もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
557 / 661
12章 美味しいもの大好き!

509.素晴らしき師匠

 弟子入りミッションをクリアして、ルンルンとしてたら、早速とばかりに課題を言い渡された。

「じゃあ、モモには料理スキルの【混ぜる】【成形】【伸ばす】の練習をしてもらうわ」
「えっ? それ、もう習得してるよ?」

 料理スキルのレベル2・3・4で使えるようになる技術のはずだけど、それを練習するってどういうことなんだろう?
 首を傾げる僕に、ラナンさんはニコリと笑った。

「スキルとして使えるようになったとしても、それを上手く使いこなせないと、味や見映えが悪くなるのよ。モモは基本の技術を覚えているけれど、その技術力を高める訓練を怠っていると思うわ」

 つまり、ラナンさんに言われた通りに練習したら、フルーツタルトの欠点として伝えられた『見映え』『味』『質感』とかが改善されるってことかな。
 ちょっとした違いかもしれないけど、基礎技術力を上げるのは大切だよね。

「なるほどー。わかった! がんばるよ」
「ええ。それじゃあ、これが訓練の詳細ね。達成したら報告してちょうだい」

 拳を握って気合いを入れた僕に、ラナンさんが微笑みながら紙を渡した。
 受け取った途端にアナウンスが聞こえてくる。

〈王城料理長ラナンから【三つの課題】を受け取りました。課題用のレシピへの挑戦が可能になりました〉

——————
【三つの課題】
 料理の技術力──『混ぜる』『成形』『伸ばす』──を高める訓練をしましょう
①『課題レシピ:カスタード』の作製を十回成功する
②『課題レシピ:練り切り』の作製を十回成功する
③『課題レシピ:うどん』の作製を十回成功する

〈課題レシピ〉
『カスタード』
 1.卵と砂糖を【混ぜる】
 2.さらに小麦粉を入れて【混ぜる】
 3.温めた牛乳を入れて【混ぜる】
 4.鍋を火にかけながら【混ぜる】
 5.【冷やす】

『練り切り』
 1.生地を作る
 2.花の形に【成形】する

『うどん』
 1.うどんの生地をまとめる
 2.生地を【伸ばす】
 3.伸ばした生地を切る
——————

 ほうほう……それぞれの技術を練習できるレシピで、きちんと成功できればいいってことだね。
 そんなに難しくなさそうだけど、成功の判定が厳しかったりするのかな? 挑戦してみないとわからないなぁ。

「上手くいかなかったら、アドバイスをするからまたいらっしゃいな」
「はーい! ありがとう」

 微笑んだラナンさんが、ふと背後を振り返る。
 そろそろお仕事に戻らなきゃいけないのかな? でも、その前に聞きたいことがあります!

「じゃあ、また──」
「待って待って! もし知ってたらでいいんだけど、幻の食材についての情報を教えてくれないかな?」

 慌ててラナンさんの言葉を遮って尋ねると、きょとんとした顔で見下された。

「幻の食材?」
「うん。僕、幻の食材と言われてる【秘燕ピエン】と【鳩死キュンデス】と【和狩実ワカリミ】を探してるんだ。あ、できれば鞣富ナメプを使った料理レシピも知りたいな」

 期待の目でラナンさんを見上げる。
 ラナンさんは少し考えた様子で首を傾げてから「……ああ、あれのことね」と頷いた。なんか情報を持ってそう!

「モモは不思議な食材を探してるのねぇ。確かに美味しいものだけれど、幻というだけあって、手に入れるのが難しいから、あまり一般には知られてないと思うんだけれど」
「やっぱそうだよねぇ。僕も納品依頼を受けたから存在を知ったんだよ」
「依頼主は随分と無茶振りをしてきたのね」

 ちょっと顔が引き攣ってるラナンさんに、「そうなんだよぉ」と泣き言を呟いてみる。
 あわよくば、僕に同情して情報をたくさんくれないかなって思って。

 案の定、気の毒そうに眉を顰めたラナンさんは「私が知る限りでいいなら、入手できそうな場所と、幻の食材を使ったレシピを教えてあげるわ」と言ってくれた。
 やったね!

