446 / 555
10章 海は広くて冒険いっぱい
414.悩ましき桃
しおりを挟む
海から現れるモンスターはあまり多くないけど、空を飛ぶモンスターからは結構襲われる。
そんな時もヒスイは大活躍だ。特に敵が海渡鳥だと殺意マシマシになる。
「にゃっ(鳥は死すべし、慈悲はない、にゃ!)」
ヒスイから放たれた旋風が、集団で襲ってこようとしていた海渡鳥に直撃。
海渡鳥は元々防御力が高くないから、一撃必殺だ。
……こっわ!!
なぜヒスイがこれほどまでに殺意いっぱいなのかというと──それは、出会いのシーンを思い出したらすぐにわかるはず。
いじめられてたにゃんこは、つよくなって、ふくしゅうしているのですー(棒読み)
いじめはダメだということだね!
……僕はルトにちょっぴり優しくなろうと思いました。復讐こわいぃ。
まぁ、そんなこんなで、僕の船旅はわりとのんびり(?)してる。ヒスイが積極的にバトルを請け負ってくれてるから。
ピアとの絆度ミッションもクリアしたんだよ。一緒にかくれんぼするの楽しかった!
最初は、船上ってことで隠れるところ少ないし、すぐに終わるだろうなーと思ってたんだ。
でも、ピアが分裂して隠れるから、「本体どれ!?」ってなって時間かかったよ。
たぶんどれも本物だから、全部見つけなきゃいけなかったんだよねぇ。
ピアとの絆度が10%になった成果は、スキル【フワフワアタック】。
フワモコの毛を飛ばして攻撃するんだって。ピアは攻撃力高いから、可愛い見た目に反して凄いダメージを与えられる技だった。
ピアすごーい、カッコいい!
そんなこんなで、することがなくなったから、気になっていたものについて調べてみようと思う。
――――――
【金の桃】レア度☆☆☆☆☆☆
課金アイテム
見た目は金ピカの桃!
食用可。味は食べてからのお楽しみ♡
食べると一ヶ月(現実時間)の間、体力・魔力が75アップ&攻撃力が20アップするよ
たくさん食べても効果は上乗せされないから注意してね
装備・アクセサリーを作る際の素材にもなるよ
どんな装備・アクセサリーができるかは手に入れてからのお楽しみ☆
――――――
なるほど……?
運営ちゃんにライブで投げてもらった桃だけど、説明を見ても謎だった。
とりあえず、食べるとステータスがアップするらしいね。一ヶ月継続するのは嬉しい。
でも、どんな装備やアクセサリーができるのかも気になるなー。服は僕が着ても効果がないかもしれないけど──
「まずはレシピを見てみよう」
錬金布と錬金玉を取り出す。
金の桃を錬金布にのせて、錬金玉をタッチしてレシピ検索!
すぐさま、さまざまなアイテムのレシピがイラストと共に表示された。
「……どれも金ピカの桃!」
ぎょっとするくらい派手な金色の桃をモチーフにしたアイテムだった。
帽子は巨大な桃を被ってるのかな、って思うくらいリアル桃だったし──微妙に金ピカのお尻に錯覚しちゃうのは、気づかなかったことにしたい!
服は桃の着ぐるみみたいな感じ。
装備は動きやすさに影響を与えないから、着ても不自由さはないんだろうけど、これを着る勇気がある人いる?
靴も桃。
むしろ、ここまできて、桃じゃない方が怖いかも。
どれも効果はすごい。羞恥心を捨て去ることができれば、最高の装備になるかも。
それに、希少種族のプレイヤーにもステータスアップの効果があるらしいし。そういう装備は少ないから、結構心が揺らいでる。
「うぅ……ステータスアップは欲しい。けど、金ピカ桃衣装はヤダー……」
桃は食べるのが好きなんだよ! 着たいわけじゃないんだよ! しかも金ピカ!
……とりあえず、アクセサリーも確認しよう。
サッとレシピを下の方まで見ていって、アクセサリーのイラストを見てみる。
金ピカ桃の王冠とかネックレスとかベルトとか……うん、どれも金キラ桃の主張が激しい。
効果は服とかよりちょっと低め。
アクセサリーは不可視化できるし、服より着用の難度が低くて、いい感じ? 羞恥心って意味で。
「桃の王冠……かぁ……」
アクセサリーの中でも一番効果がいいアイテムを凝視する。
僕はモモだし、桃の王様って感じで王冠を被るのもナシではない?
――――――
【金の桃の王冠】レア度☆☆☆☆☆☆
金の桃から作られた王冠
これを被れば、君は桃の王だ!
