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12章 美味しいもの大好き!
511.講習……?
こんちゃー。
前回は、思いがけないところで王様に会ったせいで、すぐにログアウトしなくちゃいけなくなった。
だから、今日こそは料理の特訓をするぞー、と気合いを入れてログインしたんだけど──
「あ、モンちゃんに龍馬のこと報告しなくちゃ」
ふとミッションのことを思い出して、ポンと手を叩く。
一つ何かしようと思ったら、他のことをポーンと忘れて集中しちゃうのは、僕の悪いクセだねぇ。
「とりあえず、錬成と料理の特訓の前に、モンちゃん家にレッツゴー」
「もふ(ごー?)」
屋敷の二階でふわふわと飛んでたピアが、僕の掛け声を真似た。
きょとんとした顔をしてて可愛いねー。
それはそうと、他の子たちはどこにいるのかな?
窓から庭を見下ろすと、スラリンとユキマル、ラッタン、ヒスイが遊んでいた。
今日は大縄跳びをしてるらしい。スラリンとユキマルで縄を回して、ラッタンとヒスイがリズミカルに跳んでる。
「みんな上手だね──でも、その跳び縄は誰からもらったの……?」
僕があげた覚えがないアイテムだなぁ。
たぶん、お店に来てるもふもふ教の誰かからもらったんだろうけど。例えば、尻尾いっぱいの狐とか。ラッタンにお団子をあげた前科があるし。
あれ? でも、最近、タマモをこの店で見ないような……?
……まあ、いっか。何か用ができたら連絡すればいいしね。ログインはしてるみたいだし。
それよりも、早くモンちゃん家に行くぞー。
さっきシステムメニューを見て気づいたんだけど、今日はテイマー講習がある日だったんだ。開始時間はもうすぐ。
いいタイミングでログインしたんだから、行かないとね! テイマーとしてもがんばる!
「ピア、一緒に行こ~」
「もふ(行く~)」
嬉しそうに答えたピアは、相変わらずお散歩好きだ。一緒に街を歩くのは久々だねー。
ついでに途中で美味しいものを食べよう──と思ったけど、テイマー講習の時間が迫っていることを思い出して断念。
帰りにでも行こうね。
屋敷を出発して、あっちへこっちへフラフラと、興味を惹かれるままに寄り道しようとするピアにちょっぴり苦労しながら、モンちゃん家に到着。
「ふぃー……遅刻するかと思ったぁ……」
汗を拭う仕草をしたら、ピアから視線を感じた。
「もふ(疲れたの~?)」
「遅刻しそうで焦っただけだよー」
心配そうな眼差しに、微笑みながら答える。
ピアは天真爛漫に自由に行動してるのが楽しそうだから、それをあまり制限したくはないんだよ。
僕も自由気ままに遊ぶのが好きだから、ピアの気持ちがわかるもん。
「もふ(間に合ってよかったね~)」
「うん。あ、そろそろ入らないと、到着したのに遅刻扱いされちゃう!」
テイマー講習の会場になってる道場に入る人の列が途切れてた。
慌てて中に入ったら、たくさんの人が座ってる。見たことのあるプレイヤーさんもいて、「こんちゃー」と手を振り合っていると、モンちゃんが現れた。
今日はリカちゃんがいないみたい。残念。
「今日はモンスターの連携についての講習だ。すでに理解しているテイマーもいるかもしれないが、ちゃんと聞いてくれ」
話し始めたモンちゃんは、キリッとした顔でいつもよりカッコいい。
「ほあー、そういえばモンちゃんって、凄いテイマーなんだよねー。いつも一緒に漫才(?)して遊んでるから、忘れてた」
久々に思い出した事実を呟くと、隣にいたテイマーさんが「ブフッ、モッ、モンちゃん、ッ! ホントにそう呼ばれてるんだ!? くははっ」と吹き出して笑う。
モンちゃんって呼び方を知らなかったのかな? 異世界の住人のお弟子さんたちには周知されてたはずなんだけど。
「おい、そこ! 私語禁止!」
「はいっ、すみません!」
モンちゃんに指されて、お隣さんがビシッと背筋を伸ばす。
お隣さんの正座した膝に顎をのせて寝そべっていた金色のフェネックっぽい子が、呆れた顔をしてる気がした。
君、会ったことがない子だね? お名前聞いてもいいかなー?
