もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

525.ビリビリでバラバラ

 ルトと一緒に王都北エリアに行くことになりました。いぇい!
 ナーグに初めて会う前に、幻の食材を持ってたらどんな反応をされるのか試したいんだって。それは僕も気になる。

 まあ、こうして決まった後に、もう一回怒られちゃったんだけどね。
 幻の食材名当てミッションがあるのを忘れてて、普通にルトに言っちゃったから。
 そういえば、掲示板にも載せちゃったなぁ?

 ……みんな、ごめんね!
 他の幻の食材名を当てるのをがんばって!

 ほっぺたを伸ばされながら謝った僕に、ルトは複雑な表情だ。

「どうせ一個くらいヒントとしてわかってないと、他の食材名を当てることなんて無理だろうから、ありがたいことではあるんだけどな」
「それは同感」

 真顔で見つめ合う。
 僕はほっぺた伸びた状態だから、とっても間抜けな顔なんだけどね……ぴえん。

 運営さんのネーミングセンスがひどすぎるから、僕みたいなミラクルを起こさないと、幻の食材名を当てるのは無理だよなぁ。
 ぴえんとかって普段から言ってる人、そんなにいなさそうだし。

「……ダサいよな。流行が過ぎ去って、もはや死語」
「それは僕に喧嘩売ってる??」

 僕は普通にぴえんって言ってますけどぉ!? 誰がダサいってー!?
 プンプンと頬を膨らませたら、ルトの指が弾かれた。
 僕の頬力(?)すごい! これからほっぺたを引っ張られたら、空気で膨らませて逃げればいいんだね!

「……ぶさいく」
「こんなプリティなウサちゃんに何を言う!」
「お前の自己肯定感の高さに、呆れるのを通り越して尊敬する」
「えっへん」

 胸を張ったら、遠い目をされた。
 なんでやねん。あ、鳩さんがまた乗り移っちゃった。あの口調、意外だったけどちょっと好き。

 何はともあれ、王都北エリアにレッツゴー。
 夜のフィールドはあんまり行かないから緊張するなー。

◇◆◇ 

 ユキマルの白い体が辺りをほのかに照らす。オギンの白銀の体が反射材のようになって、普段よりさらに明るく感じた。
 夜でもそれなりに視界が確保されていいねー。ユキマル、ありがとー。

 ルトはビアンを召喚して、一緒に楽しそうにバトルしてる。
 ビアンはイルカ系のモンスターだけど、飛べるから陸上でも行動可能なのだ。水中よりも機動力が落ちるらしいけど。

「【火の矢ファイアーアロー】」
「【斬撃スラッシュ】」

 僕の魔術で敵全体を弱らせた後、ビアンに騎乗したルトが次々にトドメを刺していく。
 オギンもスキルを放って援護。ユキマルは謎光線ミステリレイでデバフを振りまいてるよ。

 なかなかいいコンビネーションだよね。
 王都周辺エリアは攻略推奨レベルが高いし、今はモンスターが強くなる夜の時間だから、僕やユキマルの攻撃じゃなかなか倒せない。でも、ルトやビアン、オギンのおかげでスムーズに進めてる。
 一緒に来られてよかったー。

「なあ、モモ。マークのところってまだか?」
「もうすぐだと思うよー」
「馬型のドラゴンだろ? そんな姿、全然見えないんだけどな……」

 難しい顔をしてるルトを見てから、僕はハッと空を見上げた。
 そういえば、龍馬ドラシュバルのマリーに会ったのは、空を飛んでる姿に対して部位識別スキルを使ったからだったなぁ。
 これ、普通に地上を歩いてても出会えないのでは……?

 夜空は星が瞬き、月明かりがあるけど、そこを飛ぶモンスターの姿は見つけにくい。
 うーむ、どうやって探せばいいのかな。そもそも龍馬ドラシュバルって夜も飛んでるの? マップ上では動いてるけど。

 悩んでたら、近くの茂みがガサガサと音を立てた。敵かな?
 すぐさま戦闘態勢をとったみんなに合わせて、僕も杖を握りしめる。

「新種もふもふゲットー!」
「ピルルッ」
「わわっ、暴れないでくださ、って、うわっ、バラバラになるぅー!」
「ピルッ」
「アババババッ」

 ……なんだかとっても騒がしい声がしたと思ったら、雷のような光の中に骸骨が見えた。
 僕はホラーが嫌いだけど、これは怖がる要素が欠片もないね。どう見たって知り合いだもん。

「何やってるの、ヤナ……」
「モモひゃん、おりぇ、しびれ、て」

 バラバラになった状態でビリビリと痺れてるヤナを見つめる。
 これ助けた方がいい? でも、痺れ解除薬、あいにく手元にないんだよね。というか、骸骨状態でも痺れるんだ?

「ピルルッ」
「コイツは報告を見たことがないな」

 ルトはヤナの状態を完全にスルー。ヤナの上で飛び電撃を放ってるモンスターの方が気になっているようだ。

 ヤナも新種って言ってたし、珍しいモンスターなのかも?

 見た目は黄みの強めなアイボリー色の小鳥。シマエナガに似てる。
 サイズはルトの手のひらに乗りそうな感じで、丸っとしててふわふわ。つぶらな瞳も可愛い。

 僕たちよりもヤナへの攻撃に集中してるみたいだから、この隙に鑑定しよう。

——————
雷精鳥サンディフェアリア
 雷・氷属性のモンスター
 人前に姿を現すことは非常に稀
 目にも止まらぬ速さで動き、敵を痺れさせ切り裂く
 保温性が高い羽毛を目当てに、乱獲されたことがある
——————

 雷属性は珍しいね。ヤナへの攻撃を見て予想してはいたけど。

「乱獲かぁ」
「この世界でもそういう歴史があるんだな」

 ルトと二人してため息をついちゃう。
 僕たちもアイテムのためにモンスターを倒すけど、乱獲というほどではない……はず。一部のプレイヤーはやってるかもしれないけどねぇ。

「君、苦労してるんだね。甘いもの食べる?」

 労りの気持ちを込めて、ハニーチュロをプレゼントしよう。
 雷精鳥サンディフェアリアの色と形から連想したなんてそんなことは……あります。

「ピルル?」
「襲わないから、ゆっくりお食べ~」

 ヤナの上でホバリングして僕を見つめてくる雷精鳥サンディフェアリアに差し出す。
 食べてくれるかなー? 甘くて美味しいよー?

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