295 / 555
8章 新たな地へ
292.神さまにご挨拶
しおりを挟む
日向ぼっこに最適な場所や遊び場を教えてもらいながら、森を突っ切って神の社に向かう。
仙猫がいると、不思議と森の中のモンスターから襲われることがなかった。
「もしかして君、すごいモンスターだったりする?」
「にゃ(すごいって、なんにゃー?)」
誤魔化された気がする。
でも、仙猫が特別強いモンスターってわけじゃなさそうなんだよなぁ。海渡鳥にやられてたし。
うぅむ、と悩みながら、足元が悪い森の中をテクテクと歩く。
そろそろ着くかな? 結構歩いたよ。
そう思ったところで、木々の合間に赤い建物が見えた。
「おー、神社だー」
予想していた通り、神社っぽい建物だった。
森から出て、神の社に敷かれた石畳を歩く。爽やかな風を感じた。心が澄んでいく感覚がする。神聖さを感じ取ってるからかな。
ラファイエットさんたちは違うところで調査をしているようで、姿が見えない。
神の社はシンと静かに佇んでいた。
「いい雰囲気の場所だね」
「にゃ(お気に入りの場所にゃ)」
仙猫がひょいひょいと石畳を進んでいく。
その先にはお賽銭箱と鈴があった。格子戸のある社の中には、灰色の丸い石が置かれている。あれがご神体なのかな。
見た感じは完全に神社だ。
こういうところを素通りするのはダメだよね。ここをセーブ地点にできるかわからないけど、お世話になる挨拶をしなくちゃ。
お賽銭箱をポンとタッチすると、お金を入れられるらしい。
とりあえず一万リョウを入れる。現実だとここまで思い切りよくお賽銭を入れられないけど、ここだと僕はたくさん稼いでいるから奮発しちゃう。
鈴を鳴らして、両手を合わせた。
「旅人のモモです。いろんなスキルのおかげで、この世界を楽しめてます。ありがとうございます。今日はここでお世話になります」
イグニスさんに聞いた話によると、ここに祀られてる神さまは創世神で、僕たちにスキルを与えてくれてる存在らしい。だから、そのお礼と共に挨拶をした。
〈創世神に祈りが届きました。加護【体力微回復】が贈られます。神の社がセーブポイントになりました〉
およ?
神の社をセーブポイントにできたのはともかく、加護ってなに?
首を傾げつつ、詳細を確認する。
――――――
【加護】
創世神に祈りを捧げると、稀に贈られる祝福。
付与された日から28日間(ゲーム内時間)効果がある。
――――――
なんかすごそう。
長期間、体力微回復かー。ありがとうございます、神さま。
改めてお礼をして顔を上げる。
傍で仙猫がおすわりしてた。
「仙猫、案内してくれてありがとう」
「にゃ(お礼だから気にしないでいいにゃ。それより、奉納はしないにゃ?)」
「奉納?」
それって、神さまに何かを献上することだよね。した方がいいの?
「にゃ(この島の人はみんなしてるにゃ)」
「そうなんだ。どんなものを奉納したらいいの?」
「にゃ(魔宝珠にゃ)」
また知らない言葉がでてきたよー。
さらに詳しく聞いてみる。
仙猫が言うには、この島の人は様々な色の魔宝を五つ集めて魔宝珠を作り、それを奉納しているらしい。
魔宝といえば、第三の街近くの東の鉱山ダンジョンで採れるアイテムだ。
僕、結構掘ったから、たくさんあるよ。
とりあえず、これを錬金布に載せてみる。
僕のスキルだと四種類しか同時に錬金できないんだけど、同じ色の魔宝は二つでも一種類と数えられるから、四種類五個の魔宝で錬金できるようだ。
「【錬金スタート】!」
いつも通りに錬金して、すぐに完成。
――――――
【魔宝珠(四)】レア度☆☆☆☆☆
高濃度の清らかな魔力が満ちた宝珠。
四属性の魔宝で作られている。
神への捧げものにもなる。
――――――
ほうほう。
あとはこれを奉納したらいいのかな?