ちょいちょい、と鼻に手を近づけてみたら、クンクンと匂いを嗅いだ後、『撫でてもいいぞ』という顔をしたから、遠慮なく頭や首の毛をワシャワシャする。
野生感のある硬めの毛だー。こういう触り心地も僕は好きだよ。
「モーモー?」
おどろおどろしい声が聞こえた。
視線を前に戻すと、モンちゃんが僕を見て、怖い顔してるー。
「……モンちゃんは牛さんだった?」
「「「ブハッ!」」」
僕がボソッと呟いたら、道場中で吹き出す声が聞こえた。
モンちゃんに怒られるからか、必死に笑うのを堪らえようとして、口やお腹を押さえてうずくまってる人多数。
空気読めなくて、ちょっとごめんねー。
顔が真っ赤になってる子は、窒息する前に思い切って笑っちゃった方がいいと思うよ?
「牛じゃねぇよっ! お前、改名しろっ!」
「モンちゃんってば、ワガママちゃんすぎるぅ。僕はこの名前が気に入ってるから、改名しないよ」
僕が「モモって名前は僕の大好物の果物の桃から取ったんだよー」と胸を張って教えると、モンちゃんは物凄く何か言いたげな顔をしながらも、グッと堪えた。
「……はあぁぁぁ……講習を続ける。私語禁止! 俺をからかうのも禁止! いいな!?」
「おけまるー」
「……お前は俺を茶化さないと生きてられないのか?」
モンちゃんにジト目で睨まれて、僕はソッと目を逸らした。
茶化したわけじゃないんだよ。
秘燕とか変な名前を最近よく見たから、リアルの方で過去のギャル語をなんとなく調べてたせいで、つい出てきちゃっただけなんだ。
「てへぺろ」
「……クッソ! なんでお前はモンスターなんだ! 人間だったら拳骨してやるのに!」
エヘッと笑って誤魔化してみたら、モンちゃんが嫌そうに嘆いた。
モンちゃんは相変わらずモンスターに弱くてチョロい。
種族選択で希少種ガチャを選んでよかった! おかげでモンちゃんと仲良くなれたもんねー。
「もふー(モンちゃん、牛さん、モーモーモー♪)」
「ブハッ!」
不意打ちで歌うのズルいよ、ピア。
笑っちゃったせいで、モンちゃんにまた睨まれた。
とりあえず、講習が終わったら、ご機嫌取りのための手土産を渡さなきゃね。
あと、僕のもふもふで魅了するために、もふもふ力をアップしておこうっと。毛繕いするぞー。
「……なんで今毛繕い?」
お隣さんに不思議そうに聞かれたけど、テシテシと叩いてきたフェネックくん(仮名)に気を取られて答え忘れた。
フェネックくんも毛繕いしてあげよっか? もふもふにしてあげるからねー♪
前回は、思いがけないところで王様に会ったせいで、すぐにログアウトしなくちゃいけなくなった。
だから、今日こそは料理の特訓をするぞー、と気合いを入れてログインしたんだけど──
「あ、モンちゃんに龍馬のこと報告しなくちゃ」
ふとミッションのことを思い出して、ポンと手を叩く。
一つ何かしようと思ったら、他のことをポーンと忘れて集中しちゃうのは、僕の悪いクセだねぇ。
「とりあえず、錬成と料理の特訓の前に、モンちゃん家にレッツゴー」
「もふ(ごー?)」
屋敷の二階でふわふわと飛んでたピアが、僕の掛け声を真似た。
きょとんとした顔をしてて可愛いねー。
それはそうと、他の子たちはどこにいるのかな?
窓から庭を見下ろすと、スラリンとユキマル、ラッタン、ヒスイが遊んでいた。
今日は大縄跳びをしてるらしい。スラリンとユキマルで縄を回して、ラッタンとヒスイがリズミカルに跳んでる。
「みんな上手だね──でも、その跳び縄は誰からもらったの……?」
僕があげた覚えがないアイテムだなぁ。
たぶん、お店に来てるもふもふ教の誰かからもらったんだろうけど。例えば、尻尾いっぱいの狐とか。ラッタンにお団子をあげた前科があるし。
あれ? でも、最近、タマモをこの店で見ないような……?
……まあ、いっか。何か用ができたら連絡すればいいしね。ログインはしてるみたいだし。
それよりも、早くモンちゃん家に行くぞー。
さっきシステムメニューを見て気づいたんだけど、今日はテイマー講習がある日だったんだ。開始時間はもうすぐ。
いいタイミングでログインしたんだから、行かないとね! テイマーとしてもがんばる!