 ラナンさんから地図とメモを受け取る。
 途端に、アナウンスが聞こえてきた。

〈料理長ラナンから【幻の食材の地図】と【幻の食材レシピ】を入手しました。マップと料理レシピが更新されます〉

 マップを開いてみると、『幻の食材』というタブができていた。
 そこをチェックすると、王都周辺のバトルフィールドに『つばめ』『鳩』『栗』『馬』のようなイラストが散らばって表示された。

 栗は固定されてるけど、燕と鳩と馬のイラストはマップ上を動き回ってる。
 これはつまり、その食材が動くもの──モンスターから入手できるってこと?

 たぶん、燕のマークは秘燕ピエン、鳩のマークは鳩死キュンデス、栗のマークは和狩実ワカリミ、馬のマークは鞣富ナメプの位置を示してるんだと思う。
 動き回ってるのを追うのは大変かもしれないけど、探すのがめっちゃ楽になったよ。

「ナーグより圧倒的に親切……!」

 感動しちゃった。ラナンさん、大好き!
 その思いのまま「はぐー」と抱きつくと、ラナンさんが嬉しそうに頬を緩ませて「はぐー」と抱きしめ返してくれた。

 もふもふに弱いっていう情報は間違いなさそう。これからも僕のもふもふで師匠を魅了しちゃおっかな♪

 ルンルンとしながら改めてマップを眺めて、はたと気づく。

「──あれ? この馬のマークを追ったら、龍馬ドラシュバルも発見できるんじゃ……?」

 オスの龍馬ドラシュバル探しがめちゃくちゃ楽になった?

 ふあー、ラナンさん、ありがたやー!
 この感謝の思いをいっぱい込めて、料理の訓練もがんばるよ!

感想 3,053

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?

シエル
恋愛
「彼を解放してください!」 友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。 「どなたかしら?」 なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう? まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ? どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。 「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが? ※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界 ※ ご都合主義です。 ※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

死にたくないので、今世は「悪女」の看板を下ろして「聖女」の利権を奪い尽くします

あめとおと
恋愛
「死に様なら、もう八通りも見てきたわ」 公爵令嬢レオノーラは、義妹ミアを「聖女」として引き立てるための「悪役」として、九回の人生をループしてきた。 どれほど善人に振る舞おうと、どれほど婚約者の王太子に縋ろうと、最後は常に処刑台か追放。 すべては、周囲の好感度を強制的に書き換えるミアの「偽りの奇跡」のせいだった。 十度目の十六歳。 累計八十年の人生を経験し、精神年齢も魔導知識も「枯れた」域に達したレオノーラは、ついに決意する。 「いい子を演じるのは、もう飽きたわ。今世は悪役令嬢らしく、あなたの『幸運』をすべて奪い尽くしてあげる」 ミアが手に入れるはずだった【癒やしの聖杯】を先回りして献上し、 ミアの信奉者になるはずだった【最強の騎士団長】を魔導の力で救済して味方につけ、 王太子との「思い出の場所」を物理的に整地してバラ園に変える。 「あら、殿下。ゴミ(思い出)を片付けて何が悪いのかしら?」 冷徹に、そして優雅に「ざまぁ」を完遂していくレオノーラ。 そんな彼女の前に、前世では「死神」と恐れられた隣国の皇帝ギルバートが現れる。 彼は、聖女の補正が効かない唯一の男。そして、誰よりも重すぎる独占欲を抱えた男だった――。 「君は世界を奪え。私は、そんな君を奪うとしよう」 これは、九回殺された悪役令嬢が、十回目で「真の幸福」と「最強の地位」を力ずくでもぎ取る、逆転無双の物語。 【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】