お賽銭箱の横に魔宝珠が載りそうな台があったので、そこに奉納してみる。どうかお受け取りくださいー。
〈【神の社】に魔宝珠(四)を奉納しました。世界の穢れが僅かに浄化されました。報酬としてアイテム【神の石】が贈られます〉
お? 穢れの浄化? もしかして、ダンジョンが作られる原因らしいって噂の、穢れた魔力のこと? なんかすごいことになってる気がする。
とりあえず、報酬確認!
――――――
【神の石】レア度☆☆☆☆☆
神の社にアイテムを奉納すると稀に入手できる。
生産活動に使用できる。
――――――
レア度高いのはわかったけど、用途が謎。
後でレシピ検索してみよう。
〈ミッション【穢れた魔力の対処法(二)】をクリアしました。報酬として、スキル【浄化】が贈られます〉
〈ミッション【穢れた魔力の対処法(三)】が開始しました〉
これ、ラファイエットさんにイグニスさんから聞いた情報を教えた時にアナウンスされたミッションだよね? スタ島でクリアできるやつだったのかぁ。
浄化スキルをもらえたのは嬉しいけど……ユキマルみたいに穢れに体当たりしなきゃいけなかったりする?
微妙な気分になりながら、続いて開始したミッションを確認する。
でも、詳細がわからなかった。まぁ、いつかクリアできるでしょ。
〈〈あるプレイヤーがワールドミッション【世界の浄化】を開始しました。世界の魔力が穢れきる前に、浄化をしましょう。現在の世界の魔力の穢れ度は98%です〉〉
ここでワールドアナウンスが来た!
あの……世界の魔力の穢れ度、高すぎやしませんか?
やばば、と顔が引き攣る。
ストーリーと同じくらい、このワールドミッションも大切なんじゃないかな。みんな、早くスタ島に来て魔宝珠を奉納しよう!
「おや、魔宝を持ち込むのではなく、魔宝珠を作って奉納するとは……素晴らしい参拝者様がいらっしゃいましたね」
不意に横手から声をかけられた。男の人だ。神主さんみたいな格好をしてる。
……誰?
きょとんと見つめ合って、首を傾げちゃった。
仙猫がいると、不思議と森の中のモンスターから襲われることがなかった。
「もしかして君、すごいモンスターだったりする?」
「にゃ(すごいって、なんにゃー?)」
誤魔化された気がする。
でも、仙猫が特別強いモンスターってわけじゃなさそうなんだよなぁ。海渡鳥にやられてたし。
うぅむ、と悩みながら、足元が悪い森の中をテクテクと歩く。
そろそろ着くかな? 結構歩いたよ。
そう思ったところで、木々の合間に赤い建物が見えた。
「おー、神社だー」
予想していた通り、神社っぽい建物だった。
森から出て、神の社に敷かれた石畳を歩く。爽やかな風を感じた。心が澄んでいく感覚がする。神聖さを感じ取ってるからかな。
ラファイエットさんたちは違うところで調査をしているようで、姿が見えない。
神の社はシンと静かに佇んでいた。
「いい雰囲気の場所だね」
「にゃ(お気に入りの場所にゃ)」
仙猫がひょいひょいと石畳を進んでいく。
その先にはお賽銭箱と鈴があった。格子戸のある社の中には、灰色の丸い石が置かれている。あれがご神体なのかな。
見た感じは完全に神社だ。
こういうところを素通りするのはダメだよね。ここをセーブ地点にできるかわからないけど、お世話になる挨拶をしなくちゃ。
お賽銭箱をポンとタッチすると、お金を入れられるらしい。
とりあえず一万リョウを入れる。現実だとここまで思い切りよくお賽銭を入れられないけど、ここだと僕はたくさん稼いでいるから奮発しちゃう。
鈴を鳴らして、両手を合わせた。
「旅人のモモです。いろんなスキルのおかげで、この世界を楽しめてます。ありがとうございます。今日はここでお世話になります」
イグニスさんに聞いた話によると、ここに祀られてる神さまは創世神で、僕たちにスキルを与えてくれてる存在らしい。だから、そのお礼と共に挨拶をした。
〈創世神に祈りが届きました。加護【体力微回復】が贈られます。神の社がセーブポイントになりました〉
およ?