装備すると、果物アイテム発見率が上昇する
また、全ての属性攻撃の威力が5%、全ての属性耐性が10%上がる
さらに、体力・魔力が35アップ、攻撃力・防御力が20アップ
――――――
効果すごーい! やっぱり、アクセサリーか装備を作るのがいい感じ?
たくさんあるなら食べてみたいけど。どんな味か気になるし。
「うーん……王冠作っちゃおう!」
食べたくなったら自分で買っちゃってもいいしね。
ということで、ササッと作製。
課金アイテムのおかげか、成功率は100%で安心だ。金の桃以外に使う素材は、レア度低めなものばっかりだった。
「──完成!」
錬金布にのっているのは、金ピカの桃が輝く王冠。
被ったら、額のあたりに桃のモチーフがあるんだよ。しかも立体的。
「……すごい」
被った姿を見て、ぽかんと口を開ける。
この金ピカの感じ、古代エジプトな雰囲気があるね。桃の王だけど。
「きゅぃ(モモが桃を被ってる!)」
「ぴぅ(モモが桃を被って、モモ桃……)」
「きゅぃ(もっと桃を着れば、モモ桃桃桃桃!)」
スラリンが楽しそうに飛び跳ね、ユキマルはパチパチと目を瞬かせていた。
ナッティは「きゅーきゅい(え……ま、まぁ、好みは、人それぞれだものね……?)」と目を逸らしながらフォローしてくれる。
でも、普通に笑っていいから!
バトルを終えて満足げに毛づくろいをしていたヒスイが、僕を見て呆れた顔をした。
「にゃ(金色の桃……? モモは普通の桃じゃ満足できなくなったにゃ?)」
「別に桃愛が極まった結果じゃないから! 単に効果がいいアイテムだったから、作っただけだよ!」
桃は好きだけど、身につけたいとは思ってないんだってば! と主張してみるけど、ヒスイは半信半疑な感じだ。
「にゃ(モモの見た目はどうでもいいから、好きにしたらいいにゃ──大切なのは強さにゃ!)」
雄々しく仁王立ちして言うヒスイを、半眼で見つめる。
ヒスイって、僕の仲間の中じゃ、珍しいくらいバトル好きだよねー。まぁ、元々、僕についてきた理由が、強くなりたいからだったんだし、当然なんだけど。
見た目がどうでもいい、っていうのはちょっと気に食わぬー!
友だちの見た目をちょっとは気にして!
そんな時もヒスイは大活躍だ。特に敵が海渡鳥だと殺意マシマシになる。
「にゃっ(鳥は死すべし、慈悲はない、にゃ!)」
ヒスイから放たれた旋風が、集団で襲ってこようとしていた海渡鳥に直撃。
海渡鳥は元々防御力が高くないから、一撃必殺だ。
……こっわ!!
なぜヒスイがこれほどまでに殺意いっぱいなのかというと──それは、出会いのシーンを思い出したらすぐにわかるはず。
いじめられてたにゃんこは、つよくなって、ふくしゅうしているのですー(棒読み)
いじめはダメだということだね!
……僕はルトにちょっぴり優しくなろうと思いました。復讐こわいぃ。
まぁ、そんなこんなで、僕の船旅はわりとのんびり(?)してる。ヒスイが積極的にバトルを請け負ってくれてるから。
ピアとの絆度ミッションもクリアしたんだよ。一緒にかくれんぼするの楽しかった!
最初は、船上ってことで隠れるところ少ないし、すぐに終わるだろうなーと思ってたんだ。
でも、ピアが分裂して隠れるから、「本体どれ!?」ってなって時間かかったよ。
たぶんどれも本物だから、全部見つけなきゃいけなかったんだよねぇ。
ピアとの絆度が10%になった成果は、スキル【フワフワアタック】。
フワモコの毛を飛ばして攻撃するんだって。ピアは攻撃力高いから、可愛い見た目に反して凄いダメージを与えられる技だった。
ピアすごーい、カッコいい!
そんなこんなで、することがなくなったから、気になっていたものについて調べてみようと思う。
――――――
【金の桃】レア度☆☆☆☆☆☆
課金アイテム
見た目は金ピカの桃!
食用可。味は食べてからのお楽しみ♡
食べると一ヶ月(現実時間)の間、体力・魔力が75アップ&攻撃力が20アップするよ
たくさん食べても効果は上乗せされないから注意してね
装備・アクセサリーを作る際の素材にもなるよ
どんな装備・アクセサリーができるかは手に入れてからのお楽しみ☆
――――――
なるほど……?
運営ちゃんにライブで投げてもらった桃だけど、説明を見ても謎だった。
とりあえず、食べるとステータスがアップするらしいね。一ヶ月継続するのは嬉しい。
でも、どんな装備やアクセサリーができるのかも気になるなー。服は僕が着ても効果がないかもしれないけど──
「まずはレシピを見てみよう」
錬金布と錬金玉を取り出す。
金の桃を錬金布にのせて、錬金玉をタッチしてレシピ検索!
