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81 真実 フランチェスカ視点
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「え……陛下が毒をですか……?」
「ええ、玉座を狙うレスタリア公爵家の人間である愛妾にね」
「……」
(まさかフレイア様がレスタリア公爵家の人間だったなんて……)
私はそのことに驚きを隠せなかった。
レスタリア公爵家の名前は私もよく知っている。
いや、ウィルベルト王国でその名を知らない人間などいないだろう。
名門公爵家の一つで、私の生家であるヴェロニカ公爵家とはあまり仲が良くなかったため私はレスタリア家の人間とはほとんど関わったことが無かった。
(だから陛下はあんなありえないことを口にしていたのね……)
それを聞いて妙に納得した自分がいたが、それでも私が彼に酷いことをされたのは事実だ。
「……私にどうしろとおっしゃるのですか」
「さっきも言ったでしょう、レオン王を救ってほしいの」
「……あんな人知りません」
そう言ってそっぽを向いた私に女神様は困ったような顔をした。
しかし私の意思は変わらない。
(陛下がこの先どんな結末を迎えようと私には関係の無い話よ)
散々彼に傷付けられたのだ。
彼がどうなろうと私の知ったことではない。
「女神様、申し訳ありませんが私に出来ることなど何もありません。私はただ穏やかに暮らしたいだけなのです。ですからどうかもう私のことは放っておいてくださいませんか」
「……それは出来ないわ、彼には貴方が必要だから」
「……私が必要、ですか?」
「ええ」
王宮で完全にいない者として扱われた私にはその言葉を信じることが出来なかった。
「今は無理かもしれないけれど、貴方の気持ちが変わるかもしれないからいつでも彼の様子を見れるようにしておくわ」
女神様はそう言って水晶を置いたまま私の前から瞬く間に姿を消した。
(誰に何と言われようとも私の気持ちは変わらないわ……)
そんなことを思いながらも、私はチラリと彼が映し出されている水晶に目をやった。
「……」
水晶に映っている彼の姿を見て何故だか胸がズキズキと痛んだ。
――絶望、悲哀、憎悪
様々な感情が彼の顔から読み取ることが出来るが、そのどれもが良いとは言えないものだった。
(……どうして私が、彼に心を乱されているのよ)
気付けば私は水晶から目が離せなくなっていた。
そんな自分を恨めしく思いながらも水晶に映る彼をじっと見つめた。
(え……これって……)
ちょうど今、彼が訪れていたのはよく私たちがお茶をしていた庭園だった。
彼がフレイア様に惚れ込んでからはいつも一人で過ごしていたが。
陛下は庭園で大粒の涙を流していた。
彼の涙を見るのは初めてかもしれない。
それほどに彼は普段泣かない人だったから。
滅多に見ることの無い彼の泣き顔に心が揺れた。
(まさか……私が死んだことを悲しんでいるの……?)
生前の彼の様子からそれは信じられないことだった。
しかし、この状況はどう考えても……
それからというもの、私は注意深く彼を観察した。
「ええ、玉座を狙うレスタリア公爵家の人間である愛妾にね」
「……」
(まさかフレイア様がレスタリア公爵家の人間だったなんて……)
私はそのことに驚きを隠せなかった。
レスタリア公爵家の名前は私もよく知っている。
いや、ウィルベルト王国でその名を知らない人間などいないだろう。
名門公爵家の一つで、私の生家であるヴェロニカ公爵家とはあまり仲が良くなかったため私はレスタリア家の人間とはほとんど関わったことが無かった。
(だから陛下はあんなありえないことを口にしていたのね……)
それを聞いて妙に納得した自分がいたが、それでも私が彼に酷いことをされたのは事実だ。
「……私にどうしろとおっしゃるのですか」
「さっきも言ったでしょう、レオン王を救ってほしいの」
「……あんな人知りません」
そう言ってそっぽを向いた私に女神様は困ったような顔をした。
しかし私の意思は変わらない。
(陛下がこの先どんな結末を迎えようと私には関係の無い話よ)
散々彼に傷付けられたのだ。
彼がどうなろうと私の知ったことではない。
「女神様、申し訳ありませんが私に出来ることなど何もありません。私はただ穏やかに暮らしたいだけなのです。ですからどうかもう私のことは放っておいてくださいませんか」
「……それは出来ないわ、彼には貴方が必要だから」
「……私が必要、ですか?」
「ええ」
王宮で完全にいない者として扱われた私にはその言葉を信じることが出来なかった。
「今は無理かもしれないけれど、貴方の気持ちが変わるかもしれないからいつでも彼の様子を見れるようにしておくわ」
女神様はそう言って水晶を置いたまま私の前から瞬く間に姿を消した。
(誰に何と言われようとも私の気持ちは変わらないわ……)
そんなことを思いながらも、私はチラリと彼が映し出されている水晶に目をやった。
「……」
水晶に映っている彼の姿を見て何故だか胸がズキズキと痛んだ。
――絶望、悲哀、憎悪
様々な感情が彼の顔から読み取ることが出来るが、そのどれもが良いとは言えないものだった。
(……どうして私が、彼に心を乱されているのよ)
気付けば私は水晶から目が離せなくなっていた。
そんな自分を恨めしく思いながらも水晶に映る彼をじっと見つめた。
(え……これって……)
ちょうど今、彼が訪れていたのはよく私たちがお茶をしていた庭園だった。
彼がフレイア様に惚れ込んでからはいつも一人で過ごしていたが。
陛下は庭園で大粒の涙を流していた。
彼の涙を見るのは初めてかもしれない。
それほどに彼は普段泣かない人だったから。
滅多に見ることの無い彼の泣き顔に心が揺れた。
(まさか……私が死んだことを悲しんでいるの……?)
生前の彼の様子からそれは信じられないことだった。
しかし、この状況はどう考えても……
それからというもの、私は注意深く彼を観察した。
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