もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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11章 夏の海ではしゃいじゃお

442.初バトルだよ

 ラッタンが生産作業になれるまでいろんなアイテムを大量に作ってから、当初の予定通り東の草原に向かうことにした。
 第三陣の希少種プレイヤーを探すんだよ。

 ちょうどいいから、ラッタンのレベリングもするよー。
 ラッタンは初期ステータスが高いから、楽にレベリングできると思う。

「ルンルン、ランラン♪」
「らぴゅ、らぴゅ~(ルラルラ、ンンン~)」

 僕の鼻歌に合わせてラッタンも歌ってるけど、だいぶ独特だね?
 ラッタンがすごく楽しそうにしてるから、僕も面白くなってきた。

「ルラルラ、ンンン~♪」
「らぴゅ、らぴゅ~(ラルラン、ルルル~)」

 ラッタンを連れて歩いていると、たくさんの視線を感じる。
 みんな目を見開いて固まって、ガン見してくるんだよ。ちょっとこわーい。

 ラッタンが「らぴゅ(変な人間がいるぅ)」と不思議そうにしてる。
 あんまり見ちゃダメだよ。なんか悪い影響ありそうだし。

「も、も、も、モモ、さん──!?」

 不意に聞き覚えがある声で名前を呼ばれた。だいぶ『も』が多かったけど。
 振り向くと、お店から出てきたタマモと目が合った。

 タマモも他の人たち同様目をまん丸にして、僕を震える手で指してる。正確に言うと、タマモが注目してるのはラッタンっぽい。そっちはモモじゃないよー。

「こんちゃー、タマモ」
「こんちゃー!!!」
「ふぎゃっ」

 大声量で挨拶が返ってきて、耳がキーンッてなった。まさか、街中で攻撃を受けるとは……!

 タマモは開いていた距離を瞬く間に詰めると、僕とラッタンの前で勢いよくしゃがむ。

「モモさん! この可愛らしいもふもふ様はどなたでしょうか!?」
「大声で言わなくても聞こえるよぉ……この子はラッタン。僕が持ってた海獣の卵から生まれた子だよ。水獺竜アクアラッコーリュっていうモンスターなんだ」

 耳を押さえて塞ぎながら紹介した。
 ラッタンもきょとんとしながら耳を両手で押さえてた。でも、その状態でもラッタンのことを話していることは伝わったのか、タマモにニコッと笑いかけてる。

 愛嬌百点! ラッタン、可愛いよ~。
 タマモは「はうっ……」と声を漏らして胸を押さえ、蹲る。そのままラッタンと僕を交互に眺めて陶酔した表情になってるのが、もふもふ愛にすべてを捧げてるタマモらしいなぁ。

「す、スクショ、撮ってもいいですか!?」
「いいよー。でも、僕たちこれから東の草原に行く予定だから、あまり長時間立ち止まっていたくないなぁ」
「ご一緒します!」

 キリッとした感じで答えたタマモは、僕たちの写真を数枚撮ってから歩き始めた──横じゃなくて僕たちの後ろを。

「……なんで後ろ?」
「お二方の愛らしい後ろ姿を鑑賞するためです。もう、全身からもふもふな神々しさが溢れていて、まさしく眼福……!」
「そっかぁ」

 気にしなくてよさそう。ちょっぴり話しにくいけど、タマモが悶えてる気配を感じても直視しないで済むし。

「らぴゅ(ふわふわ~)」
「うん、タマモの尻尾、ふわもふだよねー」

 ラッタンがチラッと後ろを振り返り、タマモの尻尾を見て目を輝かせる。
 ラッタンももふもふ好きなのかな? もふもふっていいよね。

 ──なんて話しながら歩いていたら、東の草原に到着。
 道中は、タマモが周りの人に「スクショはご迷惑にならない範囲で控えめに!」と注意して回ってくれたから、最初よりちょっと落ち着いた雰囲気になったよ。
 やっぱりタマモって頼りになるねぇ。

「ラッタン、とりあえずバトルしてみよっか」
「らぴゅ(戦うよぉ)」

 僕が跳兎ジャンプラビを発見して指し示すと、ラッタンは緩く頷いた。
 のほほんとした感じだけど、大丈夫かな? とりあえず、攻撃の指示を出さなきゃ。

「んー、まずは空翔ソアーを使ってみて」
「らぴゅ(はぁい。【空翔ソアー】)」

 ラッタンがスキル名を宣言した瞬間、その背にパッと翼が現れた。
 といっても、実際にラッタンから生えてるんじゃなくて、水で翼を作った感じ。形はドラゴンの翼に似てる。サイズは僕の羽よりちょっと大きいくらい。

「らぴゅ(びゅーん)」

 ラッタンが飛ぶ。まるで空を泳いでいるようで、歩いている時より確実に速い。
 気持ちよさそうだねぇ。僕も飛んじゃお。

「【飛翔フライ】!」

 ふわーっと飛びながら、ラッタンへの指示を続ける。どうやらラッタンはまだあまり自発的な行動をしないみたいだから。
 卵から孵ったばかりの赤ちゃんだからかな? 僕のテイマーとしての力量が試されるね。

「ラッタン、跳兎ジャンプラビ叩き割りスマッシューを使ってー」
「らぴゅ(【叩き割りスマッシュー】)」

 ラッタンは異次元ポケットから石を取り出した。
 それは生まれてすぐに貝を割るために使ったものと一緒? その石、どこでゲットしたのかちょっと気になるよ。

「らぴゅ~(いっくぞぉ)」

 のほほんと見守っている僕の前で、ラッタンは石を振りかぶった。なぜか石が大きくなってる気がする。

「ギュビッ!?」

 空から襲ってくるラッタンに、跳兎ジャンプラビがギョッとした顔をしてる。
 ……うん、見た目はほのぼの可愛いのに、石を振り下ろそうとしてる姿が、ちょっぴり猟奇的な感じだもんね。怖いかも。

「らっぴゅ(よぉいしょ)」
「ギュッ──」

 緩い掛け声と共に、なぜか虹色の光を纏った石が跳兎ジャンプラビの脳天に直撃した。
 跳兎ジャンプラビが光の粒となって消えていく。即座に討伐アナウンスが聞こえてきた。

「まさかの一発KO!? 確かにステータス高いと思ってたけど、ここまでだったとは……」

 呆然としながら呟く。
 でも、ラッタンが「らぴゅ(勝ったぁ)」と近づいてきたから、すぐさま「すごいね、ラッタン。強いしカッコよかったよー」と褒めた。
 僕は褒めて伸ばす主義です!

「はわわ……もふもふ可愛くて強いとか最強では……?」

 タマモの声が聞こえてくる。
 だよねー、と内心で全力同意しながら、僕はラッタンに「次のバトルもこの調子で行っちゃおー」と促す。
 いろんなスキルを試してみないとね♪

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