すぐさま、さまざまなアイテムのレシピがイラストと共に表示された。
「……どれも金ピカの桃!」
ぎょっとするくらい派手な金色の桃をモチーフにしたアイテムだった。
帽子は巨大な桃を被ってるのかな、って思うくらいリアル桃だったし──微妙に金ピカのお尻に錯覚しちゃうのは、気づかなかったことにしたい!
服は桃の着ぐるみみたいな感じ。
装備は動きやすさに影響を与えないから、着ても不自由さはないんだろうけど、これを着る勇気がある人いる?
靴も桃。
むしろ、ここまできて、桃じゃない方が怖いかも。
どれも効果はすごい。羞恥心を捨て去ることができれば、最高の装備になるかも。
それに、希少種族のプレイヤーにもステータスアップの効果があるらしいし。そういう装備は少ないから、結構心が揺らいでる。
「うぅ……ステータスアップは欲しい。けど、金ピカ桃衣装はヤダー……」
桃は食べるのが好きなんだよ! 着たいわけじゃないんだよ! しかも金ピカ!
……とりあえず、アクセサリーも確認しよう。
サッとレシピを下の方まで見ていって、アクセサリーのイラストを見てみる。
金ピカ桃の王冠とかネックレスとかベルトとか……うん、どれも金キラ桃の主張が激しい。
効果は服とかよりちょっと低め。
アクセサリーは不可視化できるし、服より着用の難度が低くて、いい感じ? 羞恥心って意味で。
「桃の王冠……かぁ……」
アクセサリーの中でも一番効果がいいアイテムを凝視する。
僕はモモだし、桃の王様って感じで王冠を被るのもナシではない?
――――――
【金の桃の王冠】レア度☆☆☆☆☆☆
金の桃から作られた王冠
これを被れば、君は桃の王だ!
装備すると、果物アイテム発見率が上昇する
また、全ての属性攻撃の威力が5%、全ての属性耐性が10%上がる
さらに、体力・魔力が35アップ、攻撃力・防御力が20アップ
――――――
効果すごーい! やっぱり、アクセサリーか装備を作るのがいい感じ?
たくさんあるなら食べてみたいけど。どんな味か気になるし。
「うーん……王冠作っちゃおう!」
食べたくなったら自分で買っちゃってもいいしね。
ということで、ササッと作製。
課金アイテムのおかげか、成功率は100%で安心だ。金の桃以外に使う素材は、レア度低めなものばっかりだった。
「──完成!」
錬金布にのっているのは、金ピカの桃が輝く王冠。
被ったら、額のあたりに桃のモチーフがあるんだよ。しかも立体的。
「……すごい」
被った姿を見て、ぽかんと口を開ける。
この金ピカの感じ、古代エジプトな雰囲気があるね。桃の王だけど。
「きゅぃ(モモが桃を被ってる!)」
「ぴぅ(モモが桃を被って、モモ桃……)」
「きゅぃ(もっと桃を着れば、モモ桃桃桃桃!)」
スラリンが楽しそうに飛び跳ね、ユキマルはパチパチと目を瞬かせていた。
ナッティは「きゅーきゅい(え……ま、まぁ、好みは、人それぞれだものね……?)」と目を逸らしながらフォローしてくれる。
でも、普通に笑っていいから!
バトルを終えて満足げに毛づくろいをしていたヒスイが、僕を見て呆れた顔をした。
「にゃ(金色の桃……? モモは普通の桃じゃ満足できなくなったにゃ?)」
「別に桃愛が極まった結果じゃないから! 単に効果がいいアイテムだったから、作っただけだよ!」
桃は好きだけど、身につけたいとは思ってないんだってば! と主張してみるけど、ヒスイは半信半疑な感じだ。
「にゃ(モモの見た目はどうでもいいから、好きにしたらいいにゃ──大切なのは強さにゃ!)」
雄々しく仁王立ちして言うヒスイを、半眼で見つめる。
ヒスイって、僕の仲間の中じゃ、珍しいくらいバトル好きだよねー。まぁ、元々、僕についてきた理由が、強くなりたいからだったんだし、当然なんだけど。
見た目がどうでもいい、っていうのはちょっと気に食わぬー!
友だちの見た目をちょっとは気にして!
1,159
あなたにおすすめの小説
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。
子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。
マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。
その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。
当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。
そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。
マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。
焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。
やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。
HOTランキング1位になることができました!
皆さま、ありがとうございます。
他社の投稿サイトにも掲載しています。
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。