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18 王妃視点
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陛下と体が入れ替わってから三日目。
私は王妃を廃妃にする書類にサインをし、ついに手続きを完了させた。
(・・・やっとね)
私はそこでようやく一息つくことが出来た。
これでもう自由だ。長い間私を縛り付けていた王妃という地位も無くなった。
そして私はその日の重臣たちが集まる会議でレア様を王妃にすることを堂々と宣言した。
その間、私の体に入っている陛下はどうやらずっと部屋にこもっているようだった。それが好都合だった。もしこのことが陛下の耳に入ってしまえば私の計画が台無しになってしまう恐れがあるからだ。
(・・・・・でも、もうその心配も無さそうね)
私は疲れていたこともあって、そのままベッドにドサリと倒れ込んだ。
ベッドの上で目を閉じてじっと考え込んだ。
(これでもし体が戻らなければ・・・)
あとは元に戻った体で王宮を出て行くだけだ。
明日になっても体が元に戻らなかったらと思うと怖くなったが、どっと疲れが溜まっていた私はすぐに眠りについてしまった。
◇◆◇◆◇◆
次に目が覚めたのはまだ朝の四時だった。
この時間なら王宮にいる人間のほとんどが眠りについている頃だろう。つまり、一番動きやすい時間帯だということだ。
私はベッドから起き上がっておそるおそる自分の体を確認してみる。
「あ・・・」
鏡に映っていたのは、陛下ではなく私だった。
私の体はしっかりと元に戻っていた。
(よかった・・・戻らなかったらどうしようかと思っていたけれど・・・)
私はひとまずそのことに安堵した。
そしてすぐにベッドの下からケースを取り出すと私は着替えを済ませてすぐに王宮を出た。
途中すれ違った騎士たちにはかなり驚いた顔をされたが、皆私が王妃だと知っているため誰も止める者はいなかった。
そして私は無事に王宮を抜け出すと、馬車に乗り王宮から離れた村へと向かった。
次の住居は既に決めている。
私はそこで新しい人生を歩み始める。
思えば私は今まで色々なものに縛られ続けてきた。名門公爵家の令嬢として生まれ、幼い頃から王太子の婚約者に定められた。そこに私の意思は無かった。
(・・・何て無駄な人生だったのかしら)
昔の私はそれでいいと思っていた。親の言うことを聞くのが正しいのだと信じて疑わなかった。たとえ誰からも愛されていなくても、いい子にしていればきっといつか誰かが愛してくれると本気でそう思っていた。
しかし、親に言われるがまま生きた結果がこれだ。私の今までの人生は決して幸せとは言えないものだった。公爵邸は窮屈な場所だった。両親は跡継ぎである兄だけを可愛がっており、そこに私の居場所など無かった。
そしてようやくあの公爵邸から抜け出すことが出来たと思ったら今度はお飾りの王妃になった。私は初夜すら放置され、あの王宮で一人寂しく過ごすことになった。本当に地獄のような生活だったなと思う。
(・・・・・過去は過去なのよ)
私はそこまで考えてブンブンと首を横に振った。
もう何かに縛られた私ではない。これからは私の思うがままに生きていく。
私はそう思いながら馬車を下りた。
「あ・・・」
ふと空を見るとちょうど夜が過ぎ、朝日が昇り始めていた。
こんなにも爽やかな朝は生まれて初めてだ。
まるで天が私の新たな門出を祝ってくれているようだった。
私はその美しい空を見て決意した。
(・・・もう後ろは振り返らないわ。これからは好きなように生きていく)
そして、私はこれから始まる新生活に胸を躍らせながら目的地へ向かって歩き出した。
私は王妃を廃妃にする書類にサインをし、ついに手続きを完了させた。
(・・・やっとね)
私はそこでようやく一息つくことが出来た。
これでもう自由だ。長い間私を縛り付けていた王妃という地位も無くなった。
そして私はその日の重臣たちが集まる会議でレア様を王妃にすることを堂々と宣言した。
その間、私の体に入っている陛下はどうやらずっと部屋にこもっているようだった。それが好都合だった。もしこのことが陛下の耳に入ってしまえば私の計画が台無しになってしまう恐れがあるからだ。
(・・・・・でも、もうその心配も無さそうね)
私は疲れていたこともあって、そのままベッドにドサリと倒れ込んだ。
ベッドの上で目を閉じてじっと考え込んだ。
(これでもし体が戻らなければ・・・)
あとは元に戻った体で王宮を出て行くだけだ。
明日になっても体が元に戻らなかったらと思うと怖くなったが、どっと疲れが溜まっていた私はすぐに眠りについてしまった。
◇◆◇◆◇◆
次に目が覚めたのはまだ朝の四時だった。
この時間なら王宮にいる人間のほとんどが眠りについている頃だろう。つまり、一番動きやすい時間帯だということだ。
私はベッドから起き上がっておそるおそる自分の体を確認してみる。
「あ・・・」
鏡に映っていたのは、陛下ではなく私だった。
私の体はしっかりと元に戻っていた。
(よかった・・・戻らなかったらどうしようかと思っていたけれど・・・)
私はひとまずそのことに安堵した。
そしてすぐにベッドの下からケースを取り出すと私は着替えを済ませてすぐに王宮を出た。
途中すれ違った騎士たちにはかなり驚いた顔をされたが、皆私が王妃だと知っているため誰も止める者はいなかった。
そして私は無事に王宮を抜け出すと、馬車に乗り王宮から離れた村へと向かった。
次の住居は既に決めている。
私はそこで新しい人生を歩み始める。
思えば私は今まで色々なものに縛られ続けてきた。名門公爵家の令嬢として生まれ、幼い頃から王太子の婚約者に定められた。そこに私の意思は無かった。
(・・・何て無駄な人生だったのかしら)
昔の私はそれでいいと思っていた。親の言うことを聞くのが正しいのだと信じて疑わなかった。たとえ誰からも愛されていなくても、いい子にしていればきっといつか誰かが愛してくれると本気でそう思っていた。
しかし、親に言われるがまま生きた結果がこれだ。私の今までの人生は決して幸せとは言えないものだった。公爵邸は窮屈な場所だった。両親は跡継ぎである兄だけを可愛がっており、そこに私の居場所など無かった。
そしてようやくあの公爵邸から抜け出すことが出来たと思ったら今度はお飾りの王妃になった。私は初夜すら放置され、あの王宮で一人寂しく過ごすことになった。本当に地獄のような生活だったなと思う。
(・・・・・過去は過去なのよ)
私はそこまで考えてブンブンと首を横に振った。
もう何かに縛られた私ではない。これからは私の思うがままに生きていく。
私はそう思いながら馬車を下りた。
「あ・・・」
ふと空を見るとちょうど夜が過ぎ、朝日が昇り始めていた。
こんなにも爽やかな朝は生まれて初めてだ。
まるで天が私の新たな門出を祝ってくれているようだった。
私はその美しい空を見て決意した。
(・・・もう後ろは振り返らないわ。これからは好きなように生きていく)
そして、私はこれから始まる新生活に胸を躍らせながら目的地へ向かって歩き出した。
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