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7章 世界が広がっていくよ
259.次はこのパーティで決まり!
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お祝いパーティーの後はみんなを毛繕いしてアイテムを集めたり、それでぬいぐるみとかのもふもふアイテムを作ったりして過ごしたら、いつの間に朝日が昇ってた。
さすがにちょっぴり疲れたので、ログアウトして休憩することにして、次の日。
外は今日も青空です! 絶好の冒険日和。行くのは鉱山の中だけどね!
「きゅぃ(今日のパーティ編成はどうするの?)」
スラリンが期待に満ちた目で見つめてくる。僕は首を傾げながら視線を巡らせた。
鉱山のダンジョンは推奨レベルが高いから、安全なのは高レベル・高ステータス組(ショコラ、オギン、ペタ、ピア)を連れて行くことだ。でも、一番大切なのはやる気があるかどうかだよね。
「一緒に行きたい子ー!」
はーい、と手を挙げて見せたら、真っ先にスラリンが跳ねて参加を主張した。その後、ユキマルが控えめに「ぴぅ(役に立てるかわからないけど、行けたら嬉しいな)」と言う。
「ユキマルは暗い場所で【警戒色】スキルを使ってモンスターの警告ができるから、ダンジョンと相性がいいはず。泡光も使えるしね」
うんうん、と頷いてスラリンとユキマルを連れて行くことを決めた。
ルトに情報収集をお願いしておいたんだけど、鉱山ダンジョンは薄暗いらしい。夜ほどじゃないけど、その暗さのせいで、危機察知系のモンスターを警戒するスキルの効果が下がるんだって。
だから、ユキマルがいてくれたら、きっと助かるはず!
「キュオ(ナッティも連れて行くんでしょう?)」
「うん。レベルが23で低めだけど、戦闘面より探索補助をお願いするんだ」
まだ召喚してないから意思確認できてないけど、きっとついてきてくれると思う。
というわけで、今のところ決まっているのはスラリンとユキマル、ナッティの三体。あと二体はどうしよう?
「くままー(ペタがいいんじゃないー?)」
「そうだね! 寒くないし、今回は来てくれるはず」
ショコラの進言に頷き、あと一体は――と僕が視線を巡らせたところで、オギンが首を横に振った。
「キュオ(私は遠慮するわ。狭そうなところって苦手なの)」
「あ、そっかー。ダンジョン内は一番狭いところで三人が横並びできるくらいの感じだって情報があったもんなぁ」
ルトから事前入手しておいた情報を思い出して、オギンの言葉に納得した。
オギンは体が大きいし、バトルスタイルは敏捷性を活かした感じだから、狭いところだと実力を発揮しきれないかも。まぁ、氷属性の遠距離攻撃だけで十分強いんだけどね。
「くままー(じゃあ、ぼくー? 岩に囲まれたフィールドは、能力が高まるよー)」
「え、そうなんだ?」
初耳なんだけど。驚きながらも、ショコラが言うならそうなんだろうと納得して、最後の一枠が埋まった。
「もふ~」
「ピアは今回はごめんねー」
「もふ~」
部屋の中をフラ~と飛んでいたピアは『狭いところイヤだから、別にいいよ~』という感じだった。雪山の寒さはどうでも良くても、洞窟は苦手らしい。
そう考えると、僕の仲間って、狭い場所で問題なく動けるタイプが限られるかも? ペタたちは背の高さが人と同じくらいとはいえ、横幅とか結構広さが必要だし。
「今後のテイムモンスターを決める時に参考にしよう」
ちっちゃい子の方が便利な時もあるもんね。反対に、霊峰みたいな場所だと大きい子の方がいい時もあるだろうし、満遍なく仲間にするのがいいのかな。
「とりあえず、オギンとピアは【帰還】ね~」
ばいばい、と手を振って別れる。そしてすぐさまナッティとペタを召喚した。
