては到底理解することなど出来なかった。
(既にローレンの勝利は決まったようなものだな。ウィルベルト王国を手に入れることが出来ればもう誰も私を馬鹿にすることなど出来まい)
ローレンの勝利を確信し、王が笑みを深くしたそのときだった――
「ん?何だ?」
突然外から音がしたと思えば、次の瞬間けたたましい音と共に王のいた部屋の扉が破壊された。
「だ、誰だ一体!無礼だぞ!」
突然の侵入者に王は怒りを露わにした。
立ち込める煙の中から現れたのは――
「お、お前は……!」
その人物を見たローレン王の顔が一瞬にして青ざめていく。
何せ煙の中から出てきたのは……
「随分舐めたことをしてくれたな、ローレンの王」
ローレンが戦争を仕掛けている相手であるウィルベルト王国の若き王レオンだったのだから。
「な、な、何故……」
返り血を浴びて全身血で染まっているレオンを見てローレン王は腰を抜かして尻もちを着いた。
そして怯えるように後ずさりしながら叫んだ。
「何故お前がここにいるんだ!城を守っていた騎士は何をしている!」
「安心しろ、殺しちゃいない。気絶させただけだ。お前のような愚王でも一介の騎士じゃ逆らえないからな」
「公爵は一体何をしているんだ!」
「――レスタリア公爵なら既に捕縛が済んでいる」
「な、何……?」
その言葉にローレン王の瞳が信じられないというように揺れた。
(そ、そんなはずはない……アイツが負けるだなんてありえない……誰よりも強いアイツが……)
信じたくなかった。
だが、それがもし嘘であるのなら何故レオンはここまで来れたのか。
「う、嘘だ……アイツは完璧な男だった……こんな小僧相手に負けるはずが……」
「これが証拠だ」
「……!」
レオンがローレン王に見せつけるようにして”あるもの”を床に落とした。
それを見たローレン王の顔がさらに青くなっていく。
レオンが落としたもの、それはレスタリア公爵が若い頃から愛用していた剣だった。
長年公爵と付き合いがあった王がそれを見間違えるはずがない。
床に落ちた剣は真っ二つに折れていて、それが公爵の敗北を切実に表していた。
「公爵は既に捕らえてある。次はお前だ、ローレンの王」
レオンはそう言いながら血の滴っている剣を王に向けた。それを見たローレンの王の体がビクリと震えた。
「お、おい待て。私を殺す気か!?」
「当然だろう。お前のやったことは万死に値する」
「ちょ、ちょっと待て!私はまだ死にたくない!何でもするから助けてくれ!お前が望むものは何だってやる!」
みっともなく命乞いをするローレン王をレオンは嘲笑した。
「ハッ……死ぬ覚悟も無いくせに戦争を仕掛けるとはな……」
ローレン王は間違いなく”愚王”だった。
これを愚王と呼ばずして何と言うのか。
そしてレオンは剣先をローレン王の首に突き付けた。
「や、やめろ!嫌だ、死にたくない!私は公爵に脅されていたんだ!本当はこんなことしたくなかった!」
「……口を閉じろ」
死が間近に迫っているのを感じ取ったのかローレン王は泣き喚いた。
レオンはそんな王を見てハァとため息をつくと静かな口調で命じた。
「――おい、今すぐ軍隊を撤退させろ」
「…………………………へ?」
思いもよらないレオンのその言葉に、ローレン王は間抜けな声を出した。
「死にたいのか!!!早くしろ!!!」
「わ、分かった!すぐに撤退させる!」
レオンの鬼気迫った表情に王はすぐに軍の撤退を命じた。
それからレオンはローレン王に条件を突き付けた。
「この戦いはローレンの負けだ。ローレンはウィルベルト王国の属国になってもらう」
「何だと!?そんなの認められるか!」
「なら私と戦って今ここで死ぬか?」
「うっ……」
よほど命が惜しかったのか、その言葉にローレン王は黙り込んだ。
「それと、お前は私と一緒にウィルベルト王国に来てもらう」
「な、何故……」
「要求を呑めば命だけは助けてやろう」
レオンのその言葉を聞いた王はキラキラと目を輝かせた。
「ほ、本当か!?」
「ああ、約束しよう」
それを聞くなりローレン王は先ほどとは打って変わってレオンに従順になった。
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