神の社をセーブポイントにできたのはともかく、加護ってなに?
首を傾げつつ、詳細を確認する。
――――――
【加護】
創世神に祈りを捧げると、稀に贈られる祝福。
付与された日から28日間(ゲーム内時間)効果がある。
――――――
なんかすごそう。
長期間、体力微回復かー。ありがとうございます、神さま。
改めてお礼をして顔を上げる。
傍で仙猫がおすわりしてた。
「仙猫、案内してくれてありがとう」
「にゃ(お礼だから気にしないでいいにゃ。それより、奉納はしないにゃ?)」
「奉納?」
それって、神さまに何かを献上することだよね。した方がいいの?
「にゃ(この島の人はみんなしてるにゃ)」
「そうなんだ。どんなものを奉納したらいいの?」
「にゃ(魔宝珠にゃ)」
また知らない言葉がでてきたよー。
さらに詳しく聞いてみる。
仙猫が言うには、この島の人は様々な色の魔宝を五つ集めて魔宝珠を作り、それを奉納しているらしい。
魔宝といえば、第三の街近くの東の鉱山ダンジョンで採れるアイテムだ。
僕、結構掘ったから、たくさんあるよ。
とりあえず、これを錬金布に載せてみる。
僕のスキルだと四種類しか同時に錬金できないんだけど、同じ色の魔宝は二つでも一種類と数えられるから、四種類五個の魔宝で錬金できるようだ。
「【錬金スタート】!」
いつも通りに錬金して、すぐに完成。
――――――
【魔宝珠(四)】レア度☆☆☆☆☆
高濃度の清らかな魔力が満ちた宝珠。
四属性の魔宝で作られている。
神への捧げものにもなる。
――――――
ほうほう。
あとはこれを奉納したらいいのかな?
お賽銭箱の横に魔宝珠が載りそうな台があったので、そこに奉納してみる。どうかお受け取りくださいー。
〈【神の社】に魔宝珠(四)を奉納しました。世界の穢れが僅かに浄化されました。報酬としてアイテム【神の石】が贈られます〉
お? 穢れの浄化? もしかして、ダンジョンが作られる原因らしいって噂の、穢れた魔力のこと? なんかすごいことになってる気がする。
とりあえず、報酬確認!
――――――
【神の石】レア度☆☆☆☆☆
神の社にアイテムを奉納すると稀に入手できる。
生産活動に使用できる。
――――――
レア度高いのはわかったけど、用途が謎。
後でレシピ検索してみよう。
〈ミッション【穢れた魔力の対処法(二)】をクリアしました。報酬として、スキル【浄化】が贈られます〉
〈ミッション【穢れた魔力の対処法(三)】が開始しました〉
これ、ラファイエットさんにイグニスさんから聞いた情報を教えた時にアナウンスされたミッションだよね? スタ島でクリアできるやつだったのかぁ。
浄化スキルをもらえたのは嬉しいけど……ユキマルみたいに穢れに体当たりしなきゃいけなかったりする?
微妙な気分になりながら、続いて開始したミッションを確認する。
でも、詳細がわからなかった。まぁ、いつかクリアできるでしょ。
〈〈あるプレイヤーがワールドミッション【世界の浄化】を開始しました。世界の魔力が穢れきる前に、浄化をしましょう。現在の世界の魔力の穢れ度は98%です〉〉
ここでワールドアナウンスが来た!
あの……世界の魔力の穢れ度、高すぎやしませんか?
やばば、と顔が引き攣る。
ストーリーと同じくらい、このワールドミッションも大切なんじゃないかな。みんな、早くスタ島に来て魔宝珠を奉納しよう!
「おや、魔宝を持ち込むのではなく、魔宝珠を作って奉納するとは……素晴らしい参拝者様がいらっしゃいましたね」
不意に横手から声をかけられた。男の人だ。神主さんみたいな格好をしてる。
……誰?
きょとんと見つめ合って、首を傾げちゃった。
1,498
あなたにおすすめの小説
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。
子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。
マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。
その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。
当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。
そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。
マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。
焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。
やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。
HOTランキング1位になることができました!
皆さま、ありがとうございます。
他社の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。