「ピア、一緒に行こ~」
「もふ(行く~)」
嬉しそうに答えたピアは、相変わらずお散歩好きだ。一緒に街を歩くのは久々だねー。
ついでに途中で美味しいものを食べよう──と思ったけど、テイマー講習の時間が迫っていることを思い出して断念。
帰りにでも行こうね。
屋敷を出発して、あっちへこっちへフラフラと、興味を惹かれるままに寄り道しようとするピアにちょっぴり苦労しながら、モンちゃん家に到着。
「ふぃー……遅刻するかと思ったぁ……」
汗を拭う仕草をしたら、ピアから視線を感じた。
「もふ(疲れたの~?)」
「遅刻しそうで焦っただけだよー」
心配そうな眼差しに、微笑みながら答える。
ピアは天真爛漫に自由に行動してるのが楽しそうだから、それをあまり制限したくはないんだよ。
僕も自由気ままに遊ぶのが好きだから、ピアの気持ちがわかるもん。
「もふ(間に合ってよかったね~)」
「うん。あ、そろそろ入らないと、到着したのに遅刻扱いされちゃう!」
テイマー講習の会場になってる道場に入る人の列が途切れてた。
慌てて中に入ったら、たくさんの人が座ってる。見たことのあるプレイヤーさんもいて、「こんちゃー」と手を振り合っていると、モンちゃんが現れた。
今日はリカちゃんがいないみたい。残念。
「今日はモンスターの連携についての講習だ。すでに理解しているテイマーもいるかもしれないが、ちゃんと聞いてくれ」
話し始めたモンちゃんは、キリッとした顔でいつもよりカッコいい。
「ほあー、そういえばモンちゃんって、凄いテイマーなんだよねー。いつも一緒に漫才(?)して遊んでるから、忘れてた」
久々に思い出した事実を呟くと、隣にいたテイマーさんが「ブフッ、モッ、モンちゃん、ッ! ホントにそう呼ばれてるんだ!? くははっ」と吹き出して笑う。
モンちゃんって呼び方を知らなかったのかな? 異世界の住人のお弟子さんたちには周知されてたはずなんだけど。
「おい、そこ! 私語禁止!」
「はいっ、すみません!」
モンちゃんに指されて、お隣さんがビシッと背筋を伸ばす。
お隣さんの正座した膝に顎をのせて寝そべっていた金色のフェネックっぽい子が、呆れた顔をしてる気がした。
君、会ったことがない子だね? お名前聞いてもいいかなー?
ちょいちょい、と鼻に手を近づけてみたら、クンクンと匂いを嗅いだ後、『撫でてもいいぞ』という顔をしたから、遠慮なく頭や首の毛をワシャワシャする。
野生感のある硬めの毛だー。こういう触り心地も僕は好きだよ。
「モーモー?」
おどろおどろしい声が聞こえた。
視線を前に戻すと、モンちゃんが僕を見て、怖い顔してるー。
「……モンちゃんは牛さんだった?」
「「「ブハッ!」」」
僕がボソッと呟いたら、道場中で吹き出す声が聞こえた。
モンちゃんに怒られるからか、必死に笑うのを堪らえようとして、口やお腹を押さえてうずくまってる人多数。
空気読めなくて、ちょっとごめんねー。
顔が真っ赤になってる子は、窒息する前に思い切って笑っちゃった方がいいと思うよ?
「牛じゃねぇよっ! お前、改名しろっ!」
「モンちゃんってば、ワガママちゃんすぎるぅ。僕はこの名前が気に入ってるから、改名しないよ」
僕が「モモって名前は僕の大好物の果物の桃から取ったんだよー」と胸を張って教えると、モンちゃんは物凄く何か言いたげな顔をしながらも、グッと堪えた。
「……はあぁぁぁ……講習を続ける。私語禁止! 俺をからかうのも禁止! いいな!?」
「おけまるー」
「……お前は俺を茶化さないと生きてられないのか?」
モンちゃんにジト目で睨まれて、僕はソッと目を逸らした。
茶化したわけじゃないんだよ。
秘燕とか変な名前を最近よく見たから、リアルの方で過去のギャル語をなんとなく調べてたせいで、つい出てきちゃっただけなんだ。
「てへぺろ」
「……クッソ! なんでお前はモンスターなんだ! 人間だったら拳骨してやるのに!」
エヘッと笑って誤魔化してみたら、モンちゃんが嫌そうに嘆いた。
モンちゃんは相変わらずモンスターに弱くてチョロい。
種族選択で希少種ガチャを選んでよかった! おかげでモンちゃんと仲良くなれたもんねー。
「もふー(モンちゃん、牛さん、モーモーモー♪)」
「ブハッ!」
不意打ちで歌うのズルいよ、ピア。
笑っちゃったせいで、モンちゃんにまた睨まれた。
とりあえず、講習が終わったら、ご機嫌取りのための手土産を渡さなきゃね。
あと、僕のもふもふで魅了するために、もふもふ力をアップしておこうっと。毛繕いするぞー。
「……なんで今毛繕い?」
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【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】