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1章-出会う
7話-中央都と薬屋
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早速、国王の城へ行くために中央都へ向けて家を出る。
もちろん、ラシスやパイロも一緒だ。
「・・・・・・緊張してきた」
「何をおっしゃいます!私たちがいますよ!大丈夫です。レオナ様を侮辱する阿呆には一発くらわせます」
「ありがとうラシス・・・・・・でもくらわせなくてもいいよ・・・・・・」
レハトル湖の周辺を囲むように幾つかの小さな村があり、そのさらに北の森を抜けると栄えた街がある。そこが中央都だ。レオナ達の家はレハトル湖の南にあるので正反対であるが、なるべく中央都から遠ざかった場所に住みたいという泣き虫勇者の意見がそのまま反映されているのである。
森には多種多様な魔物が住んでいる。かと言っても、人間に危害を加えるような魔物ではないので警戒しなくても大丈夫だ。
でもまあ、レオナは泣き虫なので、
「ん?・・・・・・ひぇやあ!!」
藪から出てきたウサギに尻餅をつく始末。
「はいはーい、いきますよー」
「ひぇえぇぇ・・・・・・パイロォォォ」
側近に服を引っ張られて引きずられる勇者。面白い絵面だ。
「おのれ野ウサギ、レオナ様に無礼をはたらきおったな・・・・・・今晩はウサギのシチュー・・・・・・」
ラシスはウサギに殺意剥き出し。ウサギは怯えてしまっている。
「はいはーい、夕食は国王が用意してくれますよー」
こちらもパイロに引きずられる。
○
城の一室。国王の部屋だ。
「お呼びでしょうか、王」
一人の若い執事が部屋の前で王を呼ぶ。
「ああ、もうすぐ勇者一行が城に来る。今回はレオナもいるとのことだ。使いを中央都に送ってくれ」
「かしこまりました」
執事は傍にいた黒装束の女に目配せをする。その女は目配せの意味を理解し、一瞬でその場から消えた。
「おお、我が勇者レオナ・・・・・・ようやく僕の城に足を踏み入れるのか・・・・・・」
○
「おおぉ!来たぞ来たぞ!中央都だ!」
行き交う人々。威勢のいい商店のおじさん。笑顔の子ども達。中央の噴水広場。奥に大きな城。
「レオナ様、約束の時間までまだありますが如何いたしましょう?」
どうやら夕食と同時に会議があるようで、それにレオナ一行が参加することになっているそうだ。
「そうだな・・・・・・街の探検でもしよう!パイロ、案内してくれ」
パイロは実験材料調達のため、時々中央都に足を運んでいる。少しくらい知っているはずだ。
「ええ、構いません。俺のオススメのお店、紹介します」
連れてこられたのは薄暗い店。
「え?ここ何屋さん?」
「見ての通り、薬屋ですよ」
「なんか変な匂いします・・・・・・」
ラシスはウゲェーとしかめっ面。レオナはパイロの後ろに隠れている。
「いらっしゃい」
「ひぇぇぇぇえええ!」
突然、奥からかすれた声が聞こえた。レオナは飛び上がる。
「あ、ヨヨじい。俺です」
「あ?パイロか。なんだい、客じゃねえのかい。今日は何の用だ」
カウンターの向こうに現れたのはちっこいハゲたおじさん。
「よよよよよよヨヨじい?って、誰!」
「レオナ様、落ち着いてください。ヨヨじいは俺の薬の師匠です。これを機に紹介しようと思いまして」
唐突なカミングアウト。なんと、天才薬師騎士の師匠が現れたのだ!
「師匠!?そんなの初耳だよ!パイロに師匠がいたなんて・・・・・・」
「私も初めて知りました」
「だって誰も何も聞いてこないんですもん」
まあそうだけど!
「あ?用事が無いなら帰れ。邪魔だ」
鬼の形相。
「ひぇぇえ!いいいいい、いつもパイロにお世話になってます!どうもありがとうございます!では!」
怖い。帰りたい。
が、振り返った瞬間、パイロに捕まった。
「ヨヨじい、この人が勇者レオナ=アンノルム様です」
「何?この小僧がか?パイロよりチビじゃねえか」
あんたに言われたくない!という言葉は飲み込んだ。
ていうか何勝手に勇者って紹介してんだよ!
「ふーん、まあ、パイロが着いていくっつったヤツだから見込みはあるんだろうがよ」
まじまじとみられるレオナは涙を貯めている。
「で、用事はねえのか?」
「はい!ありません!帰ります!」
レオナが叫び、振り返った瞬間、パイロに捕まった。
「いえ、一つヨヨじいにお願いが」
「あ?」
「裏の仕事で俺達に協力して欲しいんです」
裏の仕事・・・・・・?
