もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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8章 新たな地へ

292.神さまにご挨拶

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 日向ぼっこに最適な場所や遊び場を教えてもらいながら、森を突っ切って神の社に向かう。
 仙猫センリがいると、不思議と森の中のモンスターから襲われることがなかった。

「もしかして君、すごいモンスターだったりする?」
「にゃ(すごいって、なんにゃー?)」

 誤魔化された気がする。
 でも、仙猫センリが特別強いモンスターってわけじゃなさそうなんだよなぁ。海渡鳥シーマイバードにやられてたし。

 うぅむ、と悩みながら、足元が悪い森の中をテクテクと歩く。
 そろそろ着くかな? 結構歩いたよ。
 そう思ったところで、木々の合間に赤い建物が見えた。

「おー、神社だー」

 予想していた通り、神社っぽい建物だった。
 森から出て、神の社に敷かれた石畳を歩く。爽やかな風を感じた。心が澄んでいく感覚がする。神聖さを感じ取ってるからかな。

 ラファイエットさんたちは違うところで調査をしているようで、姿が見えない。
 神の社はシンと静かに佇んでいた。

「いい雰囲気の場所だね」
「にゃ(お気に入りの場所にゃ)」

 仙猫センリがひょいひょいと石畳を進んでいく。
 その先にはお賽銭箱と鈴があった。格子戸のある社の中には、灰色の丸い石が置かれている。あれがご神体なのかな。
 見た感じは完全に神社だ。

 こういうところを素通りするのはダメだよね。ここをセーブ地点にできるかわからないけど、お世話になる挨拶をしなくちゃ。

 お賽銭箱をポンとタッチすると、お金を入れられるらしい。
 とりあえず一万リョウを入れる。現実だとここまで思い切りよくお賽銭を入れられないけど、ここだと僕はたくさん稼いでいるから奮発しちゃう。

 鈴を鳴らして、両手を合わせた。

旅人プレイヤーのモモです。いろんなスキルのおかげで、この世界を楽しめてます。ありがとうございます。今日はここでお世話になります」

 イグニスさんに聞いた話によると、ここに祀られてる神さまは創世神で、僕たちにスキルを与えてくれてる存在らしい。だから、そのお礼と共に挨拶をした。

〈創世神に祈りが届きました。加護【体力微回復】が贈られます。神の社がセーブポイントになりました〉

 およ?
 神の社をセーブポイントにできたのはともかく、加護ってなに?
 首を傾げつつ、詳細を確認する。

――――――
【加護】
 創世神に祈りを捧げると、稀に贈られる祝福。
 付与された日から28日間(ゲーム内時間)効果がある。
――――――

 なんかすごそう。
 長期間、体力微回復かー。ありがとうございます、神さま。

 改めてお礼をして顔を上げる。
 傍で仙猫センリがおすわりしてた。

仙猫センリ、案内してくれてありがとう」
「にゃ(お礼だから気にしないでいいにゃ。それより、奉納はしないにゃ?)」
「奉納?」

 それって、神さまに何かを献上することだよね。した方がいいの?

「にゃ(この島の人はみんなしてるにゃ)」
「そうなんだ。どんなものを奉納したらいいの?」
「にゃ(魔宝珠にゃ)」

 また知らない言葉がでてきたよー。
 さらに詳しく聞いてみる。
 仙猫センリが言うには、この島の人は様々な色の魔宝を五つ集めて魔宝珠を作り、それを奉納しているらしい。

 魔宝といえば、第三の街近くの東の鉱山ダンジョンで採れるアイテムだ。
 僕、結構掘ったから、たくさんあるよ。

 とりあえず、これを錬金布に載せてみる。
 僕のスキルだと四種類しか同時に錬金できないんだけど、同じ色の魔宝は二つでも一種類と数えられるから、四種類五個の魔宝で錬金できるようだ。

「【錬金スタート】!」

 いつも通りに錬金して、すぐに完成。

――――――
【魔宝珠(四)】レア度☆☆☆☆☆
 高濃度の清らかな魔力が満ちた宝珠。
 四属性の魔宝で作られている。
 神への捧げものにもなる。
――――――

 ほうほう。
 あとはこれを奉納したらいいのかな?
 お賽銭箱の横に魔宝珠が載りそうな台があったので、そこに奉納してみる。どうかお受け取りくださいー。

〈【神の社】に魔宝珠(四)を奉納しました。世界の穢れが僅かに浄化されました。報酬としてアイテム【神の石】が贈られます〉

 お? 穢れの浄化? もしかして、ダンジョンが作られる原因らしいって噂の、穢れた魔力のこと? なんかすごいことになってる気がする。

 とりあえず、報酬確認!

――――――
【神の石】レア度☆☆☆☆☆
 神の社にアイテムを奉納すると稀に入手できる。
 生産活動に使用できる。
――――――

 レア度高いのはわかったけど、用途が謎。
 後でレシピ検索してみよう。

〈ミッション【穢れた魔力の対処法(二)】をクリアしました。報酬として、スキル【浄化】が贈られます〉
〈ミッション【穢れた魔力の対処法(三)】が開始しました〉

 これ、ラファイエットさんにイグニスさんから聞いた情報を教えた時にアナウンスされたミッションだよね? スタ島でクリアできるやつだったのかぁ。
 浄化スキルをもらえたのは嬉しいけど……ユキマルみたいに穢れに体当たりしなきゃいけなかったりする?

 微妙な気分になりながら、続いて開始したミッションを確認する。
 でも、詳細がわからなかった。まぁ、いつかクリアできるでしょ。

〈〈あるプレイヤーがワールドミッション【世界の浄化】を開始しました。世界の魔力が穢れきる前に、浄化をしましょう。現在の世界の魔力の穢れ度は98%です〉〉

 ここでワールドアナウンスが来た!
 あの……世界の魔力の穢れ度、高すぎやしませんか?

 やばば、と顔が引き攣る。
 ストーリーと同じくらい、このワールドミッションも大切なんじゃないかな。みんな、早くスタ島に来て魔宝珠を奉納しよう!

「おや、魔宝を持ち込むのではなく、魔宝珠を作って奉納するとは……素晴らしい参拝者様がいらっしゃいましたね」

 不意に横手から声をかけられた。男の人だ。神主さんみたいな格好をしてる。

 ……誰?
 きょとんと見つめ合って、首を傾げちゃった。

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