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4 ~天界サイド~ 女神ファドミーレは聖女の要望を受け止める
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「あ~とうとう代替わりの依頼来たかぁ~・・・」
私がため息をつくと、そばにいた上司のソラシード様がこちらへやってきた。
「どうした、ファドミーレ。聖女の代替わりに何か厄介ごとでも?」
「いえ、厄介というわけではないんですけどね。今回の聖女は愚痴・・・じゃなかった、夜のお祈りの内容が割と面白かったので、残念だな~と」
「お前が設定したあの変な祈りの時間か」
「変だなんて失礼な。女神にだって娯楽ぐらいあったっていいじゃないですか」
「毎回ネタを考えるのが大変そうだったぞ、お前んとこの聖女」
ふん。それがどうした。力を分け与えてあげてるんだから、少しぐらい報酬があったっていいじゃないの。私はまだ女神としては駆け出し。これから修行を積んで、より力のある神様にならなきゃいけないんだけど、楽しみがなきゃやってられないわ。
「でも今回、ちょっと不思議な提案をされているんですよ」
「どんな?」
私は、聖女から依頼された代替わりの詳細な要望について、ソラシード様に報告した。
「へえ・・・なるほどな。今の下界はそういう風潮なのか」
「どう思います?」
「いいんじゃないか?私たちも、時代に合わせたニーズに応えていかないとな」
「では、許可ということですね」
「ああ。面白いことになりそうだな?」
ニヤリと笑うソラシード様。自分だってしっかり娯楽を楽しんでいるじゃないの。
文句を言いたくても、相手は上司。早く昇進したいなぁ。
今の聖女の愚痴、じゃなかったお祈りも、あと一週間で聞けなくなるのかと思うと少し寂しい。領地の観光スポットやお勧めグルメも良かった。前の聖女のエッセイも面白かったし、過去の聖女たちのお料理レシピや小説の感想を聞くのも楽しかったな。
次代は果たして、どんなお祈りをしてくれるだろう?
私がため息をつくと、そばにいた上司のソラシード様がこちらへやってきた。
「どうした、ファドミーレ。聖女の代替わりに何か厄介ごとでも?」
「いえ、厄介というわけではないんですけどね。今回の聖女は愚痴・・・じゃなかった、夜のお祈りの内容が割と面白かったので、残念だな~と」
「お前が設定したあの変な祈りの時間か」
「変だなんて失礼な。女神にだって娯楽ぐらいあったっていいじゃないですか」
「毎回ネタを考えるのが大変そうだったぞ、お前んとこの聖女」
ふん。それがどうした。力を分け与えてあげてるんだから、少しぐらい報酬があったっていいじゃないの。私はまだ女神としては駆け出し。これから修行を積んで、より力のある神様にならなきゃいけないんだけど、楽しみがなきゃやってられないわ。
「でも今回、ちょっと不思議な提案をされているんですよ」
「どんな?」
私は、聖女から依頼された代替わりの詳細な要望について、ソラシード様に報告した。
「へえ・・・なるほどな。今の下界はそういう風潮なのか」
「どう思います?」
「いいんじゃないか?私たちも、時代に合わせたニーズに応えていかないとな」
「では、許可ということですね」
「ああ。面白いことになりそうだな?」
ニヤリと笑うソラシード様。自分だってしっかり娯楽を楽しんでいるじゃないの。
文句を言いたくても、相手は上司。早く昇進したいなぁ。
今の聖女の愚痴、じゃなかったお祈りも、あと一週間で聞けなくなるのかと思うと少し寂しい。領地の観光スポットやお勧めグルメも良かった。前の聖女のエッセイも面白かったし、過去の聖女たちのお料理レシピや小説の感想を聞くのも楽しかったな。
次代は果たして、どんなお祈りをしてくれるだろう?
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