「きゅーきゅい(あら、お菓子の時間?)」
「違いまーす。冒険に行くよ」
「きゅーきゅい(私で役に立つの?)」
「罠探知のスキルに期待してるよ。戦闘面は他ががんばるから気にしないで」
「きゅーきゅい(それなら良いんだけど)」
ナッティが安心したように頷いた。
その横でペタがくわっと大きくあくびをする。
「くるる(僕、寒いところはイヤだよー?)」
「今回は洞窟だよ。土属性のモンスターが出やすいらしいから、ペタに期待してるね!」
「くるる(そっかー。それなら任せてー)」
頷くペタにも了承をもらったので、早速冒険に出発だ。
東の鉱山エリアに向かって、すぐにダンジョン入口まで進んだ。
道中のモンスターを倒すのはすごく簡単な感じがした。前はもうちょっと苦労した気がする。それだけ僕たちが強くなってるってことなんだろう。
「――ここがダンジョン? 廃工場とは違うんだねぇ」
ダンジョン前に到着して、じっくりと観察する。ダンジョン前がセーフティエリアになってたから、休憩のついでだ。
うさぎリンゴをかじりながら、首を傾げる。
「きゅぃ(ただの鉱山入口に見えるね)」
「ぴぅ(でも、人が立ってるよ)」
「きゅーきゅい(なにかを確認してるみたいね?)」
「ダンジョンに立ち入れる許可を確認してるらしいよ」
ルトから聞いておいた情報を共有する。
ダンジョンは立ち入り制限されているところなのだ。僕はモンちゃんに信頼されてるから、許可証を持ってるし、問題なく通れるけどね!
「くるる(中はどんな感じだろうねー)」
「くまま(岩操作スキルが効くかなー?)」
「どうだろうねぇ?」
ダンジョンの調査をするんだから、ダンジョン内外での環境の違いを調べて報告するのも良いかも。地図とモンスターの情報を集めるだけじゃ、他のプレイヤーと変わらないし。
「――中ではトラップとか、採集・採掘ができるかとか、いろいろ調べてみようね」
「くるる(時間かかりそうだねー)」
「のんびりやろうよ」
急いで、とは言われてないし。僕は僕のペースで楽しんで進めるのがいい。
そう告げたら、みんなも『ここは強くなるのにも良さそう』とのほほんとした感じで受け入れてくれた。
「さぁて、そろそろ行きますか~」
ダンジョン探索開始です!
さすがにちょっぴり疲れたので、ログアウトして休憩することにして、次の日。
外は今日も青空です! 絶好の冒険日和。行くのは鉱山の中だけどね!
「きゅぃ(今日のパーティ編成はどうするの?)」
スラリンが期待に満ちた目で見つめてくる。僕は首を傾げながら視線を巡らせた。
鉱山のダンジョンは推奨レベルが高いから、安全なのは高レベル・高ステータス組(ショコラ、オギン、ペタ、ピア)を連れて行くことだ。でも、一番大切なのはやる気があるかどうかだよね。
「一緒に行きたい子ー!」
はーい、と手を挙げて見せたら、真っ先にスラリンが跳ねて参加を主張した。その後、ユキマルが控えめに「ぴぅ(役に立てるかわからないけど、行けたら嬉しいな)」と言う。
「ユキマルは暗い場所で【警戒色】スキルを使ってモンスターの警告ができるから、ダンジョンと相性がいいはず。泡光も使えるしね」
うんうん、と頷いてスラリンとユキマルを連れて行くことを決めた。
ルトに情報収集をお願いしておいたんだけど、鉱山ダンジョンは薄暗いらしい。夜ほどじゃないけど、その暗さのせいで、危機察知系のモンスターを警戒するスキルの効果が下がるんだって。
だから、ユキマルがいてくれたら、きっと助かるはず!
「キュオ(ナッティも連れて行くんでしょう?)」
「うん。レベルが23で低めだけど、戦闘面より探索補助をお願いするんだ」
まだ召喚してないから意思確認できてないけど、きっとついてきてくれると思う。
というわけで、今のところ決まっているのはスラリンとユキマル、ナッティの三体。あと二体はどうしよう?
