557 / 598
12章 美味しいもの大好き!
509.素晴らしき師匠
しおりを挟む
弟子入りミッションをクリアして、ルンルンとしてたら、早速とばかりに課題を言い渡された。
「じゃあ、モモには料理スキルの【混ぜる】【成形】【伸ばす】の練習をしてもらうわ」
「えっ? それ、もう習得してるよ?」
料理スキルのレベル2・3・4で使えるようになる技術のはずだけど、それを練習するってどういうことなんだろう?
首を傾げる僕に、ラナンさんはニコリと笑った。
「スキルとして使えるようになったとしても、それを上手く使いこなせないと、味や見映えが悪くなるのよ。モモは基本の技術を覚えているけれど、その技術力を高める訓練を怠っていると思うわ」
つまり、ラナンさんに言われた通りに練習したら、フルーツタルトの欠点として伝えられた『見映え』『味』『質感』とかが改善されるってことかな。
ちょっとした違いかもしれないけど、基礎技術力を上げるのは大切だよね。
「なるほどー。わかった! がんばるよ」
「ええ。それじゃあ、これが訓練の詳細ね。達成したら報告してちょうだい」
拳を握って気合いを入れた僕に、ラナンさんが微笑みながら紙を渡した。
受け取った途端にアナウンスが聞こえてくる。
〈王城料理長ラナンから【三つの課題】を受け取りました。課題用のレシピへの挑戦が可能になりました〉
——————
【三つの課題】
料理の技術力──『混ぜる』『成形』『伸ばす』──を高める訓練をしましょう
①『課題レシピ:カスタード』の作製を十回成功する
②『課題レシピ:練り切り』の作製を十回成功する
③『課題レシピ:うどん』の作製を十回成功する
〈課題レシピ〉
『カスタード』
1.卵と砂糖を【混ぜる】
2.さらに小麦粉を入れて【混ぜる】
3.温めた牛乳を入れて【混ぜる】
4.鍋を火にかけながら【混ぜる】
5.【冷やす】
『練り切り』
1.生地を作る
2.花の形に【成形】する
『うどん』
1.うどんの生地をまとめる
2.生地を【伸ばす】
3.伸ばした生地を切る
——————
ほうほう……それぞれの技術を練習できるレシピで、きちんと成功できればいいってことだね。
そんなに難しくなさそうだけど、成功の判定が厳しかったりするのかな? 挑戦してみないとわからないなぁ。
「上手くいかなかったら、アドバイスをするからまたいらっしゃいな」
「はーい! ありがとう」
微笑んだラナンさんが、ふと背後を振り返る。
そろそろお仕事に戻らなきゃいけないのかな? でも、その前に聞きたいことがあります!
「じゃあ、また──」
「待って待って! もし知ってたらでいいんだけど、幻の食材についての情報を教えてくれないかな?」
慌ててラナンさんの言葉を遮って尋ねると、きょとんとした顔で見下された。
「幻の食材?」
「うん。僕、幻の食材と言われてる【秘燕】と【鳩死】と【和狩実】を探してるんだ。あ、できれば鞣富を使った料理レシピも知りたいな」
期待の目でラナンさんを見上げる。
ラナンさんは少し考えた様子で首を傾げてから「……ああ、あれのことね」と頷いた。なんか情報を持ってそう!
「モモは不思議な食材を探してるのねぇ。確かに美味しいものだけれど、幻というだけあって、手に入れるのが難しいから、あまり一般には知られてないと思うんだけれど」
「やっぱそうだよねぇ。僕も納品依頼を受けたから存在を知ったんだよ」
「依頼主は随分と無茶振りをしてきたのね」
ちょっと顔が引き攣ってるラナンさんに、「そうなんだよぉ」と泣き言を呟いてみる。
あわよくば、僕に同情して情報をたくさんくれないかなって思って。
案の定、気の毒そうに眉を顰めたラナンさんは「私が知る限りでいいなら、入手できそうな場所と、幻の食材を使ったレシピを教えてあげるわ」と言ってくれた。
やったね!
ラナンさんから地図とメモを受け取る。
途端に、アナウンスが聞こえてきた。
〈料理長ラナンから【幻の食材の地図】と【幻の食材レシピ】を入手しました。マップと料理レシピが更新されます〉
マップを開いてみると、『幻の食材』というタブができていた。
そこをチェックすると、王都周辺のバトルフィールドに『燕』『鳩』『栗』『馬』のようなイラストが散らばって表示された。
栗は固定されてるけど、燕と鳩と馬のイラストはマップ上を動き回ってる。
これはつまり、その食材が動くもの──モンスターから入手できるってこと?
たぶん、燕のマークは秘燕、鳩のマークは鳩死、栗のマークは和狩実、馬のマークは鞣富の位置を示してるんだと思う。
動き回ってるのを追うのは大変かもしれないけど、探すのがめっちゃ楽になったよ。
「ナーグより圧倒的に親切……!」
感動しちゃった。ラナンさん、大好き!
その思いのまま「はぐー」と抱きつくと、ラナンさんが嬉しそうに頬を緩ませて「はぐー」と抱きしめ返してくれた。
もふもふに弱いっていう情報は間違いなさそう。これからも僕のもふもふで師匠を魅了しちゃおっかな♪
ルンルンとしながら改めてマップを眺めて、はたと気づく。
「──あれ? この馬のマークを追ったら、龍馬も発見できるんじゃ……?」
オスの龍馬探しがめちゃくちゃ楽になった?
ふあー、ラナンさん、ありがたやー!
