もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

509.素晴らしき師匠

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 弟子入りミッションをクリアして、ルンルンとしてたら、早速とばかりに課題を言い渡された。

「じゃあ、モモには料理スキルの【混ぜる】【成形】【伸ばす】の練習をしてもらうわ」
「えっ? それ、もう習得してるよ?」

 料理スキルのレベル2・3・4で使えるようになる技術のはずだけど、それを練習するってどういうことなんだろう?
 首を傾げる僕に、ラナンさんはニコリと笑った。

「スキルとして使えるようになったとしても、それを上手く使いこなせないと、味や見映えが悪くなるのよ。モモは基本の技術を覚えているけれど、その技術力を高める訓練を怠っていると思うわ」

 つまり、ラナンさんに言われた通りに練習したら、フルーツタルトの欠点として伝えられた『見映え』『味』『質感』とかが改善されるってことかな。
 ちょっとした違いかもしれないけど、基礎技術力を上げるのは大切だよね。

「なるほどー。わかった! がんばるよ」
「ええ。それじゃあ、これが訓練の詳細ね。達成したら報告してちょうだい」

 拳を握って気合いを入れた僕に、ラナンさんが微笑みながら紙を渡した。
 受け取った途端にアナウンスが聞こえてくる。

〈王城料理長ラナンから【三つの課題】を受け取りました。課題用のレシピへの挑戦が可能になりました〉

——————
【三つの課題】
 料理の技術力──『混ぜる』『成形』『伸ばす』──を高める訓練をしましょう
①『課題レシピ:カスタード』の作製を十回成功する
②『課題レシピ:練り切り』の作製を十回成功する
③『課題レシピ:うどん』の作製を十回成功する

〈課題レシピ〉
『カスタード』
 1.卵と砂糖を【混ぜる】
 2.さらに小麦粉を入れて【混ぜる】
 3.温めた牛乳を入れて【混ぜる】
 4.鍋を火にかけながら【混ぜる】
 5.【冷やす】

『練り切り』
 1.生地を作る
 2.花の形に【成形】する

『うどん』
 1.うどんの生地をまとめる
 2.生地を【伸ばす】
 3.伸ばした生地を切る
——————

 ほうほう……それぞれの技術を練習できるレシピで、きちんと成功できればいいってことだね。
 そんなに難しくなさそうだけど、成功の判定が厳しかったりするのかな? 挑戦してみないとわからないなぁ。

「上手くいかなかったら、アドバイスをするからまたいらっしゃいな」
「はーい! ありがとう」

 微笑んだラナンさんが、ふと背後を振り返る。
 そろそろお仕事に戻らなきゃいけないのかな? でも、その前に聞きたいことがあります!

「じゃあ、また──」
「待って待って! もし知ってたらでいいんだけど、幻の食材についての情報を教えてくれないかな?」

 慌ててラナンさんの言葉を遮って尋ねると、きょとんとした顔で見下された。

「幻の食材?」
「うん。僕、幻の食材と言われてる【秘燕ピエン】と【鳩死キュンデス】と【和狩実ワカリミ】を探してるんだ。あ、できれば鞣富ナメプを使った料理レシピも知りたいな」

 期待の目でラナンさんを見上げる。
 ラナンさんは少し考えた様子で首を傾げてから「……ああ、あれのことね」と頷いた。なんか情報を持ってそう!

「モモは不思議な食材を探してるのねぇ。確かに美味しいものだけれど、幻というだけあって、手に入れるのが難しいから、あまり一般には知られてないと思うんだけれど」
「やっぱそうだよねぇ。僕も納品依頼を受けたから存在を知ったんだよ」
「依頼主は随分と無茶振りをしてきたのね」

 ちょっと顔が引き攣ってるラナンさんに、「そうなんだよぉ」と泣き言を呟いてみる。
 あわよくば、僕に同情して情報をたくさんくれないかなって思って。

 案の定、気の毒そうに眉を顰めたラナンさんは「私が知る限りでいいなら、入手できそうな場所と、幻の食材を使ったレシピを教えてあげるわ」と言ってくれた。
 やったね!

 ラナンさんから地図とメモを受け取る。
 途端に、アナウンスが聞こえてきた。

〈料理長ラナンから【幻の食材の地図】と【幻の食材レシピ】を入手しました。マップと料理レシピが更新されます〉

 マップを開いてみると、『幻の食材』というタブができていた。
 そこをチェックすると、王都周辺のバトルフィールドに『つばめ』『鳩』『栗』『馬』のようなイラストが散らばって表示された。

 栗は固定されてるけど、燕と鳩と馬のイラストはマップ上を動き回ってる。
 これはつまり、その食材が動くもの──モンスターから入手できるってこと?

 たぶん、燕のマークは秘燕ピエン、鳩のマークは鳩死キュンデス、栗のマークは和狩実ワカリミ、馬のマークは鞣富ナメプの位置を示してるんだと思う。
 動き回ってるのを追うのは大変かもしれないけど、探すのがめっちゃ楽になったよ。

「ナーグより圧倒的に親切……!」

 感動しちゃった。ラナンさん、大好き!
 その思いのまま「はぐー」と抱きつくと、ラナンさんが嬉しそうに頬を緩ませて「はぐー」と抱きしめ返してくれた。

 もふもふに弱いっていう情報は間違いなさそう。これからも僕のもふもふで師匠を魅了しちゃおっかな♪

 ルンルンとしながら改めてマップを眺めて、はたと気づく。

「──あれ? この馬のマークを追ったら、龍馬ドラシュバルも発見できるんじゃ……?」

 オスの龍馬ドラシュバル探しがめちゃくちゃ楽になった?

 ふあー、ラナンさん、ありがたやー!
 この感謝の思いをいっぱい込めて、料理の訓練もがんばるよ!

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