「くままー(ペタがいいんじゃないー?)」
「そうだね! 寒くないし、今回は来てくれるはず」
ショコラの進言に頷き、あと一体は――と僕が視線を巡らせたところで、オギンが首を横に振った。
「キュオ(私は遠慮するわ。狭そうなところって苦手なの)」
「あ、そっかー。ダンジョン内は一番狭いところで三人が横並びできるくらいの感じだって情報があったもんなぁ」
ルトから事前入手しておいた情報を思い出して、オギンの言葉に納得した。
オギンは体が大きいし、バトルスタイルは敏捷性を活かした感じだから、狭いところだと実力を発揮しきれないかも。まぁ、氷属性の遠距離攻撃だけで十分強いんだけどね。
「くままー(じゃあ、ぼくー? 岩に囲まれたフィールドは、能力が高まるよー)」
「え、そうなんだ?」
初耳なんだけど。驚きながらも、ショコラが言うならそうなんだろうと納得して、最後の一枠が埋まった。
「もふ~」
「ピアは今回はごめんねー」
「もふ~」
部屋の中をフラ~と飛んでいたピアは『狭いところイヤだから、別にいいよ~』という感じだった。雪山の寒さはどうでも良くても、洞窟は苦手らしい。
そう考えると、僕の仲間って、狭い場所で問題なく動けるタイプが限られるかも? ペタたちは背の高さが人と同じくらいとはいえ、横幅とか結構広さが必要だし。
「今後のテイムモンスターを決める時に参考にしよう」
ちっちゃい子の方が便利な時もあるもんね。反対に、霊峰みたいな場所だと大きい子の方がいい時もあるだろうし、満遍なく仲間にするのがいいのかな。
「とりあえず、オギンとピアは【帰還】ね~」
ばいばい、と手を振って別れる。そしてすぐさまナッティとペタを召喚した。
「きゅーきゅい(あら、お菓子の時間?)」
「違いまーす。冒険に行くよ」
「きゅーきゅい(私で役に立つの?)」
「罠探知のスキルに期待してるよ。戦闘面は他ががんばるから気にしないで」
「きゅーきゅい(それなら良いんだけど)」
ナッティが安心したように頷いた。
その横でペタがくわっと大きくあくびをする。
「くるる(僕、寒いところはイヤだよー?)」
「今回は洞窟だよ。土属性のモンスターが出やすいらしいから、ペタに期待してるね!」
「くるる(そっかー。それなら任せてー)」
頷くペタにも了承をもらったので、早速冒険に出発だ。
東の鉱山エリアに向かって、すぐにダンジョン入口まで進んだ。
道中のモンスターを倒すのはすごく簡単な感じがした。前はもうちょっと苦労した気がする。それだけ僕たちが強くなってるってことなんだろう。
「――ここがダンジョン? 廃工場とは違うんだねぇ」
ダンジョン前に到着して、じっくりと観察する。ダンジョン前がセーフティエリアになってたから、休憩のついでだ。
うさぎリンゴをかじりながら、首を傾げる。
「きゅぃ(ただの鉱山入口に見えるね)」
「ぴぅ(でも、人が立ってるよ)」
「きゅーきゅい(なにかを確認してるみたいね?)」
「ダンジョンに立ち入れる許可を確認してるらしいよ」
ルトから聞いておいた情報を共有する。
ダンジョンは立ち入り制限されているところなのだ。僕はモンちゃんに信頼されてるから、許可証を持ってるし、問題なく通れるけどね!
「くるる(中はどんな感じだろうねー)」
「くまま(岩操作スキルが効くかなー?)」
「どうだろうねぇ?」
ダンジョンの調査をするんだから、ダンジョン内外での環境の違いを調べて報告するのも良いかも。地図とモンスターの情報を集めるだけじゃ、他のプレイヤーと変わらないし。
「――中ではトラップとか、採集・採掘ができるかとか、いろいろ調べてみようね」
「くるる(時間かかりそうだねー)」
「のんびりやろうよ」
急いで、とは言われてないし。僕は僕のペースで楽しんで進めるのがいい。
そう告げたら、みんなも『ここは強くなるのにも良さそう』とのほほんとした感じで受け入れてくれた。
「さぁて、そろそろ行きますか~」
ダンジョン探索開始です!
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