「・・・・・・けっ、んなことか。いいぜ、奥に来な」
「ありがとうございます」
ヨヨじいは店の奥へ姿を消した。
「パイロ、裏の仕事って何?」
「ヨヨじいは表向きは薬屋さんですが、裏では情報屋として稼いでいるんです」
「なんと」
驚きの新事実。
レオナ一行はヨヨじいに言われるがまま、店の奥へ姿を消した。
もちろん、ラシスやパイロも一緒だ。
「・・・・・・緊張してきた」
「何をおっしゃいます!私たちがいますよ!大丈夫です。レオナ様を侮辱する阿呆には一発くらわせます」
「ありがとうラシス・・・・・・でもくらわせなくてもいいよ・・・・・・」
レハトル湖の周辺を囲むように幾つかの小さな村があり、そのさらに北の森を抜けると栄えた街がある。そこが中央都だ。レオナ達の家はレハトル湖の南にあるので正反対であるが、なるべく中央都から遠ざかった場所に住みたいという泣き虫勇者の意見がそのまま反映されているのである。
森には多種多様な魔物が住んでいる。かと言っても、人間に危害を加えるような魔物ではないので警戒しなくても大丈夫だ。
でもまあ、レオナは泣き虫なので、
「ん?・・・・・・ひぇやあ!!」
藪から出てきたウサギに尻餅をつく始末。
「はいはーい、いきますよー」
「ひぇえぇぇ・・・・・・パイロォォォ」
側近に服を引っ張られて引きずられる勇者。面白い絵面だ。
「おのれ野ウサギ、レオナ様に無礼をはたらきおったな・・・・・・今晩はウサギのシチュー・・・・・・」
ラシスはウサギに殺意剥き出し。ウサギは怯えてしまっている。
「はいはーい、夕食は国王が用意してくれますよー」
こちらもパイロに引きずられる。
○
城の一室。国王の部屋だ。
「お呼びでしょうか、王」
一人の若い執事が部屋の前で王を呼ぶ。
「ああ、もうすぐ勇者一行が城に来る。今回はレオナもいるとのことだ。使いを中央都に送ってくれ」
「かしこまりました」
執事は傍にいた黒装束の女に目配せをする。その女は目配せの意味を理解し、一瞬でその場から消えた。
「おお、我が勇者レオナ・・・・・・ようやく僕の城に足を踏み入れるのか・・・・・・」
○
「おおぉ!来たぞ来たぞ!中央都だ!」
行き交う人々。威勢のいい商店のおじさん。笑顔の子ども達。中央の噴水広場。奥に大きな城。
「レオナ様、約束の時間までまだありますが如何いたしましょう?」
どうやら夕食と同時に会議があるようで、それにレオナ一行が参加することになっているそうだ。
「そうだな・・・・・・街の探検でもしよう!パイロ、案内してくれ」
パイロは実験材料調達のため、時々中央都に足を運んでいる。少しくらい知っているはずだ。
「ええ、構いません。俺のオススメのお店、紹介します」
連れてこられたのは薄暗い店。
「え?ここ何屋さん?」
「見ての通り、薬屋ですよ」
「なんか変な匂いします・・・・・・」
ラシスはウゲェーとしかめっ面。レオナはパイロの後ろに隠れている。
「いらっしゃい」
「ひぇぇぇぇえええ!」
突然、奥からかすれた声が聞こえた。レオナは飛び上がる。
「あ、ヨヨじい。俺です」
「あ?パイロか。なんだい、客じゃねえのかい。今日は何の用だ」
カウンターの向こうに現れたのはちっこいハゲたおじさん。
「よよよよよよヨヨじい?って、誰!」
「レオナ様、落ち着いてください。ヨヨじいは俺の薬の師匠です。これを機に紹介しようと思いまして」
唐突なカミングアウト。なんと、天才薬師騎士の師匠が現れたのだ!
「師匠!?そんなの初耳だよ!パイロに師匠がいたなんて・・・・・・」
「私も初めて知りました」
「だって誰も何も聞いてこないんですもん」
まあそうだけど!
「あ?用事が無いなら帰れ。邪魔だ」
鬼の形相。
「ひぇぇえ!いいいいい、いつもパイロにお世話になってます!どうもありがとうございます!では!」
怖い。帰りたい。
が、振り返った瞬間、パイロに捕まった。
「ヨヨじい、この人が勇者レオナ=アンノルム様です」
「何?この小僧がか?パイロよりチビじゃねえか」
あんたに言われたくない!という言葉は飲み込んだ。
ていうか何勝手に勇者って紹介してんだよ!
「ふーん、まあ、パイロが着いていくっつったヤツだから見込みはあるんだろうがよ」
まじまじとみられるレオナは涙を貯めている。
「で、用事はねえのか?」
「はい!ありません!帰ります!」
レオナが叫び、振り返った瞬間、パイロに捕まった。
「いえ、一つヨヨじいにお願いが」
「あ?」
「裏の仕事で俺達に協力して欲しいんです」
裏の仕事・・・・・・?
「・・・・・・けっ、んなことか。いいぜ、奥に来な」
「ありがとうございます」
ヨヨじいは店の奥へ姿を消した。
「パイロ、裏の仕事って何?」
「ヨヨじいは表向きは薬屋さんですが、裏では情報屋として稼いでいるんです」
「なんと」
驚きの新事実。
レオナ一行はヨヨじいに言われるがまま、店の奥へ姿を消した。
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