この感謝の思いをいっぱい込めて、料理の訓練もがんばるよ!
「じゃあ、モモには料理スキルの【混ぜる】【成形】【伸ばす】の練習をしてもらうわ」
「えっ? それ、もう習得してるよ?」
料理スキルのレベル2・3・4で使えるようになる技術のはずだけど、それを練習するってどういうことなんだろう?
首を傾げる僕に、ラナンさんはニコリと笑った。
「スキルとして使えるようになったとしても、それを上手く使いこなせないと、味や見映えが悪くなるのよ。モモは基本の技術を覚えているけれど、その技術力を高める訓練を怠っていると思うわ」
つまり、ラナンさんに言われた通りに練習したら、フルーツタルトの欠点として伝えられた『見映え』『味』『質感』とかが改善されるってことかな。
ちょっとした違いかもしれないけど、基礎技術力を上げるのは大切だよね。
「なるほどー。わかった! がんばるよ」
「ええ。それじゃあ、これが訓練の詳細ね。達成したら報告してちょうだい」
拳を握って気合いを入れた僕に、ラナンさんが微笑みながら紙を渡した。
受け取った途端にアナウンスが聞こえてくる。
〈王城料理長ラナンから【三つの課題】を受け取りました。課題用のレシピへの挑戦が可能になりました〉
——————
【三つの課題】
料理の技術力──『混ぜる』『成形』『伸ばす』──を高める訓練をしましょう
①『課題レシピ:カスタード』の作製を十回成功する
②『課題レシピ:練り切り』の作製を十回成功する
③『課題レシピ:うどん』の作製を十回成功する
〈課題レシピ〉
『カスタード』
1.卵と砂糖を【混ぜる】
2.さらに小麦粉を入れて【混ぜる】
3.温めた牛乳を入れて【混ぜる】
4.鍋を火にかけながら【混ぜる】
5.【冷やす】
『練り切り』
1.生地を作る
2.花の形に【成形】する
『うどん』
1.うどんの生地をまとめる
2.生地を【伸ばす】
3.伸ばした生地を切る
——————
ほうほう……それぞれの技術を練習できるレシピで、きちんと成功できればいいってことだね。
そんなに難しくなさそうだけど、成功の判定が厳しかったりするのかな? 挑戦してみないとわからないなぁ。
「上手くいかなかったら、アドバイスをするからまたいらっしゃいな」
「はーい! ありがとう」
微笑んだラナンさんが、ふと背後を振り返る。
そろそろお仕事に戻らなきゃいけないのかな? でも、その前に聞きたいことがあります!
「じゃあ、また──」
「待って待って! もし知ってたらでいいんだけど、幻の食材についての情報を教えてくれないかな?」
慌ててラナンさんの言葉を遮って尋ねると、きょとんとした顔で見下された。
「幻の食材?」
「うん。僕、幻の食材と言われてる【秘燕】と【鳩死】と【和狩実】を探してるんだ。あ、できれば鞣富を使った料理レシピも知りたいな」
期待の目でラナンさんを見上げる。
ラナンさんは少し考えた様子で首を傾げてから「……ああ、あれのことね」と頷いた。なんか情報を持ってそう!
「モモは不思議な食材を探してるのねぇ。確かに美味しいものだけれど、幻というだけあって、手に入れるのが難しいから、あまり一般には知られてないと思うんだけれど」
「やっぱそうだよねぇ。僕も納品依頼を受けたから存在を知ったんだよ」
「依頼主は随分と無茶振りをしてきたのね」
ちょっと顔が引き攣ってるラナンさんに、「そうなんだよぉ」と泣き言を呟いてみる。
あわよくば、僕に同情して情報をたくさんくれないかなって思って。
案の定、気の毒そうに眉を顰めたラナンさんは「私が知る限りでいいなら、入手できそうな場所と、幻の食材を使ったレシピを教えてあげるわ」と言ってくれた。
やったね!
ラナンさんから地図とメモを受け取る。
途端に、アナウンスが聞こえてきた。
〈料理長ラナンから【幻の食材の地図】と【幻の食材レシピ】を入手しました。マップと料理レシピが更新されます〉
マップを開いてみると、『幻の食材』というタブができていた。
そこをチェックすると、王都周辺のバトルフィールドに『燕』『鳩』『栗』『馬』のようなイラストが散らばって表示された。
栗は固定されてるけど、燕と鳩と馬のイラストはマップ上を動き回ってる。
これはつまり、その食材が動くもの──モンスターから入手できるってこと?
たぶん、燕のマークは秘燕、鳩のマークは鳩死、栗のマークは和狩実、馬のマークは鞣富の位置を示してるんだと思う。
動き回ってるのを追うのは大変かもしれないけど、探すのがめっちゃ楽になったよ。
「ナーグより圧倒的に親切……!」
感動しちゃった。ラナンさん、大好き!
その思いのまま「はぐー」と抱きつくと、ラナンさんが嬉しそうに頬を緩ませて「はぐー」と抱きしめ返してくれた。
もふもふに弱いっていう情報は間違いなさそう。これからも僕のもふもふで師匠を魅了しちゃおっかな♪
ルンルンとしながら改めてマップを眺めて、はたと気づく。
「──あれ? この馬のマークを追ったら、龍馬も発見できるんじゃ……?」
オスの龍馬探しがめちゃくちゃ楽になった?
ふあー、ラナンさん、ありがたやー!
この感謝の思いをいっぱい込めて、料理の訓練もがんばるよ!
945
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。