なんだかんだで妖怪相談所はじめました(仮)

杵島玄明

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プロローグ

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「だからぁ~、俺に言われても困るんだってば~」

たった今俺の目の前では、喪服の女は肩を震わ恨めし気に泣き続けている。

「私はただ・・・・ずっとそうして・・・・きたから・・・・
 これからもそうして・・・・いきたいだけなのにぃ~・・・うっ・・」

――はぁ~、もぉ勘弁してくれ・・・

正直言って今、泣きたいのは確実に俺の方である。一体どうしてこんな事態になったのか。
半ばうんざりした気持ちで目の前の女を見るとこれっぽちも悪びれる風もなく悲劇のヒロイン気取りで泣き続けている。

「あのさぁ、見ず知らずの他人の葬式に行くことが、そもそもの間違いなんじゃないかなぁ。
今時は変な奴も多いから、葬式が大きければ大きい程セキリティチェックなんかも厳しくなって当然だろうし・・・」

女は両手で顔を覆った指の隙間から、じっとりとした視線を俺に向けた。
長い黒髪が顔にかかり、更に指と指の間でぎょろりと動く目は俺を震え上がらせるのに十分の迫力がある。一瞬にして全身に鳥肌が立った。

「それでも私はっ・・・」

 両手で顔を覆ったまま指の隙間から俺を見ながらずんずんと前のめりになる女に、思わず俺の方がのけぞる。

「自慢じゃありませんが、・・・・今まで多くの人間の役にたって・・・きたんです・・・・葬式の場で私が泣くことで・・・・家族が改めて故人への感謝や・・・・在りし日の思い出を思い出すことができるんです・・・・うっ・・・」
――言ってることがめちゃくちゃだ・・・しかもこの女、絶対ひかないつもりだな・・・・

なぜ今、俺がこんな状況に陥っているかというと・・・
それを説明するには、少し時を遡って説明しなければならない

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